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優待銘柄の買い時はいつ?桐谷さんの優待投資術

トウシル / 2020年3月5日 17時56分

優待銘柄の買い時はいつ?桐谷さんの優待投資術

優待銘柄の買い時はいつ?桐谷さんの優待投資術

 優待名人・桐谷さんは優待銘柄を約1,000を保有しています。その理由は、効率よく優待品をもらうこと(※1)と、分散投資効果(※2)を期待しているため。

 優待品で暮らす、桐谷さんのような優待生活を送るためには、どんな投資をすればいいか。桐谷さんの経験則から編み出した銘柄は、いつ買えばいいか。投資術を聞きました。

桐谷さんの投資術

――まず投資の考え方について教えてください。

投資での失敗談を話す桐谷さん。それからは優待・分散投資で起死回生

桐谷 まず、投資資金と分散投資について考えてください。投資資金は余っているお金(生活には使わない余裕資金)だけ。余っているお金なんてないよ、という声が聞こえてきそうですが、家賃とか食費とか光熱費・通信費とか、毎月必ず必要になるお金で株を買うと、株価が値下がりしたときに払えなくなるでしょう?

 次に、資金を1銘柄に集中させずに、複数の銘柄に分散投資しましょう。保有株数は1銘柄あたり優待品がもらえる最小単位(単元株)が効率的。多くの銘柄の優待品は1単元(100株)でもらえます。分散投資をすると保有株の数だけ優待品がもらえることと、一つの会社に問題が起こってもなんとかなるというメリットがあります。

優待改善は株価上昇のチャンス!?

――優待銘柄を買いたいと思っている読者の方も多いのですが、桐谷さんが最近「いいね!」と思った優待銘柄はなんですか。 

桐谷 日本モーゲージサービス(7192)ですね。2019年1月21日に優待内容の改善が発表されました。100株以上でクオカード1,000円分1枚から、100株以上1年未満保有でクオカード3,000円分×1枚になったのですよ。

 しかも1年以上3年未満の保有ならクオカードに加えて、カタログギフトから1品(4,500円相当)、3年以上保有ならカタログギフトから2品(9,000円相当)選べるのです。

――2,000円分もアップ!買わないと!

 桐谷 狙っていたのですが、2日連続のストップ高になって買えなかった。もし値段が付いて買えたとしても、株価が急上昇しているときに買うと高値づかみをして後悔するので、結果、買えなくてよかったです。株価が落ち着いた後、ちょっと値下がりする場面があるはずなので、そこで買おうと思います。

――優待内容が改善されるとか改悪されるという情報は、どうやって探すのですか。

優待情報は毎日チェックしている、と桐谷さん

桐谷 日本取引所グループ(東京証券取引所などを運営)の「適時開示情報閲覧サービス」を夕方から夜にかけてチェックしています。

 株主優待の情報だけでなく、決算発表とか配当のお知らせとか「投資判断上重要な情報」が1日100~500本くらい掲載されているので、全部を見ることはできません。株主優待の情報だけが見たいのなら、ウェブサイトの検索窓に「優待」と入力して検索してください。

優待銘柄の買いどき

――桐谷さんは優待銘柄を選ぶとき、会社の事業内容や業績はあまり気にせず、優待品と利回り重視で選んでいるそうですね。

桐谷 買いたい銘柄のリストをつくり、株価をチェックしていて、「総合利回り」(配当+優待を合わせた利回り)が4%以上になったときに買い指値をするのです。

――「総合利回り」はどんなふうに計算するのですか。

桐谷 まず「配当利回り(%)」を計算します。
計算式は「1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100」

 次に優待利回り(%)を計算します。
「優待品の換算金額(年間合計)÷優待をもらうのに必要な投資金額×100」。配当利回りと優待利回りを足して配当優待利回り(%)を出します。

 つまり「配当利回り(%)+優待利回り(%)」ですね。

――欲しい銘柄の総合利回りが3%だったとしたら?

桐谷 よほどのことがない限り配当金額は年間で決まっているし、優待品の換算金額も大きく変わることはあまりありません。そのため株価が値下がりすれば3%の銘柄が4%になるわけです。

――買い指値というのは、買いたい値段を指定して注文する方法ですよね。買い指値をするのはなぜ?

