中学3年生で300万円を運用。私の投資体験とその効果
トウシル / 2019年11月29日 5時10分
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中学3年生で300万円を運用。私の投資体験とその効果
唐突ですが、中学生、高校生のお子さんがいる読者の方にご提案です。思い切って、お子さんに投資資金を渡して、運用を任せてみてはいかがでしょうか?
私自身、父親の勧めで中学3年生から株式投資をしており、学生時代の経験は、今振り返ってみてもとても貴重なものとなっています。大切なお子さんの将来のために、10代から資産運用をさせてみてはいかがでしょうか?
中学3年生からの株式投資
私自身、1987年の中学3年生の時に、父親から「300万円を自分で運用して大学に行くか、親のスネをかじって大学にいくか決めろ」と言われ、「じゃあ、運用する」と答えて株式投資を始めました。株式への投資で最初に買った銘柄は、富士通、島津製作所、大倉電気の3銘柄です。
夏休みには、マーケットが気になるので、自宅近くの協立証券(現:エイチ・エス証券)に行き、店の外からガラス越しに株価ボードを見ている変わった子供でした。協立証券の人からすると、「誰だ、この時々来る子供は?」と怪しく見えたでしょう。こちらは中学生なので、さすがに店に入ることはできず、でも株価は気になるので、外から見ていたというのが実態ですが…。
家では、日経新聞の株式欄を目で追いながら、ラジオたんぱから流れてくる株価を聞く日々。当時はパソコンなどなく、株価を知る方法は証券会社に行くか、ラジオたんぱを聞くくらいだったのです。東京証券取引所にはまだ場立ちがいる時代で、バブル絶頂期には、「新日鉄が…!」「NTTが…!」など、ラジオから聞こえてくる活況ぶりに、自らの気持ちも高ぶっていました。
父親の援助一切なしで大学を卒業
株式相場の上昇も高校2年生の2学期までで、1989年12月に日経平均株価が3万8,915円という過去最高値を付けて以降、3学期の1990年からは一転してバブル崩壊。運用でマイナスになるわ、大学に入ってからは、授業料、生活費でお金も出るわで、大変な時期となります。保有銘柄の株価が下がった時には「このままで卒業できるのか」と青ざめたりもしました。大学での勉強、サークル活動の一方、授業料、生活費を何とかしないといけないので、当然ながら「何のアルバイトだったら時給がいいのか」を考え、警備員、ファストフード店の深夜清掃、家庭教師といったアルバイトも懸命にしていました。
そんな状態にあったのですが、そこでの父親の対応が(振り返ってみればですが)スゴイ。そもそも考えてみれば、300万円という金額は、国立大学であれば入学金+授業料分はあるけれども、生活費を考えると十分ではない、私立大学の場合には授業料だけでオーバーです。そのような状態の中、父親は「この資金で自分でやれ」という姿勢を一貫し、大学時代には1円もくれなかったのです。
最終的にどうなったかというと、大学卒業時には、「300万円の運用資金+バイト代」-「入学金+授業料+生活費」=ほぼ0で、何とか卒業することができました。
大切なのは、子供を支援するのではなく、自立させること
私が学生時代に培った経験は、
(1) 資産運用について真剣に考え、ワクワクし、青ざめる経験もしたこと
(2) お金のやりくりを、身をもって体験したこと
(3) 追加の資金援助を得ずに、与えられた資金で、自己責任のもとで卒業まで至ったこと
です。
(1)については、私は、若いうちに資産運用で青ざめておいたほうがいいという考えを持っています。まだ資産も少ない若いうちに、しっかり経験をして、どのくらいのリスクを取ったら自分は青ざめるのか、資産運用はどれだけ難しいのかを知っておくことです。人は得てして「自分は大丈夫だ」と思いがちです。退職金で初めて運用するという方も少なくないと思いますが、将来を考えると失敗できない資金です。退職金の運用で初めて青ざめ、資産を減らしてしまうと、取り返しがつかなくなってしまいます。
(2)、(3)については、計画をもって行動しないと、待っているのは破綻です。有り金を計画なく使ってしまうのではなく、先々を考えていく。このお金のやりくりの経験が、その後の人生の役に立っています。うまくいく、いかないも自己責任。そこに言い訳は通用しません。
私が10代から資産運用をさせたほうがいいというのは、そのことが子供の自立につながるからです。決して「自分は働かなくても投資で生きていける」と勘違いをしてしまう若者や、ギャンブラーを育てることではありません。真逆です。
逆境や苦境が人を育てます。親が子を思って支援すればするほど、子は親を頼ってしまい、自立できなかったりします。何事も経験です。大切なお子さんのために、思い切ってお金を渡し、「あとは自分でやれ」ということをやってみてはいかがでしょうか?
きっと自立した立派なお子さんに育つことでしょう。
(白石 定之)
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