日経平均株価は2万円を上値に一進一退。米株は戻れば戻るほど反動大きい危険も
トウシル / 2020年4月21日 17時1分
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日経平均株価は2万円を上値に一進一退。米株は戻れば戻るほど反動大きい危険も
今週の予想
新型コロナウイルス感染拡大の程度を見ながら、2万円を前に一進一退へ
先週は、トランプ米大統領の段階的な経済活動の再開指針の発表や、新型コロナウイルスの治療薬の進展期待や中国経済の正常化への方向から、当面のチャート上の上限としていた2万円に接近しました。
今週は、米株でさらなる上昇があるのか、また、国内での新型コロナウイルス感染拡大のペースがどうなるのかを見ながら、日経平均株価は2万円水準を上値に一進一退の動きとなりそうです。
上値は、1月17日の高値(2万4,115円)から3月19日の安値(1万6,358円)までの下げの半値戻し2万233円があり、先週末のNYダウ平均株価は半値戻しの2万3,890ドルを突破して引けていますので、米株の上昇が続けば可能性はあります。
しかし、先週末の日経平均は踏み上げによる上昇との見方や騰落レシオが過熱感を示す120%に近づく114%となっていますので、2万円近辺での一進一退の動きとなりそうです。
緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことで、感染抑制の効果が期待される一方、地方の経済活動は一段と停滞する可能性は高いので、目先、株価が上昇しても景気後退からいずれ戻り売りとなってきそうです。
(今週の指標)日経平均株価
先週は、米国株の上昇や中国経済が正常化へ向かう動きもあって、当面のチャートの上限2万円に接近してきました。ここから2万円突破という見方もありますが、予想外の上昇で踏み上げられた側面もあるとみられています。あえて2万円を超す場合は1月17日の高値から3月19日の安値までの下げ幅の半値戻しが2万233円となりますので、先週末のNYダウが半値戻しの2万3,890ドルを超えており可能性は考えられます。騰落レシオも過熱感を示す120%まであと少しの114%となっていますので、2万円水準で一進一退も考えられます。
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(今週の指標)NYダウ平均株価
トランプ大統領が被害の少ない地域から徐々に経済活動を再開する期待が高まり、治療薬に進展が見られたことから、今週は相場のサポート要因になります。しかし、経済封鎖による経済への影響が未知であることから景気や企業業績が想定以上の悪化となる場合に注意が必要です。目先は期待で上昇しても新型コロナウイルス感染拡大が目に見えて減少しない限り消費は回復せず、景気後退は長期化することになりますので、戻れば戻るほど反動が大きくなる可能性があります。
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(今週の指標)ドル/円
今週は、トランプ大統領の経済活動の再開指針の期待からドル買いの支援材料となり、FRB(米連邦準備制度理事会)による資金供給措置を背景としたドル売りが後退することで、足元はドル買いの地合が強まることになります。しかし、中長期的には景気回復は長期化する見通しのため、ドル買いには限界がありドル/円は下げ渋りの動きとなりそうです。
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先週の結果
週前半で4月のSQ値を上回ったことで週末は2万円に接近して引ける
先週の日経平均の動きは、新型コロナウイルス感染拡大の見通しが落ち着いてきたとの見方になれば、1万9,000円台での値固めになるが、そうでなければもみあいとなって4月のSQ(特別清算指数)値1万9,577円が目先の上値ゾーンになってくるとしました。一方で需給から見れば、4月の第1週(3月30日~4月3日)までは、8週連続の売り越しとなっているものの、売り越し幅が大幅縮小となっていることで、海外投資家の売り圧力がかなり弱まり、新型コロナウイルス感染拡大のピークアウトの動きと経済対策で株価が上昇を続けることができれば、米株は大幅上昇の可能性もあるとしました。
結果的には、週始めは1万9,014円まで下げるものの、翌日は▲662円の1万9,705円まで上昇して、SQ値の1万9,577円を上に抜けたので期待がもてる形となりました。その後、2日続落するものの、週末の17日はトランプ大統領の米経済活動再開指針を受けて▲607円の1万9,897円で引けました。
13日(月):新型コロナウイルス感染拡大懸念が根強い中で、米株先物安を受けて、日経平均は▲186円の1万9,312円で寄り付き、後場には円高基調もあって一段安となり、▲484円の1万9,014円まで下げて、▲455円の1万9,043円で引けました。
14日(火):前日のNYダウは大幅安だったものの、大幅下落の反動や先物主導の買いもあって、日経平均は▲106円の1万9,150円で寄り付き、先物主導で上昇して▲662円の1万9,705円まで上昇。終値は▲595円の1万9,638円と大幅反発となりました。
15日(水):円高進行で利益確定売りが先行し、一時上げる場面もありましたが、先物売りで再度、軟化し、日経平均は▲88円の1万9,550円と反落しました。
16日(木):前日の米国市場が経済指標の悪化や金融機関の大幅減益決算で主要株価3指標が大幅下落し、これを受けて日経平均は主力株中心に売られ、▲259円の1万9,290円と続落しました。週末の日本市場は、朝方にトランプ大統領が、経済活動をウイルスの感染が少ない地域から再開することを認める指針を発表したことで、日本市場の引け後の米株高が期待され、先物買いで一段高となり、▲631円の1万9,922円まで上昇。▲607円の1万9,897円と1カ月半ぶりの高値水準となりました。
17日(金):米国市場は、トランプ大統領が感染の少ない地域から経済活動を再開するとの指針を出したことや、ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」の薬効が確認されたと報じられたことで、NYダウは▲704ドルの2万4,242ドルと3月10日以来の2万4,000ドル回復となりました。為替はやや円高に進んだことや前日の米国株の上昇を先取りしていたため、シカゴ日経先物は▲95円の1万9,605円でした。
(出島 昇)
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