クイズで学ぶテクニカル指標(9):出来高の変化を読む-1
トウシル / 2020年1月11日 8時0分
クイズで学ぶテクニカル指標(9):出来高の変化を読む-1
今日のポイント
- チャートを見るとき、株価の動きだけでなく、出来高の変化を見る必要がある。出来高は人気のバロメーター。一般的に、出来高が増加しているときは人気上昇中で、出来高が減少しているときは人気が低下しつつある。
- チャートのシグナルに100%当たるものはない。70%当たり、30%外れるシグナルがあれば、売買の参考となる。株価の動きと、出来高の変化を同時に見て判断すると、売買に成功する可能性が高まる。
今日のレポートは、「出来高の変化を読む-1」です。
まず、クイズです
<クイズ>
この株価チャート、売り・買い、どっち?
100%当たるチャートシグナルはない
こういうクイズを出すと、「チャートだけでは今後の株価はわかりません」とお答えになる方もいます。確かにその通りです。チャートに基づく投資判断は、100%当たるものではありません。
ただし、チャートのパターンを見て、統計的に今後上がる可能性が高いか低いか判断することはできます。統計的に7割の確率で上昇するチャートのパターンがあれば、それは立派な買いシグナルです。ただし、それでも、3割の確率でシグナルが外れ、下落することもあるわけです。100%当たるチャートは存在しません。
それを理解した上で、チャートのシグナルを見て売買するのは意味あることです。7割の確率で上昇するパターンが出たら買いを実行し、上昇すれば利益が得られます。もし外れて下がったら、さっさと損切りするだけです。同じパターンのチャートで勝負し続ければ、長期的には利益を稼ぐことができるはずです。
出来高(売買高)を見る習慣をつけましょう
チャートを見るとき、株価だけでなく、いっしょに出来高の変化を見る習慣をつけましょう。出来高の変化に重要な鍵が含まれていることがあります。
出来高は、一般的に人気のバロメーターです。
これだけは、覚えておこう!
安値圏で出来高が少なかった銘柄が、急に出来高が増えて上昇するとき、「買いシグナル」が出ることがあります。なんらかの買い材料が出て、買い始めた人がいると考えられます。なんの材料が出ているかわからなくても、出来高の増加と株価の動きから、「何かいい話が出ている」と想像することができます。
逆に、高値圏で大商い(出来高が多い)の銘柄が、徐々に出来高が減少していく場合には、売りシグナルが出ます。人気が低下し、下落が続く可能性が高まっていると判断できます。
クイズの答え
冒頭のチャートの投資判断は
「売り」です。
株価チャートの勉強をしたことがある方は、これが「二番天井」という売りシグナルであることに、すぐ気づいたと思います。ただ、実際の売買では、二番天井だけで、自信を持って「売り」とは判断できません。ここから切り返して上昇していくことも、あります。
ここで、出来高の変化もあわせて見ると、売ったほうがいいと判断がつきます。「二番天井」「高値圏で出来高が急速に低下」と、よくない兆候が2つ重なっているからです。
7月に出来高が増えて株価が急上昇したとき、人気も上昇中でした。ところが、8月に株価が二番天井をつけた後、出来高が急速に少なくなっていることに注意が必要です。人気が急速になくなっていることがわかります。
高値で買ってしまった投資家が売ろうとしても、指値の買いが少なくなっているので、売るのが難しくなりつつあります。
次のクイズです
<クイズ>
この株価チャートは、売り・買い、どっち?
このチャートは、前のチャートの上下を逆さにしたものです。出来高の増減も反対になるように作ってあります。前のクイズのチャートでは、8月に入り、株価が高値から下がってくる中で、出来高が急速に減少していました。このチャートは逆で、8月に入って株価が安値から上昇してくる中で、出来高が急速に増加しています。何らかの好材料が出て、投資家が買い始めていると思われます。
株価チャートの勉強をしたことがある方は、これが「二番底」という買いシグナルになっていることにも気づいたと思います。「二番底」だけでは、自信を持って買うことはできませんが、「二番底」「出来高急増」とよいシグナルが2つ重なっているので、ここは買い出動したいところです。
このチャートの投資判断は
「買い」です。
売りシグナルの出ているチャートを逆さにすれば、買いシグナルが出ているチャートとなります。
(窪田 真之)
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