株下落は食い止められるか、第二次新型コロナと米中摩擦
トウシル / 2020年5月19日 15時58分
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株下落は食い止められるか、第二次新型コロナと米中摩擦
今週の予想
今週は、日経平均株価が2万円のフシ目で値固めできるかどうか注目するところです。先週は、11日(月)に2万534円まで上昇後、15日(金)には1万9,832円まで下落。2万37円で引けましたが、不安定な動きといえます。
日経平均の動きは、NYダウに基本的に現状では連動しているので、第2次新型コロナウイルス感染拡大懸念と米中摩擦が大きなポイントとなります。22日に中国が全国人民代表大会の開催を控えており、習主席は米国に対して強気の対応に出ることになります。トランプ米大統領は新型コロナウイルスの世界的拡大の責任を追及しており、これが米中貿易摩擦の再燃となりつつあるので注意が必要です。
国内では、14日に5月末の緊急事態宣言の期限を待たずに39県で解除をし、第2次補正予算の編成方針を示したので、相場のサポート要因になっています。これに加え、21日に見直し日とされる8都道府県の緩和が示されれば、プラス要因になります。
ただし、コロナ問題が長期化するとの見通しが広がっているため、景気の回復が遅れることが懸念されるので、当面は上値を買っていく動きはでないものと思います。
18日(月)は、先週末の米株高を受けて買いが先行し、買い一巡後は戻り待ちの売りに押され、マイナスに転じる場面もありました。後場には時間外の米株先物が堅調に推移したことで、一時+160円の2万197円まで上昇、大引けは+96円の2万133円となりました。
(今週の指標)日経平均株価
今週は、米中摩擦懸念と新型コロナウイルス感染拡大懸念を気にしつつ、残る8都道府県の緊急事態宣言の解除が21日にどうなるのかが注目されます。
チャートでは2万円をフシ目とするもみ合いが想定されますが、新しいリスクとして大きくなっている米中摩擦が気になるところです。トランプ大統領は新型コロナウイルスの世界的拡大の責任を追及しており、中国は22日から全国人民代表大会が開催されることで対立が強まることが考えられます。
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(今週の指標)NYダウ平均株価
先週前半は6日続伸してきたナスダックが利益確定売りとなり、経済活動の再開見通しに不透明感が強まり、パウエル議長が景気の先行きに強い懸念を示し、米中関係の悪化も懸念されたことで、NYダウは3日間の大幅続落となりました。
5月14日(木)には、一時▲458ドルの2万2,789ドルまで下落しましたが、原油価格の反発で切り返し+377ドルの2万3,625ドルとなりました。週末は大きく下げたあと+60ドルの2万3,685ドルで引けました。米国株は、NYダウが4月下旬以降のレンジを下ブレしていますので要注意です。
当面は、経済活動の再開が徐々に拡大することや、FRB(米連邦準備制度理事会)による強力な金融支援、トランプ大統領の第4弾追加救済策への期待が相場を下支えするものの、第2波のコロナウイルス感染拡大懸念や米中関係の悪化が上値を抑える可能性があります。
先週のチャートの動きは、ザラ場で5月14日に2万2,789ドルと4月24日の2万2,941ドルを切っており下値を試す動きがでています。
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(今週の指標)ドル/円
今週は、安全資産としてのドル買いが強まる可能性があるとの見方が多いようです。第2次新型コロナウイルス感染拡大懸念や米中対立懸念からリスク回避の円買いの可能性も考えられますが、トランプ大統領がドル高について肯定的な見解を示していますので、全体的にみればドルは底堅いと思われます。
先週までは、2017年12月5日の118.6円を戻り高値とする直角三角形の保ち合いから1ドル=118.6円を戻り高値として下降トレンド(B)の動きに見方を変更、下値ポイントは100円でここを切ると急激な円高へ。
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先週の結果
先週は、週始めは2万534円の高値をつけ一時2万円台を切るが、週の終値では2万円台を守る
先週の予測では、2万円台に乗せたものの売り圧力が強く、前週と同じように時間外での米株先物の動き、為替相場の動き、原油市況など海外要因に左右されやすい状況は変わらないとしました。目先は4月30日の2万365円を試す展開が想定されます(ここを抜けると2万500円水準まで上昇)が、そのあとはもみ合いに入るとしました。
下げる場合は、トランプ大統領が新型コロナウイルスの発生源を中国だと名指しで批判し、米中関係に懸念が出ており、その場合、日経平均の目先の下値は1万9,500円水準を考えてみました。
結果的に、11日(月)の日経平均は2万365円を突破して2万534円まで上昇。終値では+211円の2万390円と年初来高値更新となりました。しかし、その後、上値重く3日続落となって14日(木)は1万9,902円まで下げて▲352円の1万9,914円に。
引け後の米国株式では、シカゴの日経先物は1万9,600円まで下げましたが、NYダウが切り返したことで2万円台を回復し、週末は+122円の2万37円で引けました。
ゴールデンウィーク明けの11日(月):前週8日(金)の米国市場で4月雇用統計が戦後最悪となったものの、悪化が予想を下回らなかったことや、欧米で外出規制を緩和する動きが広がったことで、米株式3指標がそろって大幅高となり、これを受けて日経平均は+154円の2万333円で寄り付き、一時+355円の2万534円まで上昇。終値はやや上げ幅を縮小し、+211円の2万390円と3日続伸となりました。
12日(火):朝方はハイテク株が買われましたが、利益確定売りで方向感の乏しい展開となり、▲24円の2万366円と4日ぶりに小反落しました。
13日(水):前日の米国市場で経済活動の再開に不透明感が強まったことで、主力ハイテク株中心に売り物が出て、NYダウは▲457ドルとなり、日経平均も米株安と円高を嫌気して▲225円の2万140円で寄り付き、▲310円の2万56円まで下げましたが、売り一巡後は下値堅く2万円台を守って▲99円の2万267円の続落でした。
14日(木):前日の米国市場でNYダウが前日の▲457ドルに続き、▲516ドルと3日続落となった(パウエルFRB議長が経済の先行きに強い懸念を示した)ことで、日経平均は▲126円の2万140円で寄り付くと、後場には株価先物にまとまった売りが出たのをきっかけに下げ幅を拡大。一時▲364円の1万9,902円まで下げ、大引けは1万9,914円と7日以来の2万円割れとなりました。
15日(金):前日の米国株式が一時▲458ドルの2万2,789ドルまで急落し、これにツレてシカゴの日経先物は1万9,600円まで下落。しかし、原油価格が反発したことで、NYダウは切り返し+377ドルの2万3,625ドルで引け、シカゴ日経先物は+280円の2万60円となっていました。
これを受けて日経平均は+235円の2万149円で寄り付き、一時+283円の2万198円まで上昇、前引け近くに▲81円の1万9,832円まで下落しました。しかし、後場になるとプラスに浮上し、日本銀行のETF(上場投資信託)買い観測もあり+122円の2万37円で引けました。
15日(金)の米国市場は、4月小売売上高が過去最悪となり、米国政府がコロナウイルスの発生源とみられる中国に経済制裁(ファーウェイへの制裁強化など)を発表したことで、米中対立懸念から大きく売られて始まりましたが、その後、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が予想外に改善し、多くの州で経済活動再開拡大となってきたことで、NYダウは+60ドルの2万3,685ドルと続伸しました。シカゴの日経先物は▲20円の2万20円でした。
(出島 昇)
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