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北朝鮮リスクはあるが、日経平均はさらなる戻しを試す展開へ

トウシル / 2017年9月26日 17時0分

北朝鮮リスクはあるが、日経平均はさらなる戻しを試す展開へ

北朝鮮リスクはあるが、日経平均はさらなる戻しを試す展開へ

先週は、NYダウ9日続伸、為替は2カ月ぶりの112円台で日経平均も一時2万481円へ

先週の予測

 FOMC(米連邦公開市場委員会)に注目とし、米国株高・円安が続けば2万200円水準を試す動きを予想しました。

 日経平均が1カ月近くもみあっていた上限を突破し、先進国をはじめ新興国も最高値更新を続けている中、日本市場の出遅れが際立っているため海外勢の買いも期待できる状況になっていました。また、2万200円水準までは出来高が積み上がっているため、戻り売りが想定されるものの、米国株高・円安が続けばインデックス買いに絡んで一気に上昇していくシナリオを描きました。

結果

 3連休明け、米国株高・円安の継続を受けて日経平均は+389円の2万299円と一気に2万200円水準を突破。20日のFOMCの結果発表を受けて為替が2カ月ぶりの1ドル=112円台を付け、NYダウが7日連続の最高値更新となったことで、21日(木)は一時2万481円まで上昇しました。

 詳細は以下のとおりです。3連休明けの19日(火)は、20日のFOMCを控える中、リスク回避の巻き戻しからNYダウの最高値更新が続き、為替もドル買い・円売りの流れとなっていることで、寄り付き+218円の2万128円と2万円台を回復して始まり、さらに上げ幅を拡大して一時+411円の2万320円と6月20日の年初来高値2万318円を更新。+389円の2万299円で引けました。 

 その後も米国株高・円安に支えられ、20日(水)は+11円の2万310円と小幅に3日続伸。21日(木)は、前日の米国市場でFOMCバランスシートの縮小を10月からスタートする方針を発表し、年内あと1回の追加利上げを見込むことが示唆されたことで、為替は2カ月ぶりに112円台の円安となり、これを受けて日経平均は一時+170円の2万481円まで上昇しました。 

 その後は、2万500円の心理的な節目に近づいたことや、短期の急速な上昇に警戒感もあって終値は+37円の2万347円となりましたが、3日連続の年初来高値更新でした。

週末の22日(金)は、前日の米国市場が北朝鮮リスクの再燃で反落となったことを受け、朝方こそ円安を支えに買い先行となって+69円の2万417円まで上昇しましたが、そこから下げへ転換し、一時▲98円の2万249円まで下げて終値は▲51円の2万296円で引けました。

 22日(金)の米国市場は、トランプ大統領の国連演説での北朝鮮への批判に対し、北朝鮮が再び激しい批判行動を示唆したことに対し、影響は限定的なものの米国株式はマチマチの動きとなり、NYダウは▲9ドルの2万2,349ドルの小幅続落でした。シカゴの日経先物は+20円の2万200円となっていました。


今週は、北朝鮮リスクを横目に堅調な展開となるか

 FOMCでの10月からのバランスシート縮小開始の決定と、年内の追加利上げ観測の高まりから、ドル買い・円売りの継続が期待でき、これが日本株式にとって追い風となりそうです。
トランプ政権の税制改革が議会で進行しており、これが順調に進めば米国株式のサポート要因になり、日本株式にもプラスとなります。さらに、国内では28日召集の臨時国会冒頭で衆議院解散のスケジュールとなっています。各党が総選挙に向けてアピールする経済政策期待が高まることが、株価をサポートしそうです。

 目先は、先週まで急騰してきただけに2万500円水準が心理的節目となりますが、ここを突破すると2015年6月24日の高値2万952円が視野に入ってきます。

 ただし、北朝鮮が「水爆実験を行う」などのメッセージを出して反発姿勢を強めており、地政学的リスクから目を離すのは時期尚早です。

 

(指標)日経平均

先週の予測

 北朝鮮情勢に大きな変化がなければ、リバウンドが継続して商いが膨らめば2万円台が期待できるとしました。

結果

 米国での株高・ドル高の継続と、日本で解散風が吹いたことも日本株の支えとなりました。日本株は世界的にみても、PER(株価収益率)での割安感があることなどから外国人買いも入り、カラ売りの買い戻しを巻き込んだ動きに。

 3連休明けの9月19日(火)は+389円の2万299円と一気に2万円台を回復しました。9月21日(木)は一時2万481円まで上昇。4日続伸となり年初来高値を更新しました。週末の9月22日(金)は▲51円の2万296円で引けました。

今週の予測

 日米金利差拡大期待でドル買い・円売りの流れが継続することになりそうです。国内では総選挙での政策期待が高まりやすく、株価の上昇要因として継続することが想定されます。一方、北朝鮮が水爆実験を実施する可能性もあり、地政学的リスクが上値を抑えることになります。これらの材料から、状況次第で2万円台の値固め、もしくは2万500円突破を試す展開がありそうです。

 
 

(指標)NYダウ

先週の予測

 FOMCに注目とし、バランスシートの縮小開始が決定される予定であるものの、利上げの見送りか年内利上げが意識されるのかの見方が分かれているため、高値圏でのもみあいを想定しました。

結果

 年内利上げ観測を背景に、株式の最高値更新が続きました。9月19日(火)には柴田罫線で追加の買い法則である「ろく買」が出現しました。

 FOMCでバランスシートの縮小が10月から開始の方針となり、年内あと1回の利上げを見込む発表となったことで、為替は1ドル=112円台までドルが買われ、NYダウは9日連続の上昇、7日連続の最高値更新となりました。

 その後は利益確定売りや北朝鮮リスクの再燃から2日連続の小幅続落となり週末の9月22日(金)は▲9ドルの2万2,349ドルで引けました。

今週の予測

 今週は、米国の議会動向に注目が集まりそうです。税制改革案の枠組みが今週中に発表予定であり、オバマケア修正案も何らか発表される可能性があります。これらは、相場にはサポート要因となります。一方、北朝鮮発の地政学的リスクは、相場の重しとして残りそうです。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

 FOMCでバランスシート縮小が決定されると、12月の追加利上げ観測が高まりやすく、ドルの下支えになると想定。また、トランプ政権の税制改革法案の審議が進展すれば、ドル高要因になるとしました。

結果

 週始めからFOMCを前にリスク回避の巻き戻しからドルが買われましたが、FOMCの決定を受けてさらにドル買いが加速。2カ月ぶりに1ドル=112.51円まで上昇しました。9月21日(木)には112.72円まで買われましたが、週末の9月22日(金)は、北朝鮮リスクが再燃し、一時111.85円まで下げて112.00円で引けました。

今週の予測

 金利先高感を背景にドル買いが継続しそうです。これにトランプ政権の税制改革が進行すれば株高を期待してのドル買いも強まることになります。ただし、北朝鮮が水爆実験などを強行した場合は、地政学的リスクの高まりから円買いが広がることになります。
レンジは、110.5~113.5円を想定します。

(出島 昇)

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