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かぶってなーに?「おやこで社会見学」潜入!東京証券取引所(とうしょう)

トウシル / 2019年12月29日 6時0分

かぶってなーに?「おやこで社会見学」潜入!東京証券取引所(とうしょう)

かぶってなーに?「おやこで社会見学」潜入!東京証券取引所(とうしょう)

かぶってなんだろう?たのしい投資ゲームで体験

ー 中学生になると、社会公民の教科書を通じて株式投資を学びます

そこで第2回は株を売買する「市場」がある証券取引所編。国内最大の証券取引所・東京証券取引所(東証)を訪ね、株取引の歴史を学んだり、株取引の現場を見学してきました。

※本記事は2017年12月4日に公開したものです。

東証の見学施設「東証アローズ」に到着

そうくん:ここが「東証アローズ」だって。早く入ろうよ

ママ:見学コースの入口は反対側の本館にある西玄関よ。東証アローズと本館が一つになった大きな建物をぐるっと回って、西玄関へ向かいましょう
おねいさん:そうくん、はじめまして 。今日はわたしがご案内します。よろしくね

そうくん:はい!(ドキドキ)


おねいさん:本館の西玄関で受付を済ませて2階へ上がると、「株式投資体験コーナー」があります。自由に操作できる端末を使って、仮想の証券市場でキタハマ自動車、かぶと銀行、ドラゴンガス(すべて架空の銘柄)の売買体験ができます  

ゲーム感覚!株式投資体験をやってみた

そうくん:ぼく、ドラゴンガスを買うよ

ママ:株の値段の動きをよく見て、買った値段よりも高くなった時に売るのよ
おねいさん:1日5回の体験時間には、タブレット端末を使って本格的な株の売買がオンラインで体験ができます。参加人数は最大34人。仮想所持金は1,000万円。先の3銘柄を売買してもうけを競います

そうくん:ママが株の値段をよく見て、というのだけれど、値段が高い、安いって、どこをみるの?

おねいさん:画面に学校で習う「折れ線グラフ」のような線が映っているでしょう。これが株の値段の動きを表す「株価チャート」というものなの

そうくん:わかった! 上の方が高くて、下の方が安いんだね
そうくん:うしさんがいるよ。「とうしくん」だって
ママ:「証券知識普及プロジェクト」マスコットキャラクターと書いてあるわ。漢字で書くと「投資くん」なのね。日本橋兜町生まれの男の子で、10頭兄弟……

そうくん:えっ!? だから「とう、うし」なの?  (※どちらも本当です)
おねいさん:次は、東証アローズを一周できる見学回廊へいきましょう。 東証アローズは1999年4月まで「株券売買立会場」と呼ばれていた場所にあります。広さはテニスコート4面分、床から天井までの高さは約15m。「株券売買立会場」当時は手サインなどにより取引をしていました。今は全ての取引がコンピューターで行われています。直径17mのマーケットセンターでは、取引所の社員が売買注文の監視を行っています。奥に見えるのは「チッカー」と呼ばれる1周50mの円柱形の電光掲示板。売買が活発だと早く回り、少ないとゆっくり回るんですよ

そうくん:パパの会社の名前もくるくるしてるのかな…

手のサインで株を取引していたの!?

おねいさん:ここの歴史を見ましょう。昔はここにたくさんの人が集まって取引をしていたの。遠くの人には声が届かないから、手サインを使っていたの。それぞれの銘柄に決まった手サインがあって、伊藤忠ならこう(投げキッス)

そうくん:え、イトチュウが? どうして?

おねいさん:「チュウ(忠)」だからよ。

そうくん:あ…(照れている)
そうくん:これはトヨタ。手サインは、車のハンドルなんだって。かっこいいなー
おねいさん:昭和初期までは取引開始の合図に使われていました。今は「上場の鐘」と呼ばれ、上場セレモニーに使われたり、大納会・大発会でならします

そうくん:ぼくも鳴らしたい!!

ママ:そうくんが大人になったら、社長さんになってぜひ鳴らしてみてね
おねいさん:オープンプラットフォームと呼ばれるイベントなどに使われる広場では16面の大スクリーンがあり、市場ごとの売買高、売買代金などが表示されています。また市場の動きが分かる株価指数のTOPIX東証株価指数)や日経平均株価もリアルタイムで見ることができます

株券ってみたことある?株の歴史を見てみよう

おねいさん:次は隣接する「証券史料ホール」の見学です。証券に関する歴史的に貴重な品々を明治、大正、昭和と年代順に見ることができます

そうくん:これカッコイイ!


