世界株高。米中対立の今後の行方は?日本株は買い場と判断する理由

トウシル / 2019年7月8日 7時37分

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世界株高。米中対立の今後の行方は?日本株は買い場と判断する理由

米中首脳会談を好感して世界株高。NYダウは最高値

 先週(7月1~5日)の日経平均株価は1週間で470円上昇し、2万1,746円となりました。6月末の大阪サミットで実施された米中首脳会談で、米中対立が緩和する期待が生じたことを受け世界的に株高となる中、日経平均先物にも外国人投資家と見られる買いが入り、上昇しました。

NYダウ・日経平均・上海総合株価指数の動き比較:2017年末~2019年7月5日

注:2017年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 米中首脳会談で、好感されたのは以下3点です。

【1】米中が貿易協議の再開で合意
【2】米国が、対中国の追加関税を発動しないと決定
【3】トランプ大統領が記者会見で中国通信大手ファーウェイへの禁輸解除に言及


 ファーウェイ制裁解除には、その後米国議会で与野党から異論が出ました。その結果、ファーウェイへの制裁解除は限定的な内容に留まりました。一部汎用品の輸出のみ許容する内容です。懸案事項は手付かずで、米中貿易協議が再開されても難航が予想されます。

 ただし、先週の株式市場は、米中休戦の芽が出たことを素直に好感した形です。これ以上、対立がエスカレートすると米景気まで悪化する不安がありました。ぎりぎりのタイミングで対立激化を回避できたことが、好感されました。

 米国の主要株価指数(NYダウ・S&P500・ナスダック総合指数)は、7月3日にそろって史上最高値を更新。米中対立緩和の期待に加えて、7月30~31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが見込まれることも、米国株が上昇する要因となりました。
 それでは、ここで、2018年以降の日経平均株価の動きを簡単に振り返ります。

米中対立の行方は?思惑に振り回される世界の株式市場

 2018年以降、世界の株式は、米中対立の先行きに対する思惑で、乱高下してきました。日経平均も、その流れを受けて、乱高下しています。以下の週足チャートをご覧ください。

日経平均週足:2018年1月4日~2019年7月5日

注:楽天証券マーケットスピードより作成

 上のチャートでは、日経平均上昇・下落の要因がわかるように、日経平均の動きを三つの色(黄緑・赤・水色)に分けた矢印で示しています。

 2018年1月と10月の下落は黄緑色で表示されています。世界景気は好調だったが、「米金利が上昇する不安と、貿易戦争が激化する不安」で世界株安が起こり、日経平均も売り込まれたところを示しています。

 次に、2018年12月と2019年5月の下落を示す赤の矢印を見てください。2018年11月以降、世界景気が変調をきたしていることが明らかとなりました。そのため、金利上昇不安は終息しましたが、代わって「世界景気悪化」が下落要因となりました。「貿易戦争激化の不安と、世界景気悪化の不安」から世界的株安が起こったところを、赤の矢印で示しています。

 水色の矢印は、不安が緩和して世界的に株が上昇したところを示しています。日経平均も反発しています。

 それでは最後に、6月末~7月初に、水色の矢印で日経平均が上昇しているところをご覧ください。大阪サミットでの米中首脳会談を受けて、米中貿易戦争が休戦に向かう芽が出たこと、そうなれば世界のハイテク投資が復活し世界景気も回復する期待が高まることから、世界的に株高となり、日経平均も買われたところです。

日本株は買い場の判断を継続

 米中協議が再開されても、このまますんなり合意に向かうとは考えられません。合意は無理と悲観が広がり、世界的に株が売られる局面がまだあるかもしれません。波乱の種は残っていますが、それでも、日本株が買い場との判断は変わりません。

 東証一部の平均PER(株価収益率)は約13.8倍、平均配当利回りは約2.5%です。日本株は、PERや配当利回りなどの株価指標で見て、割安と判断しています。

 今、米中ハイテク戦争の影響で、世界中のハイテク投資が人為的に押さえ込まれている状態と考えています。少しでも米中対立が緩和するならば、押さえ込まれている投資が復活するでしょう。米中休戦が実現すれば、2020年には世界的に5G(第5世代移動体通信)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)、ロボット、半導体の投資が盛り上がり、世界景気回復が鮮明になると予想しています。

 結論として、リスクはあっても、リスクを取って日本株に投資していって報われると判断しています。まずは、大型の高配当利回り株から投資していくと良いと思います。

 

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(窪田 真之)

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