金銀プラ・ビットコイン上昇、原油安、米国主要株価指数は?【ジャンル横断・騰落率ランキング】
トウシル / 2020年3月10日 17時17分
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金銀プラ・ビットコイン上昇、原油安、米国主要株価指数は?【ジャンル横断・騰落率ランキング】
金、銀、プラチナが上昇。ビットコインも4%超高
ジャンルを超えた幅広い銘柄が下落し、全面安の様相を呈した先々週と異なり、先週は、23銘柄中、12銘柄が上昇しました。
最も上昇率が高かったのは金[商品]で+5.7%でした。次いで、銀[商品]+4.8%、上海総合指数[株式]+4.7%、プラチナ[商品]+4.5%、そしてビットコイン[暗号]+4.4%でした。
一方、下落が目立ったのは、パラジウム[商品]▲1.7%、ドル/円[通貨]▲1.9%、ドル/スイス[通貨]▲2.6%、そして原油[商品]▲4.9%でした。ドル/円とドル/スイスの下落は、世界にリスクが拡大したときに物色されることがある円やスイスフランが、対ドルで上昇したことを意味します。
貴金属では金、銀、プラチナが比較的高い上昇率となった一方、近年独歩高の様相を呈しながら推移してきたパラジウムは、先々週に続き、下落しました。
また、NYダウ[株式]とS&P500[株式]の米国の主要株価指数はほとんど動きませんでした。先々週、大幅下落となり下落後の水準を維持しました。
原油の下落については「金は記録的高値!原油は記録的安値!新型コロナが何をした!?」をご参照ください。
3月2日(月)から 3月6日(金)までの週のジャンル別騰落率
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/c/1/-/img_c1e505ca5244e61bf4ea555763bd853961988.png)
注:ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の月曜日午前6時と土曜日午前6時を比較
注:パラジウム、プラチナは楽天証券のマーケットスピードCX内「海外市場」のデータを参照
注:騰落率は当該週の週足の始値と終値より算出。(終値-始値)/始値
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週は、全面安だった先々週に比べれば、半分以上の銘柄が上昇したこともあり、状況はやや改善したと言えます。しかし、世界にリスクが拡大した場合に買われることがある、金、銀、円(対ドルで)、スイスフラン(対ドルで)の上昇が目立ったことは、世界にリスクが存在し続けていることを示唆しています。
その世界規模のリスクとはやはり、新型コロナウイルスの世界規模の感染拡大です。
先週、世界全体の同ウイルスの感染者数が10万人を超えました。また、感染者がいる国や地域の数が100に迫りました。中国では感染者の増加ペースが鈍化していますが、中国以外では目下、増加のペースが加速しています。
ジャンルを超えたさまざまな市場の中心地は、欧米と言っても過言ではありません。その欧米で新型コロナウイルスの感染者や死亡者が増えたりすることは、そこにあるさまざまな市場を不安にさせ、ひいてはそれが欧米以外に波及していくと考えられます。
不安が世界に拡大する経路が確立しているため、全面安からやや回復したとしても、完全には安心できず、金、銀、円(対ドルで)、スイスフラン(対ドルで)などが、買われているのだと思います。
また、WHO(世界保健機関)のデータによれば、イタリアとイランでは、感染者(合計)はともに5,800人程度となっていますが(2020年3月8日時点)、新規の感染者はイタリアが1,247人増(前日比)、イランが1,076人増(同)となっており、2カ国間で差が生じています。死亡者数(累計)も、イタリアが234人、イランが145人と、水準が異なっています。
感染者数が同じでも、感染者の増加ペースや死亡者の人数が異なることは、感染者の年代もさることながら、その国の医療技術や関連する法整備の状況、人々の感染症に対する考え方などに差があることを浮き彫りにしています。
今後の新型コロナウイルスの感染拡大予防には、国をまたいだ技術や資金供与が行われ、同ウイルスへの対策において国家間、地域間の差を減らし、世界中で幅広く、効率よく治療が行われる体制を作ることが重要なのだと思います。
今週も先週に続き、新型コロナウイルスの感染状況を確認することと、同ウイルスが世界に拡大した2月を対象とする経済指標の内容に注目していく展開になるとみられます。
今週公表される主な経済指標は次の通りです。3月9日(月)に日本で1月の国際収支・貿易収支が、10日(火)は中国で生産者物価指数・消費者物価指数が、11日(水)は米国で2月消費者物価指数、2月月次財政収支が、12日(木)が米国で、卸売物価指数などが公表されます。
先述の通り、目先は、新型コロナウイルスの感染状況および、特に2月を対象とした各種経済の内容に注目です。
>>経済指標カレンダーはこちら
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(吉田 哲)
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