米中・日米・日中首脳会談は一見ポジティブ。重大な懸案は先送り。どうなる日本株?
トウシル / 2019年7月1日 7時40分
![米中・日米・日中首脳会談は一見ポジティブ。重大な懸案は先送り。どうなる日本株?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_22046_0-small.jpg)
米中・日米・日中首脳会談は一見ポジティブ。重大な懸案は先送り。どうなる日本株?
6月最終週は、日経平均・NYダウ・上海総合株価指数とも、模様眺めで小動き
先週(6月24~28日)、日米中の株価指数はいずれも模様眺めで小動きでした。日経平均株価は1週間で0.27%の上昇、NYダウは0.44%の下落、上海総合は0.76%の下落でした。G20大阪サミットでの米中・日米・日中首脳会談を控え、材料待ちとなりました。
日経平均・NYダウ・上海総合株価指数、過去1年半の動き比較:2017年末~2019年6月末
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/4/-/img_b4400c7d596a6720e9bfc6a7d314d7a256469.png)
大阪サミットでの米中・日米・日中首脳会談はいずれも「ポジティブ」だったので、今週の日経平均は堅調に推移すると考えられます。ただし、いずれも、重大な懸案事項を議論しないまま先送りした形なので、まだ積極的に上値を追う条件は整っていません。
最大の注目材料は、トランプ大統領が米中首脳会談後の記者会見で、中国通信大手ファーウェイへの禁輸措置を解除する可能性に言及したことです。禁輸解除が実現すれば、世界中のハイテク産業にプラス材料となります。ただし、現時点ではまだ、可能性に言及しただけで、約束したわけではありません。実際に制裁が解除されるまでには、まだ乗り越えなければならないハードルがたくさんあります。
パウエルFRB議長が過度な利下げ期待をけん制
先週、もう1つ話題になったのは、6月25日のFRB(米連邦準備制度理事会)パウエル議長の講演です。「金融緩和の必然性は高まっているが個別のデータや短期的な心理の振幅に過剰反応しないようにも注意している」と話しました。これは、過度な利下げ期待をけん制する発言と捉えられました。米金融市場では前のめりの利下げ期待が広がり、長期金利(10年国債利回り)は一時2%割れまで低下していましたが、パウエル発言を受けて、2%台に戻りました。
パウエル発言前、金融市場では7月31日FOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25%利下げはほぼ確実、年内2~3回の利下げもあり得るとの思惑が広がっていました。ところが、25日のパウエル発言を受け、前のめりの利下げ期待には少し修正が入りました。
早期利下げ期待がやや後退したことを受け、先週のNYダウは小反落となりましたが、日経平均は小幅に上昇しました。パウエル発言で円高の進行が止まったことが日本株にはプラスとなりました。
パウエル発言前の6月25日、米利下げ期待で一時1ドル=106.78円まで円高が進んでいました。パウエル発言後は円安に転じ、一時108円台をつけました。
ドル/円為替レートの動き:2018年初~2019年6月末
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/7/-/img_971700c4a0071abdc59c4413b5cbbe4728287.png)
米中・日米・日中首脳会談の評価
重要な時期に、重要な首脳会談がたくさん開かれたことで、6月28~29日のG20大阪サミットは、きわめて重要なイベントとなりました。日本株にとって、特に影響が大きいのは、米中・日米・日中の首脳会談でした。以下の通り、ポジティブな内容でした。ただし、重大な懸案事項は、議論しないまま先送りした形となりました。
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/4/8/-/img_48e6e6bd74701ba283f76b3e4b383aa934282.png)
大阪サミットは成功裏に終わった理由は、トランプ米大統領が安倍首相に非常に協力的であったためです。トランプ大統領は、日米首脳会談では日本への厳しい要求は封印したままでした。また、米中首脳会談でも、中国に対する強硬姿勢を見せませんでした。結果的に、米中・日米首脳会談とも、対立がエスカレートするようなメッセージは出ませんでした。
ただし、トランプ大統領がこのまま中国・日本への要求を抑えたままでいるとは思えません。日本の参院選挙が終わるころに、また、強硬姿勢が出てくるリスクは残ります。
米中の懸案で、目先一番重要なのは、中国通信大手ファーウェイへの禁輸解除が実現するか否かです。世界のハイテク景気が盛り返すか否か、米中ハイテク戦争にかかっています。
日本株の投資判断は、変わりません。日本株は短期的には上値が限られそうですが、長期的には良い買い場を迎えていると判断しています。米国による、ファーウェイ禁輸解除が実現することにベットする(賭ける)ならば、半導体・電子部品などのハイテク株を少し買ってみても良いと考えます。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
6月24日:米国の長短金利逆転は景気後退の兆し?じりじり進む円高。どうなる日本株?
6月19日:「高配当利回り株」人気トップ12:アナリストの視点でチェック
(窪田 真之)
この記事に関連するニュース
-
相場展望7月18日号 米国株: ナスダック・半導体株指数の急落は、「夏の調整入り」示唆か? 日本株: 半導体株が軒並み安・急激な円高が株式相場に大きなマイナス
財経新聞 / 2024年7月18日 11時50分
-
トランプ銃撃事件&米利下げ期待で株高続く!?今週は「次、上がる株探し」で乱高下?
トウシル / 2024年7月16日 13時45分
-
「トランプ相場」先取りで史上最高値!今週も青天井で上昇?先走り過ぎの材料出尽くしで反落?
トウシル / 2024年7月8日 13時45分
-
相場展望7月4日号 米国株: ISM非製造業の指数が50割れとなり、景気浮揚の金利低下期待が膨らむ 日本株: 円安の進行と短期筋の海外勢の買いが勝るが、反転に備えも
財経新聞 / 2024年7月4日 10時45分
-
相場展望6月27日号 米国株: ハイテク株⇒エヌビディア⇒アマゾンと主役が短期間化に備えを 日本株: 日経平均は急騰⇒反落の可能性が濃い
財経新聞 / 2024年6月27日 11時39分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3〈最低賃金1054円に〉過去最大増なのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「政治家の報酬だけは世界トップクラスだけど、賃金はオーストラリアの半分」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
4スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
-
5RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)