意外な堅調さを見せた日経平均。株高への視界が晴れるのはまだ先?

トウシル / 2019年9月2日 14時19分

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意外な堅調さを見せた日経平均。株高への視界が晴れるのはまだ先?

警戒ムードの中、日経平均はほぼ横ばい

 8月最終週だった先週の国内株市場ですが、週末30日(金)の日経平均株価終値は2万704円でした。前週末終値(2万710円)からは反落となりましたが、その下げ幅はわずか6円ですので、ほぼ横ばいです。

 米中摩擦の悪化懸念で迎えた先週の日経平均は、2万100円台まで下落する場面があるなど、2万円割れも警戒されるムードで迎えていただけに、終わってみれば「意外な堅調さ」を見せたと言えます。

 前回のレポートでは、日経平均の下値メドの一つとして、直近安値(8月6日の2万110円)を指摘していたものの、全体としては下値を探る動きありきで解説していましたので、相場展開の流れとしては想定を外してしまいました。読者の皆様にはご迷惑をお掛けしましたが、株価水準に対する見方自体に変更はなさそうです。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年8月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図1は前回も紹介した、昨年安値(12月26日の1万8,948円)から、今年4月26日の高値(2万2,362円)までの上昇幅に対する、フィボナッチ・リトレースメントの押し目ラインを描いたものです。

 先週の日経平均も最近の値動きパターンと同じ展開となり、週初に「61.8%押し(2万252円)」ラインのところで踏ん張って反発し、週末にかけて「50%押し(2万655円)」ラインを越えるところまで株価を戻してきました。8月の日経平均はこの61.8%押しラインと50%押しラインの範囲内での動きが中心だったことが分かります。

 今週から9月相場入りとなり、このレンジを上抜けるかが注目点のひとつとなりますが、先週末の日経平均先物取引の終値(大阪取引所で2万660円、CME[シカゴ]で2万665円)が、ちょうど50%ラインの水準ですので、レンジの上限はかなり意識されていると思われます。

上方向への勢いはいまひとつ

 問題なのは、レンジを上抜けるだけの勢いが足元の相場にあるかという点です。そこで、ローソク足の大きさや並び方から探っていきたいと思います(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2019年8月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の日経平均は、週初の26日(月)に窓空けで大きく下落した後、翌27日(火)も窓空けで反発、続く28日(水)と29日(木)は小休止となり、週末30日(金)は再び窓空けの一段高という足取りでした。

 チャートをさかのぼると、これと似たような動きが6月頭にもありました。当時も窓空けの下落から反発、そして上昇という展開で戻り基調が続き、その後2万1,500円台を回復していく展開へとつながりました。

 今回も同様の流れに期待したいところではありますが、陰線が多くなっていることや、先ほどのレンジ内での動きにとどまっていることなど、上方向への足かせになりそうな面もあり、株高への視界が晴れるにはまだガマンが必要なのかもしれません。

 このことは別のチャートにも表れています。下の図3は週足の平均足とMACDの組み合わせです。

■(図3)日経平均の平均足(週足)とMACD(2019年8月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 この平均足とMACDの組み合わせは、トレンドの転換を判断する際によく使われます。

 平均足の色が変わるタイミングで、MACDとシグナルがクロスするとトレンドが変わるという感じで見ていくわけですが、図3を見ると、足元の平均足は陰線が続いているほか、MACDとシグナルも共に下向きとなっているため、週足ベースではまだ下落基調からの転換は読み取れない状況です。

今週も上下方向のせめぎ合いが続く

 今週は米中関係の進展期待によって、株価の戻りをうかがう展開をメインシナリオとする見方が多く、日経平均は2万1,000円台の回復があってもおかしくありません。図1の38.2%押しラインはちょうど2万1,000円の水準でもありますが、テクニカル的には先週末の段階で株価の底打ちは確認できても、反発への流れはまだ固められていないと考えられます。

 また、米国株市場に目を向けると、週初の祝日で営業日数が少なく、週末には米雇用統計が控えているため、様子見ムードも強まりそうです。さらに、いつ何が出てくるかわからないトランプ米大統領のつぶやきは、「きまぐれシェフのこだわりサラダ」のように国内外の株式市場を刺激する可能性もあります。

 そのため、今週の日経平均も上方向と下方向がせめぎ合う状況が続きそうです。値動きの範囲は下の図4のように、昨年の高値と安値を基準として、戻り高値と押し安値を結んだトレンドラインとその空間が想定されます。

■(図4)日経平均(日足)の動き その3(2019年8月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

(土信田 雅之)

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