楽天DI 2020年5月「節税できるNISA口座を使っていますか?」

トウシル / 2020年6月5日 14時53分

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楽天DI 2020年5月「節税できるNISA口座を使っていますか?」

はじめに

 今回のアンケート調査は2020年5月25日(月)~5月27日(水)の期間で行われました。

 5月末の日経平均終値は2万1,877円で取引となりました。前月の4月末終値(2万193円)からは1,684円高と大きく値を伸ばし、月足ベースでも2カ月連続の上昇です。

 あらためて5月の株式市場を振りかえると、日経平均は2万円台を下回るスタートとなりましたが、その後は順調に右肩上がりの基調を描いていく展開でした。とりわけ5月末にかけては2万1,000円台超え、さらに2万2,000円台を射程圏内に捉えるなど、畳みかけるように株価水準を切り上げていきました。

 相場環境は、新型コロナウイルスの感染や米中摩擦といった「不安」と、経済活動再開の動きや、抗ウイルスのワクチンや治療薬、各国の経済政策などの「期待」との綱引き状態が続いていますが、次第に後者が優勢となった格好です。

 このような中で行われた今回のアンケートは、5,000名を超える個人投資家からの回答を頂きましたが、株価の上昇を受けて日経平均の見通しDIがマイナスから一気にプラスへと傾きました。為替の見通しDIについては、マイナス幅自体が前回調査から縮小しているものの、円高見通し自体に変化はなく、株式市場と為替市場の値動きの差がDIの結果にも表れた印象です。

 次回もぜひ、本アンケートにご協力をお願いいたします。

日経平均の見通し

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之​

「DIがプラスに転じ、投資家の心理が改善」

 今回調査における日経平均の見通しDIの結果は、1カ月先がプラス17.23、3カ月先はプラス4.14となりました。前回調査の結果がそれぞれマイナス29.34、マイナス15.38でしたので、両者とも一気にプラスに転じた格好です。ちなみにDIの値がプラスになるのは2020年になって初めてです。

 回答の内訳グラフを見ても、1カ月・3カ月ともに前回調査で44割近く占めていた弱気派が減少しており、強気派もしくは中立派へと流れていきました。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

 もちろん、調査期間中(5月25日~27日)の日経平均が大きく上昇していたことも、今回のDIの結果に影響していたと思われますが、少なくとも投資家の心理は改善していると言えます。

 とはいえ、5月の中国全人代で採決された法案(国家安全法)をめぐる米中対立や、急ピッチな株価上昇による相場の過熱感など、株式市場を取り巻く環境は不安要素を抱えているのも事実です。それでも日経平均が2万2,000円台に乗せるなど、6月相場は良好なスタートで、「相場は不安の崖を這い上がる」という相場格言を地で行く展開となっています。

 こうした株高の背景には、売り方の買い戻しや、個人投資家の参入などの需給面のほか、抗コロナウイルスのワクチン・治療薬関連や公衆衛生関連、リモートワークや巣ごもりといった、生活・社会のデジタルシフトへの変化と、それらを支えるITや半導体などの技術関連など、物色の対象が一定数存在していることなどが後押ししています。さらに、割安株や出遅れ株へと物色が広がっていく展開を見せればこの流れがしばらく続くことも考えられます。

 また、株式投資において利益が狙いやすいのはトレンドが発生している局面ですので、「行き過ぎた株価は後で修正されるのだから、行けるところまで行ってしまえ」というムードもあるのかもしれません。

 その一方で、株価上昇に伴って「株式市場が描いている未来」と「実際の現実」とのあいだのギャップも確実に広がっています。コロナウイルスの感染再拡大や実体経済回復のスピード感、米中摩擦の悪化などには配慮する必要があります。

 特に、米中関係については、いわゆる「米中第一段階の合意」の履行や、中国企業への規制、米国金融市場での規制など、これまでの延長線上にある制裁の行方に加え、香港に与えられている優遇措置(渡航・関税・通貨)への規制・撤廃という選択肢が加わっています。

 香港の国際的な経済地位の低下は米中双方にとって望ましい展開ではありませんが、昨年の関税引上げ局面では、その望ましくない展開が実現してしまった経緯があるため注意です。