桐谷 私は「パソコンの前で常に株価をチェックし、売買」というやり方はしません。買いたい値段を指値(指定)して、約定(売買が成立)するのを待っているのです。優待投資はこちらのほうが向いていると思います。
※指値の反対は成行注文(値段を指定しない注文。すぐに約定しやすい)

――買えなかったら?

桐谷 気長に値下がりを待つだけです。

安くなった株は売らない

――ほかに桐谷さんの投資ルールはありますか。

桐谷 2点目は、「買値よりも安いときは売らない」かな。前に日本モーゲージが優待内容を改善してストップ高になったという話をしましたよね。その8日後にアサックス(8772)が株主優待制度を再開すると発表しました。優待品は年1回3月に100株保有で2,000円分のクオカードです。

 これもいい優待なので、日本モーゲージと同じようにストップ高比例配分(※3)になると読んで、成行注文で3,000株の買い注文を入れました。単元株(100株)を30単位(3,000株)も注文しておけば、比例配分で1、2単位くらいは手に入るだろうと考えたのです。昼に起きて様子を見たら603円で買えていた。しかも強烈に下がっている。あわてて560円で500株の買い注文を入れました。

――ということは、えーと……。

気になる銘柄・購入履歴はノートで管理

桐谷 603円で3,000株、560円で500株買ったということですね。そうしたら、さらに下げた。1銘柄30単位も買ったのは生まれて初めてで、非常に不安でした。でも私は買値よりも安く売るつもりはないので、株価が買値を上回ったところで少しずつ売りました。

――なるほど、「買値よりも安いときは売らない」ですね。

桐谷 それができるのも優待銘柄だからです。値下がりしても優待品がもらえるから、それを楽しみに保有し続ければ、いつか買値を上回るときがくるはずです。

 RIZAPグループ(2928)は2012年頃に1万7,200円で1株買いました。その後、RIZAPは、株式分割を繰り返したことから、買い増しをしなくても、保有株数が400株になりました。

※2012年10月に1対100の分割(桐谷さんの保有株式数100株)、2015年1月に1対2の分割(保有株式数200株)、同年5月に1対2の分割(保有株式数400株)。

そして、株価が30倍になったときに売りました。

――30倍って、516万円になったのですか! 

桐谷 いいえ、違います。例えば、1対100の株式分割をすると、保有していた1株は自動的に100株に増えるけれど、株価は100分の1になります。株式分割を繰り返して400株になったということは、単純計算で1万7,200円の株価が43円になったということです。その後株価が1,000円ちかくまで上昇したので、100株ずつ4回に分けて売りました。

 その後2018年6月に新しい株式を発行して株主に買ってもらう公募増資があったので申込みをしたのですが、購入後下落してしまいました…。

――大失敗ですね。でも買値よりも安いときは売らないので、桐谷さんは…?

桐谷 ナンピンをしてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)枠に入れました。

――やっぱり。ぶれませんね。

桐谷 株価は下がったけれど、もらえる優待品が増えました。

――どんな優待品ですか。 

桐谷 保有銘柄数に応じて株主優待ポイントがもらえて、1ポイント=1円換算でカタログに載っている自社グループ商品と交換できます。優待銘柄だから値下がりしても気にならないんですね。

※1 効率よく優待品をもらうため:例えば100株保有でも400株保有でも優待品の内容が同じなら100株だけ買って、余った資金で別の株を買った方がいろいろな優待が受け取れる。
※2 分散投資効果:複数保有している銘柄のうち、1つに損失が出ても他のものの利益でカバーできるので、全体ではリスクが低減される効果がある。
※3 比例配分:成行注文などが大量に発注されてストップ高、ストップ安の値段になっている時に売買を成立させる方法。注文数量の多い証券会社から順番に1単位ずつ配分していくので、投資家は注文した全量を受け取れるわけではない。

今では億万長者の桐谷さん。
「優待投資家として成功するために、自身のルールを決めて投資を続けることが大事」

◆◇桐谷さんのおすすめ記事を読む◇◆

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(トウシル編集チーム)

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