中国銀行セクター
トウシル / 2020年3月27日 10時0分
![中国銀行セクター](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_26191_0-small.jpg)
中国銀行セクター
不確実性の中でディフェンシブ性発揮、ファンダメンタルズの悪化は限定的か
新型コロナウイルスの感染拡大がグローバル経済や金融市場に多大な不確実性をもたらす中、BOCIは国内銀行セクターの資産の質や利ざや、採算性に対する影響を分析した。20年の減益決算は避けられないとしつつ、ファンダメンタルズの堅調や低バリュエーション、高配当利回りを支えに、相場の波乱の局面においても銀行銘柄がディフェンシブ性を発揮するとの見方。セクター全体に対し、強気の見通しを継続している。
銀行セクターではまず、景気てこ入れ策が悪影響を軽減する見込み。金融分野では中国当局は銀行を通じた実体経済支援に向け、逆周期(カウンターシクリカル)的な調節を強化する方針。BOCIはこうした施策が銀行セクターのファンダメンタルズの急速な悪化を押しとどめる効果を発揮し、マーケットの過剰な悲観ムードを和らげるとみている。
また、時宜にかなった政策は一定程度で、銀行資産の劣化リスクを軽減する見込み。BOCIの分析では、不良債権比率の上昇率は0.22-0.66ポイントの範囲となり、中立シナリオの下では0.45ポイントとなる可能性が高い。また、商業銀行の引き当ては手厚く、資産のある程度の劣化に対処することが可能という。ただ、仮に新型コロナの感染状況が極度に悪化し、世界的な感染阻止への取り組みが効果を上げなかった場合には、不良債権比率がさらに0.42ポイント悪化する事態もあり得るとしている。
純金利マージン(NIM)はこの先、一段と低下する可能性が高い。主に貸出金利の低下に伴う資産の利回り低下が見込まれるためで、ベンチマークとなる預金基準金利の引き下げは逆に、NIMの縮小圧力の軽減につながる。仮に中国人民銀行(中央銀行)が預金基準金利の引き下げを見送った場合、商業銀行のNIMは約10ベーシスポイント低下するとみられるものの、それ以外のケースでは、縮小幅は1桁にとどまる見通しという。
BOCIの分析では、商業銀行の20年通期純利益は各種シナリオの下、前年比18.27%減から同1.74%増の範囲となる。この数字は従来予想比で24.47-4.46ポイントの下方修正に当たる。また、仮に世界的に感染状況が制御不能となり、世界経済へのマイナス影響が長期化した場合、銀行銘柄の20年純利益は49.0%落ち込むと分析している。
H株銀行銘柄は上場以来、一貫して配当を実施しており、配当利回りは13年以降、約5-6%のレンジ。現在では複数銘柄で7%を超える。BOCIによれば、悲観シナリオの下でも、配当利回りは3.17-5.08%と高めの水準にあり、この点から魅力が大きい。
BOCIは新型コロナによる資産の質や利ざやへの悪影響を指摘しつつも、20年も一定の利益水準を達成するとみており、他セクターと比べたファンダメンタルズの堅調さを前向きに評価している。また、銀行銘柄の現在株価の20年予想PBR(株価純資産倍率)はわずか0.55倍。08年のリーマンショック当時に先進国の銀行セクターが経験したボトム水準に接近していると指摘し、セクター全体に対して強気見通しを継続している。
(Bank of China int.)
この記事に関連するニュース
-
お金のプロが半年前に勧めた銘柄の勝敗を自ら検証…「最も上昇した銘柄&いまから間に合う銘柄」大公開
プレジデントオンライン / 2024年7月19日 8時15分
-
配当利回りランキング~米大統領選「もしトラ」や仏極右政党躍進で不透明感、7月後半にかけ米ハイテク株決算に注目!
トウシル / 2024年7月3日 7時30分
-
国内株式投信は「高配当」「金融」で確実なリターン狙う動き 円建て資産の魅力再認識か
Finasee / 2024年6月28日 16時0分
-
アングル:中国国債、高値更新続く 人民銀行がリスク警告も効果薄
ロイター / 2024年6月27日 18時1分
-
市場規模は3年以内に350兆円超え!?…急成長の「プライベート・クレジット市場」で注目したい投資対象【アライアンス・バーンスタインの見解】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月24日 6時15分
ランキング
-
1「土用の丑の日」物価高でも…あの手この手の“うなぎ商戦” 大手スーパーの目玉は「超特大」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 19時59分
-
2「地方に多いホームセンター」が都会進出を狙う訳 人口減少が進む中、大手を軸に再編が進行
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 8時30分
-
3「脱ママチャリ」電動自転車がここへ来て人気の訳 10万超でも高性能化、小型化で「1人1台」に?
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 10時0分
-
4小林製薬、会長と社長が辞任へ…「紅麹」サプリ問題の対応遅れで経営責任明確化
読売新聞 / 2024年7月22日 21時37分
-
5円安は、バイデン大統領と共に撤退か
トウシル / 2024年7月23日 10時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)