「部分合意」好感、日経平均2万2,000円突破:日本株「買い場」の判断をさらに強調
トウシル / 2019年10月21日 7時43分
「部分合意」好感、日経平均2万2,000円突破:日本株「買い場」の判断をさらに強調
日経平均は米中「部分合意」を好感、2万2,000円を抜ける
先週の日経平均株価は1週間で694円上昇し、2万2,492円となりました。2019年に入ってから上値抵抗線として意識されていた2万2,000円を上抜けした形です。
10月11日に、米中貿易協議で「部分合意」に達したと発表されたことが好感されました。中国は米国からの農産物輸入を拡大させ、米国は10月15日に予定していた対中制裁関税の引き上げ(2,500億ドル相当の輸入品にかけている関税率25%の30%への引き上げ)を見送りました。両国間の争点はほとんど未解決ですが、合意できないものはすべて先送りし、合意できるところだけでとりあえず「部分合意」を演出しました。これにより、米中対立エスカレートが回避され、対立が緩和に向かう期待が出たことが、株式市場で好感されました。
日経平均株価週足:2018年初~2019年10月18日
これまでの振り返り
簡単に、2018年以降の日経平均の動きを振り返ります。
【1】2018年1~9月:世界まるごと好景気
好景気でも米金利上昇や米中貿易戦争への不安があったため、日経平均は横ばいでした。
【2】2018年10~12月:世界景気悪化
米中貿易戦争の影響により中国景気が悪化。つれて世界的に景気が悪化。世界株安を受けて日経平均も急落。
【3】2019年1~10月:米中対立緩和の期待
米中対立が緩和する期待から、世界的に株が反発し、日経平均も反発しつつあります。世界のハイテク投資を抑圧している米中貿易戦争が緩和すれば、AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット化)・5G(第5世代移動体通信)・半導体の投資が世界的に盛り上がり、2020年4月ころから世界景気は回復に向かうと予想しています。つまり、今の株高は、2020年の景気回復を織り込む、最初の動きと考えています。
為替市場では、「リスクオンの円安」進む
最近、世界的に株が下がると「リスクオフの円高」が進み、世界的に株が上がると「リスクオンの円安」が進む傾向が鮮明です。米中貿易戦争が緩和する期待から、足元、円安が進んでいます。
ドル円為替レートの動き:2018年1月2日~2019年10月18日
日本株「買い場」の判断を再び強調
日本株は、配当利回りや買収価値から見て、割安と判断しています。私は来年の4月ころから半導体などのハイテク景気が回復し、世界的な景気回復につながると予想しています。その実現性は少しずつ高まってきています。日本株は「買い場」との判断を、改めて強調したいと思います。
1つリスクとして、米国が12月15日に予定している「対中制裁関税第4弾」(輸入品1,600億ドル相当に10~15%の制裁関税をかける)をまだ撤回していないことです。これには、これまで避けてきたスマートフォンなどの消費財が幅広く含まれます。これを実施すると、中国だけでなく米国の景気にも悪影響が及びます。米中対立は一段とエスカレートすることになります。
私は、来年の大統領選を強く意識し始めているトランプ大統領は、12月15日の制裁第4弾も、何らかの理由をつけて発動しないものと予想しています。本当にそうなるか、今後の米中交渉の進展を注意深く見ていく必要があります。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
10月16日:外国人はいつ日経平均を買戻す?需給は「売られ過ぎ」。裁定買い残の見方は?
10月7日:米景気への不安高まる。どうなる日本株?
10月1日:消費税引き上げに日本の景気は耐えられるか?鍵を握るのはトランプ大統領?
(窪田 真之)
この記事に関連するニュース
-
5月以降の日経平均上昇を裏付ける「3つの追い風」 今後もドル高円安の大幅修正は見込みづらい
東洋経済オンライン / 2024年4月28日 9時30分
-
株価の決定要因は為替から地政学的リスクへ…遠くの戦争は「買い」ではなくなった?(中西文行)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月26日 9時26分
-
なぜ最近「激安の中国製品」が大量に出回っているのか…「世界の工場」がお荷物と化した習近平政権の自滅
プレジデントオンライン / 2024年4月15日 9時15分
-
高値波乱の日経平均、企業業績は良好だが米金利上昇に不安(窪田真之)
トウシル / 2024年4月15日 7時45分
-
相場展望4月8日号 米国株: NYダウなど主要株価指数が「弱気」、上昇支持線下回る 日本株: 買い主体の交替「海外投資家⇒証券自己」に、リスク注意
財経新聞 / 2024年4月8日 11時52分
ランキング
-
1日本の名目GDP、2025年にインドに抜かれ世界5位へ…円安でドル換算が目減り
読売新聞 / 2024年5月5日 18時59分
-
2アングル:インドIT企業、地方都市へ相次ぎ進出 人材確保やコスト削減狙い
ロイター / 2024年5月6日 8時3分
-
3低所得国支援に1620億円 鈴木財務相、ADB総会誘致表明
共同通信 / 2024年5月5日 22時51分
-
4相鉄線「屈指の閑散駅」ついに一新へ! 大幅イメチェン&新改札も 完成時期は?
乗りものニュース / 2024年5月4日 8時42分
-
5大手損保が断ち切れない代理店への過剰な忖度 いまだ横行する「社員代行」「テリトリー制」
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 7時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください