ラリー・ウィリアムズの円相場見通し
トウシル / 2017年9月14日 17時0分
ラリー・ウィリアムズの円相場見通し
危機相場の反動相場
北朝鮮情勢やハリケーン被害を警戒してディフェンシブになっていたマーケットは、それらの警戒が和らいだことで、株式市場が買い戻しや逆張りの買いなどを集め、落ち着きを取り戻した格好となっている。
株式市場は、「年内の税制改革法案成立にムニューシン財務長官が意欲的だ」との観測報道で減税を先取りした買いが入っているが、現実には財源がない。オバマケアの撤廃と国境税で作る予定だった財源がまったくないのが現状であり、リップサービス的なものであることがはっきりしてくると、市場は反動安に見舞われるだろう。
NYダウCFD(日足)
日経平均CFD(日足)
危機のバロメーター的な動きをしていたゴールドの上昇も、日足ベースでみるといったん買いトレンドは終了した格好となっている。ゴールドの相場は短期的に買われ過ぎになっていたので、現在は調整相場となっているが、マーケットが懸念している問題は根本的には何も解決しておらず、調整後は切り返してくる可能性があるだろう。
ゴールド(日足)
ゴールド(日足)
ドル/円は米国金利の低下と北朝鮮情勢から107円30銭まで売られたが、買戻し相場となり、日足ベースの直近の売りトレンドは消滅している。ATRチャネルなどのリターン・リバーサル(逆張り)指標をみると、いつものチャネルの下限付近まで相場をやったものの、そこで相場が終わった格好となっている。
ドル/円(日足)
ドル/円(日足)
投機筋の注目を集めているのはポンド相場で、本日の英国中央銀行の MPC(金融政策委員会)で、チーフエコノミストのホールデン委員が利上げに賛成票を投じるか否かに注目が集まっている。
ポンド/円(日足)
ポンド/円(日足)
筆者はこの先、目先的にはドル高、ドル安のいずれの相場が展開されてもおかしくないと考えており、上のATRチャネルのチャートに見られるような大幅な乱高下相場が継続されても不思議ではない。
ラリー・ウィリアムズの円相場見通し
円高見通しを語ってきたラリー・ウィリアムズは、9月9日時点で円買いポジションの利食いのポイントが接近しており、短期的には円売りポジションの構築を推奨していた。円相場のシーズナルサイクルは円安を示唆しているようだ。
CME 日本円通貨先物=円/ドル(日足)とラリー・ウィリアムズの円相場予測
いずれにしても、今後の為替市場の動向を決めるのは米国の金利動向だろう。投機筋は9月20日(日本時間21日午前3時)のイエレン氏率いるFOMC(連邦市場公開委員会)の姿勢に注目している。
米10年国債金利(週足)
(石原 順)
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