おねいさん:そうくんが興味を示したのは証券会社の場立ち(ばたち)が着た法被(はっぴ)です

そうくん:ぼく、お祭りの時に着たよね

ママ:これは昔の立会場で場立ち(ばたち)という仕事をしていた証券会社の人が着ていたそうよ
そうくん:このおじさんたちはだれ?

ママ:今の日本の経済をつくったむかしのえらい人よ
おねいさん:さっき株の売買の体験をしたでしょう。昔は株を買うと紙に印刷された株券がもらえたの。2009年1月から株券が電子化されてコンピューターシステムで管理されるようになりました

そうくん:株券って、どんなもの?

おねいさん:(株券を引き出して)会社によってデザインが違うのよ

そうくん:ぼく、こういう表彰状をもらったことがあるよ

おねいさん:すごい、大切に飾っておこうね
そうくん:おみやげに、「兜神社(かぶとじんじゃ)」のお守りを買ったよ

どうだったかな?見学後に絵日記を描いてもらいました

線が下にあるときに買って、上になったら売るともうかるよ。たのしかったな♪

そうくん:ママがもっているスマートフォンより大きいやつで、株を買ったり売ったりしたんだよ。9万円くらいもうかった!

ママ:それはすごいね。そうくん才能あるかも。きっとパパが大よろこびするわ

そうくん:でも株ってなんなの?

ママ:会社が工場を建てたり、商品を作るための材料を買ったりするためのお金を集めるために発行するものよ。お金を出した証明として株(株式)をもらうの

そうくん:どうして株の値段が変わるの?

ママ:そうくんはドラゴンガスを買ったでしょう。ドラゴンガスの株を買いたい人が多ければ高くなるし、少なければ安くなるわけ

そうくん:それならぼくが株を買ったときの絵を描くね


東京証券取引所の歴史

東京証券取引所は「兜町」(東京都中央区日本橋兜町)にあります。兜町は米国の「ウォール街」や英国の「シティ」と同じように、株取引の中心地の意味で使われます。

東京証券取引所は1878(明治11)年に、実業界の実力者だった渋沢栄一などにより「東京株式取引所」として誕生しました。明治中期には多くの取引所が設立され、1897(明治30)年には137カ所を数えましたが、不健全な取引が横行したため、取引所の整理と健全化が図られ、6年後には59カ所に減りました。

日露戦争が終わると、株式ブームとなり鉄道株や紡績株、工業株などが買われました。東京株式取引所株(東株)も人気株となりました。

1923(大正12)年の関東大震災で東京株式取引所の建物も全焼。しかし1カ月後には取引が再開されました。その後、1927(昭和2)年に市場館、1931(昭和6)年に本館ドームが完成。しかし第2次世界大戦により、株の取引ができなくなりました。

取引所の再開は1949(昭和24)年のこと。会員組織による取引所が東京、大阪、名古屋に設立されました。戦後の高度成長によって株取引が活発になり、株価も上昇し、株式売買システムの導入なども行われ、株取引の近代化が図られました。

1988(昭和63)年に現在の建物である新本館が完成。1999(平成11年)4月30日に株券売買立会場が閉場し、その跡地に東証アローズが開設されました。

そして2013(平成25)年1月、東京証券取引所は大阪証券取引所と経営統合をして日本取引所グループ(JPX)が誕生しました。

 

◎東証アローズの見学まとめ

東証アローズは見学時間内にいつでも自由に見学することができます。株取引はすべてコンピューター売買のため、取引の様子を直接目で見ることはできませんが、マーケットセンターのチッカーの回転速度(8段階)によって株取引の活発さを肌で感じることができます。また取引所の社員が売買注文を監視することで、公正な株取引が保たれている様子を見ることができます。マーケットセンターにはマスコミ各社のブースがあるため、運が良ければ株式市場の様子をレポートしている様子を見ることができるかもしれません。

▼トウシル編集記事
トウシル編集の「それって本当?」兜神社の都市伝説ミステリーを取材

 

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(トウシル編集チーム)

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