暗号資産(仮想通貨)のセキュリティ最前線。はじめる前のチェックポイントは?

トウシル / 2019年10月16日 16時42分

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暗号資産(仮想通貨)のセキュリティ最前線。はじめる前のチェックポイントは?

 ビットコイン(BTC)に代表される暗号資産は、投資初心者にとって “えたいの知れない”投資商品だった。通貨と呼ばれるのに、円なら日本、米ドルなら米国というような発行主体がない。コインという名称なのに実体がなく、すべてインターネット上の電子データで取引や管理がなされる。しかも時々、暗号資産の流出事故や交換所の破たんが明るみに出る……というように。

 暗号資産は資産形成の手段になるのか? 交換所(取引所)を選ぶ基準は何か? そしてなによりも安全に取引ができるのか? そんな疑問を楽天ウォレットの最高情報セキュリティ責任者(CISO)・橘喜胤(たちばな よしたね)に聞いた。

今後の暗号資産について話す橘

 世界で流通している暗号資産は1,500種類以上あるという。日本仮想通貨交換業協会が加盟18社を対象とした統計によると、現物取引高(2019年7月、以下同じ)は8,383億5,900万円、証拠金取引高は2兆8,721億800万円に達している。

 現物取引高はビットコイン(BTC)が群を抜いて多く、リップル(XRP)、モナコイン(MONA)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)が続く。

 暗号通貨の値動きは市場がまだ小さいこともあり、株やFX(外国為替証拠金取引)に比べても荒い。そのため相場の予想は簡単ではない。楽天ウォレットの橘CISOは「今後も一本調子で上がっていくことは予想しづらく、いろいろな要素により上がったり下がったりを繰り返すのではないか」と話す。

 いろいろな要素とは一般的に大きく三つあるという。

(1)国による規制。過去には中国が暗号資産の取引を禁止するなど、市場に大きな影響を与える出来事があった。
(2)金融情勢。米中の摩擦などにより世界経済が不安定になると暗号資産の規模が縮小する可能性がある。一方で株式市場などから逃げ出した資金が暗号資産に流れることも想定できる。また新興国などで通貨危機が起こると、暗号資産が買われる可能性がある。
(3)不正流出。投資家が不安になれば市場は冷え込む。流出の規模が大きければ急ブレーキがかかってしまう。

 このように複合的な要因で価格が上下するため、他の金融商品と同じように状況を見ながら各自で判断して取引をすることが大切だ。

暗号資産の取引ルールと交換所の整備が進む

 今年に入って、国の暗号資産に対する姿勢が大きく変わった。改正資金決済法と改正金融商品取引法の成立(2020年4月施行予定)により、仮想通貨という呼び名を「暗号資産」に改め、円やドルなどの法定通貨との誤認を防ぐ一方、交換や管理業務や取引に関するルールを決めて、金融商品としての位置づけをはっきりさせる。

 暗号資産の交換所(取引所)の整備も始まっている。

「ここ数年で金融庁の規制が強化され、2017年4月から暗号資産交換業の登録が必要となりました。登録業者は20社(2019年9月6日現在)に達しています。利用者の立場で言うと、銀行や証券会社と同じように金融庁の目が届くようになったので、以前よりは暗号資産を安心して取引できる環境が整いつつあるのではないでしょうか」(橘)

 利用者の暗号資産の受け止め方も変わりつつある。

「ビットコインが話題になり始めた頃は、バーチャルな世界で、新しい技術を用いた通貨を使ってモノを買ったり、やりとりをしたりといったゲーム的な要素が強かった。今は、モノを買うというよりは、暗号資産の価値が上がることを期待して取引をしている人が増えています。まさに暗号資産を投資対象として扱い出しているというのが今の状況です」

不正流出事故に備える体制の見極めが重要

 最も気になるのがセキュリティだ。預金や株式、投資信託のような既存の金融商品では取り扱う金融機関や取引所の安全性を疑うことはほとんどないが、暗号資産の取引環境には交換業者によりまだばらつきがある。

 昨今、暗号通貨取引を巡っては、多額の資金流出をともなう事故がいくつか発生しており、いずれもが外部からの不正アクセスにより引き起こされている。

「2018年に起こった不正アクセスによる多額な暗号資産の流出事故においては、業界内の私たちから見ても、システムに問題のある会社には見えなかったが、それでも事故は起こりました。どれだけセキュリティを強化し、資産を管理したとしても、投資家の資産が全て保障される、という状況にはなりません」

暗号資産で要となるセキュリティ

 投資家としては、事故は絶対に避けて欲しいが、暗号資産を狙う攻撃者が存在する以上、確率をゼロにすることは難しい。

 そこで楽天ウォレットでは、「楽天経済圏に組み込まれた交換業者」という点を強調している。

「楽天はECの分野を中心に経験を積んでいます。楽天に限らず、一般的にECサイトへの攻撃者は多く存在するので、防御するためのノウハウも膨大に蓄積しており、当社にもフィードバックされています。小さな事故も起こさないという真剣な気持ちで楽天ウォレットはセキュリティの強化に努めています」と橘は強調する。

高いセキュリティ技術と信託口座の分別管理

 セキュリティの要となる技術は、英国・ベルファストの「楽天ブロックチェーン・ラボ」で開発している。

「ここで開発した高いセキュリティシステムで暗号資産を保管しています。お客さまから預託されたお金は、当社の自己資金とは分離して楽天信託の信託口座にて管理しています。また暗号資産も、当社保有分とお客さま保有分を分けて管理しており、お客さま保有分は全てコールドウォレット(インターネットと完全に切り離されたウォレット)で管理しています」(橘)

 分別管理は金融庁の指導によるものだが、その方法までは指定されていない。楽天ウォレットは、信託銀行を使うことで、投資家の資産をより高いレベルで安全に管理しているわけだ。

 取引面での安全確保は、取引をスマートフォンアプリ「楽天ウォレットアプリ」経由に限っている点に加えて、侵入を防ぐため二段階認証を採用している。ログイン時、出金時、出庫時には必ず認証を求められるので安全性が高い。

楽天銀行との提携で口座開設と資金移動が簡単に

 最後にセキュリティ以外の楽天ウォレットの特徴を見てみよう。

 取り扱い資産は、日本円(JPY)、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)。取扱資産ペアはBTC/JPY、 ETH/JPY、 BCH/JPY。100円から取引ができる。

 楽天銀行と連携しているため口座開設は最短で即日。楽天銀行に口座を開設済みなら新規申込時の本人確認手続きは不要。土日祝日でも、入出金がリアルタイムでできる。口座開設に手数料はかからず、口座維持も無料。日本円の入金と暗号資産の入庫が無料。

 暗号資産の取引は交換業者さえ選べば怖くない。まずはスマホを使って少額の資金で値動きを体験してみてはどうだろうか。100円から取引可能とのこと。

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教えてくれた人:橘喜胤

(トウシル編集チーム)

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