コロナ・ショックでも資産を増やした運用方法とは?
トウシル / 2020年3月26日 5時10分
コロナ・ショックでも資産を増やした運用方法とは?
日経平均対象のETFを使って、資産を守り、増やす
今回のコロナ・ショック。短期間での急落ぶりはリーマン・ショック以上とも言われています。この局面において、大切な資産を大きく減らしてしまった方も多いのではないでしょうか?
この状況下において、日頃、ご提案している運用方法が、「資産を守り、増やす」を実現できていますので、その方法についてご紹介したいと思います。
その方法とは、日経平均株価を対象としたETF(上場投資信託)を使って、安くなればなるほど買いポジション(日経平均株価が上がればプラスになるETF)を増やし、高くなればなるほど売りポジション(日経平均株価が下がればプラスになるETF)を増やしていく方法です。
業績から割安・割高を判断
ここで重要になるのが「何をもって安い、高いを判断するか」ですが、私は、一つの基準として、「業績から見た時に割安か、割高か」で判断しています。
運用イメージは次のようになります。
ここで、日経平均株価と、日経平均を構成する銘柄の業績動向(予想EPS[1株あたり利益])の推移を見てみましょう。
日経平均株価と予想EPSの推移(2013年1月1日~2020年3月19日)
このグラフにおける重要なポイントは、日経平均株価は中長期では企業業績に連動しているという点です。
過去においては、2018年の年末にかけて米中貿易問題で大きく下落、さらにさかのぼると、2017年には北朝鮮ミサイル問題、2016年にはイギリスがEU(欧州連合)からの離脱を決定と、さまざまな出来事で株価が大きく動く局面がありました。しかし結局、日経平均株価は企業業績に連動していることが見て取れます。
ということは今後においても、新型コロナウイルスの拡大・収束のいかん、米大統領選挙の結果に関わらず、日経平均株価は中長期では企業業績に連動するということになります。
つまり今後の日経平均株価は、将来の企業業績が鍵を握っています。そこで、将来の企業業績から見た時に今の日経平均が割安か、割高かを判断していきます。
※詳しくは、2019年12月26日の記事「2万4,000円台到達の日経平均、まだ上がる?もう天井?業績から判断するポイント」をご参照ください。
そして、その割安、割高の判断を基に、買いポジション、売りポジションの投資比率を決めていきます。
下落リスクを小さくしつつリターンを確保する
2019年12月26日の記事にあるとおり、2019年12月は、日経平均株価は「割高」と判断していました。このため、日経平均株価が上がればプラスになる買いポジションではなく、下がればプラスになる売りポジションを持っていたので、コロナショックで日経平均株価が急落する中、資産を守り、増やすことができたのです。
>>この手法を使った、筆者の助言に基づくモデル・ポートフォリオのパフォーマンスを、こちらでご覧いただけます。
私は運用する際に、「資産額全体をいかに大きく減らさないようにするか」を一番に考えています。
運用において、一般的には「分散投資×長期保有」が良いとされていますが、コロナショックのようなことが起こると、どうしても資産は減ってしまいます。一方で、「分散投資×長期保有」において、資産を大きく減らさないようにするには、リスクを低減する形(国内債券や外国債券(為替ヘッジあり)が多いポートフォリオ)となり、リターンも小さくなってしまいます。
下落リスクを小さくする一方で、リターンを伴う形にしたいとするならば、やり方が違ってきます。上がればプラスになる買いポジションのみでは、今回のコロナショックのような局面で、資産は減ってしまいます。資産を減らさないようにするためには、買いポジションのみではなく、現金ポジションを活用するか、できれば、下がればプラスになる売りポジションまで踏み込んでいくという手法になります。
長期保有で下がってもじっと耐えるのではなく、上がった時には現金化して避難し、下がるまでじっくり待つという、投資比率を変えていく手法になります。
資産運用する上では、当然のことながら、資産は増えたり減ったりしますが、皆さまもできれば大きく減ってしまうことは避けたいでしょう。今回のコロナショックのような局面で資産を大きく減らしてしまうことは、セカンドライフを控えた50代の方、60代の方、特に年金生活の方(築き上げてきた大切な資産を運用で増やしながら、生活の足しにしていきたいという方)にとっては、とてもきつい状況では、と私は思います。
今回、ご紹介した運用方法においても、割安・割高をどのように判断するか、投資比率をどのような基準で変えていくのかは簡単ではありませんし、実際にやってみると、心理的な負担がかかる局面(特に、日経平均株価が下がればプラスになるETFを保有して、日経平均株価が上がっていってしまう局面)もあります。
私自身、これまでに多くの方とやり取りをしてきましたが、多くの方に共通する根底の想いは「(リターンはしっかり確保して)増やしたいけど、(下落リスクは小さくして)減らしたくない」だと思います。その「増やしたいけど、減らしたくない」を実現するために、どのような運用方法が自分に合っているのか、改めてこの機会に考えてみてはいかがでしょうか?
(白石 定之)
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