日経平均株価急上昇!今「買い」と判断する危険性
トウシル / 2019年9月19日 9時55分
日経平均株価急上昇!今「買い」と判断する危険性
8月初めの急落後、横ばいの動きを続けていた日経平均株価が突如急上昇! 個人投資家の皆さんは、この動きに正しく対応できましたか?
日経平均株価は2万2,000円台まで上昇
9月に入り、日経平均株価が元気です。8月初旬に急落した後、およそ1カ月にわたり、20,200~20,700円近辺でのボックス相場に終始していたのが、9月5日にそのボックスを上抜きました。その後、あれよあれよと上昇を続け、9月13日には一時2万2,000円を超え、7連騰を達成しました。
8月26日の安値2万173円76銭から見ると、約2,000円、10%近くの上昇です。
日経平均株価を投資対象としているならどんな行動が正解か?
もし日経平均株価連動型ETF(上場投資信託)や、日経平均先物などのように、日経平均株価を投資対象とするのであれば、9月5日にボックスを上抜いた時点で買い、とするのがセオリーです。
それまでは、狭い範囲の株価で横ばいの動きが続いていて、株価が上方向に行くか、下方向に行くかが分からない状態でした。どちらに行ってもおかしくないときに、どちらに行くかを予想して行動するのは良くありません。予想が外れた時に大きな損失を被る危険があるからです。
しかし、9月5日に上方向に株価が抜けたわけですから、その時点で速やかに買いの行動に出るのが正解です。その結果、1,000円幅の上昇に乗ることができました。
個別銘柄の動きはまちまちだった
ただ、個別銘柄に目を向けると、銘柄ごとにかなりまちまちの動きになっていたのが事実です。
今回の反発局面で強かったのは、銀行株、証券株、その他金融株、海運株、半導体株など、これまで株価が値下がりを続けていた銘柄群です。
一方、内需系中小型成長株はあまり上昇せず、逆に大きく下落をしてしまったものも珍しくありません。
したがって、個別銘柄で今回の反発に乗るには、これまで弱かった銘柄を中心に買っていく必要があったというのが正直なところです。
筆者はもともと内需系中小型成長株を主な投資対象にしていますが、それらがあまりにも弱く、逆に空売りをしていたような銀行株、証券株、海運株などが強い動きを見せていたので、こうした銘柄群を買うようにしていました。しかし、筆者のポートフォリオはそれでも成長株のウエイトが高いので、焼け石に水、という感じでした。
ここからどうすべきなのか?
9月13日時点では、騰落レシオも124.0%にまで上昇し、短期的な過熱感が生じてきています。したがって、今回の上昇に出遅れた、と感じても、慌てて多くの資産を株式に投入するのはリスクが高いと思います。
筆者であれば、今回の上昇の中心である銘柄群を多少は持つことができていること、それらの銘柄群がすでに25日移動平均線から大きくかい離していることから、現時点でそれらを買い増しすることは考えていません。
ただ、そうした銘柄群の株価が今後調整し、25日移動平均線に近づいてきたときには、買うことも検討の余地はあります。
おそらく、ここからのパターンは大きく分けると2つです。株価が短期的に調整するも、そこから持ち直し、直近の高値を更新していくパターン、もしくは株価が調整に入り、その後も反発せずに結局は下降トレンドに転じてしまうパターンのいずれかです。
もちろん、さらに株価が上昇し、バブル状態になる可能性もゼロではありません。
自分は何を重視するのかにより戦略が異なる
ここからどうなるかといえば、「上がる」か「下がる」かしかないわけで、自分自身がどちらのリスクをより重視するのかにより戦略が異なってきます。
もし、現時点であまり資金を株式に投じることができていない状態で、ここからどんどん株価が上昇してバブルになるのは耐えられない、という方は、早急に株を買って、さらなる上昇に備える必要があります。
しかしその場合、株価が意に反して下落した場合は、損失も大きくなります。
逆に、ここからの大きな下落に注意しつつ、上昇した場合のケアもしていきたい、という場合は、やはり株価の押し目を狙っていくべきでしょう。
例えば筆者であれば、25日移動平均線からのかい離率が10%を超える銘柄であれば、その場では手を出しません。株価が調整をし、例えばかい離率が3%にまで縮小すれば買いに入ります。
なぜなら、かい離率10%で買った場合、25日移動平均線割れで損切りとすると損失率が10%を超えてしまうからです。でもかい離率3%で買った後値下がりした場合は、同じ25日移動平均線割れで損切りしても、損失率は4~5%で済みます。
もしくは、業種全体としては株価が短期間に大きく上昇していても、中にはまだ株価がそれほど上昇していない銘柄もあります。そうした銘柄に投資するというのも1つの作戦になります。
株価が短期間に大きく上昇し、かつそれに乗れなかった場合は非常に焦ってしまいます。それでもやれることはあります。株価が大きく上昇している業種の中の出遅れ株を探したり、短期的な株価調整を待って押し目買いしたり……。
くれぐれも、これから株価は大きく上昇する! と決めつけて、過熱感が生じているタイミングで一度に多額の資金を投下しないようにしてくださいね。
(足立 武志)
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