米、対中制裁「第4弾」発動。中国は報復。日経平均は二番底の模索続く

トウシル / 2019年9月2日 7時38分

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米、対中制裁「第4弾」発動。中国は報復。日経平均は二番底の模索続く

米中対立が激化か緩和か、思惑に振り回される世界の株式市場

 先週の日経平均株価は、ほぼ横ばいでした。1週間で6円下がり、2万704円となりました。米中対立が激化か緩和か、思惑に振り回される展開が続いています。

 8月26日(月)の日経平均は、449円安の2万261円と急落しました。8月23日にトランプ米大統領が、中国への制裁関税「第4弾」発動を表明したことを嫌気し、NYダウが急落、為替市場で「リスク・オフの円高」が進んだことが嫌気されました。ドル円は一時、1ドル104円台に入りました。

 ところが、8月27(火)~29(木)まで、日経平均は反発が続きました。トランプ大統領が、中国と合意を目指す姿勢を示したこと、中国側も合意に向けたが話し合いに応じる姿勢が示されたことが好感されました。これで、NYダウが反発、為替市場では「リスク・オンの円安」が進みました。30日(金)には、1ドル106円台の半ばまで戻りました。

 中国側からは、「米国がこれ以上の制裁関税を発動しない」という条件の下で、米国との通商交渉を再開し、合意を目指すと発表がありました。9月1日に発動が予定されている対中制裁「第4弾」の発動が延期されれば、米中合意に向けて話し合いが進むとの期待が少しだけ出ました。

 ところが、米国は、9月1日に予定通り、対中制裁「第4弾」を発動しました。中国も、すかさず、報復措置として、対米関税の引き上げを発表しました。事態は、再び暗転。歯止めのかからない報復合戦から、中国だけでなく米国の景気も悪化し、世界的な景気後退につながる不安は、まだ続きます。

際限ない米中報復の応酬、さらに泥沼に

 トランプ米政権は9月1日、中国からの輸入品1,200億ドル(約12.7兆円)に新たに15%の関税を上乗せする対中制裁「第4弾」を発動。中国も報復として、米国からの輸入品750億ドル(約8兆円)の33%を占める1,717品目に5~10%の関税を上乗せしました。

 トランプ大統領は8月に入り、中国からの輸入品で、まだ制裁関税をかけていなかった3,000億ドルすべてに関税をかける制裁「第4弾」を9月1日に発動すると表明していました。ただし、産業界などとの話し合いを経て、発動は2回に分けると修正していました。

 9月1日に1,200億ドル相当に制裁関税をかけ、残りを12月15日に発動するとしています。制裁関税「第4弾」には、これまで制裁関税をかけることを避けてきた消費財がたくさん含まれます。消費財への制裁関税は、米国の消費・景気、さらにトランプ大統領の支持率にも悪影響を及ぼす可能性があるので、これまで避けてきたところです。そこまで踏み込まなければならない程、泥沼の対立となってきています。

 第4弾の発動を、9月1日と12月15日の2回に分けるのは、米クリスマス商戦への悪影響を避けるためと考えられます。1日の発動分は、中国からの輸入シェアが75%未満の輸入品が対象で、玩具や衣類、スポーツ・レジャー用品に加え、スマートウォッチやテレビ関連機器などの電化製品も対象となります。ただし、中国で生産、米国に輸出されている米アップル社のiPhone(アイフォン)は、9月1日の発動からは除外されました。

 これに合わせ、中国も報復関税の発動を、9月1日と12月15日に分けました。1日の発動では、既に25%の追加関税がかかっている大豆の関税を30%に引き上げました。また、冷凍豚肉の関税は25%から35%に引き上げました。

日経平均は二番底を模索へ

 米中対立が緩和すれば、5G(第5世代移動体通信)や半導体への投資が世界で復活し、世界景気が回復に向かう期待があります。ところが、対立緩和の期待がまたも打ち砕かれたことを受け、今週の日経平均は下落して始まることが予想されます。ただし、そこは日本株の良い買い場になると判断しています。

 日経平均は、二番底を模索中です。昨年末に一番底(12月26日に一時1万8,948円)をつけましたが、目先、二番底を模索する展開となりそうです。ただし、日本株は買収価値や配当利回りから見て「割安」と判断しています。この下落局面で、日本株を積極的に買っていくことが、長期的な資産形成に貢献すると考えています。

日経平均の推移:2015年1月5日~2019年8月30日

注:楽天証券経済研究所が作成

 簡単に、2015年以降の流れを振り返ります。

【1】2015年末―2016年初に、世界的に景気停滞

 日本も景気後退ぎりぎりまで景気が悪化しました。ただし、結果的に景気後退には至らず、2016年後半から世界的に景気が回復しました。日本の景気も回復に向かいました。

 この景況変化を反映し、日経平均は2015年に「二番天井」をつけて急落し、2016年に「二番底」をつけて急反発しました。

【2】2018年末~2019年にかけて世界的に景気悪化

 昨年末から、景気の悪化が鮮明となってきました。日経平均は、景況悪化を受けて、2018年には、二番天井つけて急落しました。ただし、私は2020年には景気が回復に向かうと予想しています。それを反映し、今年の年末にかけて日経平均が上昇トレンドに入ると予想しています。今は、2019年の景気悪化を織り込む最終局面と判断しています。

 日経平均は昨年末に、一番底をつけたと見ています。現在、二番底を模索中です。秋には二番底をつけた後、上昇トレンドに戻ると予想しています。

 

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