 そのため、いずれ株価上昇の一服と調整が訪れることが予想されますが、「利益確定の売りをある程度こなして再び上昇していく」のか、「中長期的な下落の入り口」なのかを慎重に見極めていくことが今後の焦点になります。

今月の質問「節税できるNISA口座を使っていますか?」

楽天証券経済研究所 根岸 美知代

【今月の質問1】 2019年にNISA、または、つみたてNISAをしていましたか。

【今月の質問2】 2020年にNISA、または、つみたてNISAをしていますか。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

 2019年・2020年に、NISA、または、つみたてNISAをしていた・しているかを聞いてみました。2019年は「どちらもやっていなかった」と答えた17%の方が、2020年には、「NISAをしている」、または、「つみたてNISAをしている」に変わりました。節税になるNISA、この二つを皆様はどのように選んでいるのでしょうか。

【今月の質問3】 自分で投資タイミングを決めるのと、毎月決まった日に一定額をつみたてるのとどちらがお好きですか。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

「自分で投資タイミングを決める」方が半数以上の52.9%、「つみたて投資」の方が良い方が28.7%、「どちらでもない、分からない」が18.4%ということが分かりました。次はその理由についてです。

【今月の質問4】 [Q8今月の質問3]の回答について、その理由は何でしょうか。(30文字以内でお願いいたします)[フリーコメント30文字くらい] 

 たくさんのご意見をいただきました。ありがとうございます。すべてご紹介できないのが残念ですが、回答別にご紹介させていただきます。

「自分で投資タイミングを決める」方が良い

「つみたて投資」の方が良い

どちらでもない、分からない

 今回もたくさんのご意見をありがとうございました。

為替DI:ドル/円は「ロックダウン」状態?

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスの時は「円安」見通し、マイナスの時は「円高」見通しで、プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強いことを示しています。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

「6月のドル/円は円安、円高のどちらへ動くと思いますか?」

 5月末に楽天証券が実施した相場アンケートの結果によると、回答頂いた5,054人のうち約33%(1,647人)が、6月のドル/円は「ドル安/円高に動く」と考えていることが分かりました。

 一方「円安に動く」と考える人の割合は最も少ない約25%(1,279人)。最も多かったのは「動かない(分からない)」の約42%(2,128人)でした。

 DI(円安見通しと円高見通しの差)は▲7.28。 3カ月連続のマイナスですが、マイナス幅は先月(▲12.45)より縮小しています。

 FX市場の多くの人々は、ドル/円に対して強いフラストレーションを感じているのではないでしょうか。5月のドル/円のレンジは2.10円でしたが、1日の値幅は平均0.58円しかなく、1日で0.24円しか動かない日もありました。つまり、ドル/円は一瞬大きく動くことがあるのですが、大きな流れに発展することなく、すぐに凪(なぎ)状態に戻ってしまうのです。

 新型コロナの世界的流行が始まった時、セーフヘブン(安全資産)通貨としての役割を果たしていた円が買われ、ドル/円は1万171円まで円高に動きました。しかし、その後ウイルスがピークを迎え、世界経済が再開へ動きだすと株式市場は大幅反発。ドル/円も円安に戻りました。

 ドル/円がいつまでもロックダウン(膠着)状態から抜け出せないのは、投資フローが奇妙なバランス状態にあるせいかもしれません。

 2月、3月のドル/円は、セーフヘブン取引(円買い)が行われ、海外からマネーが流入した。しかし一方で、国内機関投資家や日本の年金は外国債券などへの投資(円売り)をすすめ、記録的なマネー流出を引き起こしました。

 コロナ感染パニックがおさまると、海外投資家はセーフヘブン取引から撤退(円売り)を始めた。国内投資家は、FRB(米連邦準備制度理事会)の量的緩和政策によって利回りの魅力が薄れた外債投資を縮小して国内に資金を還流させる、いわゆるレパトリ(円買い)の動きが強まりました。

 このように、円を介在した流出と流入のフローがタイミングよく均衡していたことで、結果として、ドル/円のロックダウン状態(封鎖)が続いているわけです。

 5月のユーロ/円の終値は119.74円。4月の終値に比べて2.35円のユーロ高/円安でした。

 5月末に楽天証券が投資家を対象に実施した相場アンケート調査によると、回答頂いた5,054人のうち、約35%(1,761人)が、5月のユーロ/円は「ユーロ安/円高に動く」と考えていることが分かりました。

