トランプ大統領、対メキシコ関税撤回!米雇用統計のあまりの弱さに腰引けた?
トウシル / 2019年6月10日 9時0分
トランプ大統領、対メキシコ関税撤回!米雇用統計のあまりの弱さに腰引けた?
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは109.33円
↓下値メドは107.12円
今朝の天気マークは「くもり」
※天気の判定基準は記事末尾にあります
ドル/円週明けスタートダッシュも
どこまで持続するか疑問
先週金曜日(7日)に発表された米5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回る弱い結果でした。ドルは全面安の展開となり、ドル/円も雇用統計前に108.62円まで週の高値を更新するなど買い優勢でしたが、指標発表後に107.88円まで急落。ユーロ/ドルは1.1348ドルまで買われて約2ヵ月半ぶりの高値をつけました。リスクオフが強まるなかNY市場のドル/円は108.21円で終了しました。
ところが、トランプ米大統領が日本時間の土曜日朝に、対メキシコの制裁関税発動を無期限で見送ると発表。これを受けて週明けのドル/円はドル高方向に窓を開けてオープン。朝7時過ぎの段階では、NY終値より0.30円ドル高/円安の108.50円前後で取引されています。またクロス円も買われていて、ユーロ/円は122.90円前後、豪ドル/円は75.97円まで上昇しています。
毎ヨミ!FXトップニュース(6月7日)
7日ドル/円のNY市場の終値は108.21円
6日の終値に比べ0.18円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。
各国・各通貨トピックス
ドル:
対メキシコ関税の発動見送り、トランプ大統領が表明
5月の米雇用+7.5万人、市場予想を大きく下回る
5月米失業率3.6%、前月比横ばい
5月平均労働賃金 前月比+0.2%、予想下回る
雇用統計の結果受け、市場はすでに米7月利下げを90%織り込む
NY株式市場:
先週のダウ平均は+4.71%。7週ぶりの大幅反発で、昨年11月以来の上げ幅
先週のS&Pは+4.41%、ナスダックは+3.88%でともに5週ぶりに反発
ユーロ:
欧州議会のトップ人事巡りドイツとフランスが政治的駆け引き
EU(欧州連合)大統領はフランス、ECB(欧州中央銀行)総裁はドイツに
メルケル首相は2021年まで首相を続行。後継者の求心力に不安。
ポンド:
2018年の対英直接投資は13%減。ブレグジットが影響
保守党党首は6月20日までに決定
メキシコペソ:
格付け会社フィッチ、メキシコ石油公社をジャンク級に格下げ
その他:
子供にヴィーガンを強いる親は訴えられるべき = ベルギー人医師
WHO(世界保健機関)、「ゲーム依存症」を疾病として認める
ソフトバンクG、アリババ株関連で利益1.2兆円
主要指標終値
本日の注目通貨
ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円:FRBは利下げするしかない?
週明けの東京市場は、対メキシコ関税撤回を好感してドル買いが優勢に。しかし、この問題が発生する直前のドル/円のレベルは109.60円前後なので、まだ影響を完全に脱しきれていないともいえます。一方ユーロ/円のレベルは122円前後、豪ドル/円は75.85円前後だったので、ユーロ/円はすでにメキシコ関税ニュース前のレベルを超え、豪ドル/円は当時のレベルに戻ったわけです。
米労働省が発表した5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が+7.5万人で、事前予想より10万人以上も少ない結果となりました。雇用は製造業からサービス業まで全ての部門で弱く、さらに前月分も下方修正。一方、失業率は3.6%で先月と変わらずで、半世紀ぶりの低水準を維持しました。
平均時給は、前月比+0.2%、前年比+3.1%で、予想をそれぞれ下回る結果。失業率の下落や生産性の改善で平均労働賃金は上昇傾向が続くと見られますが、現在の米労働市場が特に逼迫しているわけではなく、急上昇するような状況ではありません。上昇ペースは今後も緩やかなままでしょう。全体として5月雇用統計は弱さが目立ち、米景気後退入りの不安をいっそう掻き立てることになりました。
マーケットでは、米国の「7月利下げ」予想がすでに90%まで高まっています。ここまでくるとFRB(米連邦準備制度理事会)が何もしなければ、政策ミスだと厳しく批判されることになります。今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)には方針が発表されるので要注目。
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!
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◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。
(荒地 潤)
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