 一方で「ユーロ高/円安に動く」は最も少ない約17%(865人)でした。「動かない(分からない)」は、約48%(2,428人)。

 ユーロ/円のDI(円安見通しから円高見通しを引いたもの)は▲17.73。3カ月連続のマイナスとなりましたが、マイナス幅は先月(▲22.71)に比べ5ポイント少なくなりました。

 5月の豪ドル/円の終値は71.87円。4月の終値に比べて2.13円の豪ドル高/円安でした。

 楽天証券が5月末に投資家を対象に実施した相場アンケート調査によると、回答頂いた5,054人のうち、約30%(1,511人)が、5月の豪ドル/円は「豪ドル安/円高に動く」と考えていることが分かりました。

 一方「豪ドル高/円安に動く」は最も少ない964人(約19%)。「動かない(分からない)」は2,579人(約51%)で半数を超えています。

 豪ドル/円のDI(円安見通しから円高見通しを引いたもの)は▲10.82。3カ月連続のマイナスとなりましたが、マイナス幅は先月(▲13.33)から2.5ポイント少なくなっています。

今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「米国」を選択したお客様の割合に注目します。

 当該質問は複数回答可で、選択肢は、日本、米国、ユーロ圏、オセアニア、中国、ブラジル、ロシア、インド、東南アジア、中南米(ブラジル除く)、東欧、アフリカ、特になし、の13個です。

図:質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「米国」を選択した人の割合 (2019年1月~2020年5月)

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 2020年5月の調査で、「米国」を選択した人の割合は、61.7%でした。これは、2019年10月の62.1%に次ぐ、近年の高水準です。

 2019年10月といえば、米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が、“利下げ”を行い、それを織り込みながら、米国株が騰勢を強めていたころです。当然、このころはまだ、Covid-19(現在世界で猛威をふるっている、新型コロナウイルス)は存在していません。5月の調査結果は、このような、米国株が騰勢を強めていた時期の水準に迫ったわけです。

 投資をしてみたい国に米国を選ぶ理由は、いろいろとあると思います。それらを、相対的な理由と、絶対的な理由に分けて考えてみます。“●●に比べれば、米国がよいから”、であれば相対的な理由で、“米国の■■に魅力を感じるから”、であれば絶対的な理由、という具合です。

 2020年5月の米国の状況は、相対・絶対、どちらの理由になり得るのでしょうか?筆者は、後者、つまり、米国自体に何らかの魅力を感じるから、選好されたのだと、考えています。

 それでは、米国自体の魅力とは何でしょうか?一言で言えば、「明るい未来を描きやすいこと」、だと思います。

 例えば、雇用情勢が顕著な例ですが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年4月(5月の前月)、米国は戦後最悪の状況に、追い込まれました。同じ4月、米国国内の石油の消費量も、記録的な急減となりました。まさに、4月は、最悪、という言葉がぴったりあてはまったわけです。

 しかし、今週金曜日に公表される予定の、5月の雇用情勢に関する統計は、4月よりは改善する見込みで、米国内の石油の消費についても、5月は4月よりも回復することが見込まれています。(各種コンセンサス予想、米エネルギー省の見通しより)

 米国の個人の動向と関わりが深い、雇用情勢や石油の消費の最悪期は4月だった、5月になったのだから“最悪期は去った”という理由から、米国に「明るい未来を描きやすく」なっているのだと思います。このため、個人投資家が「今後、投資をしてみたい国(地域)」に、「米国」を選びやすくなっているのだと思います。

 もちろん、米国は、貿易問題の激化、新型コロナウイルスの起源の小競り合い、香港に対する「国家安全法」をめぐる対立など、中国との間に複数の問題を抱えています。また、米国国内で起きた黒人殺害事件を機に、人種問題が噴出し、騒動が大きくなっています。

 米国は今、国内外で、多くの問題を抱えているため、両手放しに「明るい未来を描きやすい」とは言えない面もありますが、市場は、“米国ならば、きっと回復してくれるだろう、最悪期は去った。これ以上、悪くなることはないだろう”などのような、期待が集まっているのだと、考えられます。

 次回以降も、「米国」を選択した個人投資家の皆様の割合に、注目していきたいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2020年5月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2020年5月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

(楽天証券経済研究所)

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