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「成長×ビジネスモデル×割安」で10倍高も!人気ブロガーの大化け成長株投資術・すぽさん

トウシル / 2020年6月10日 11時55分

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「成長×ビジネスモデル×割安」で10倍高も!人気ブロガーの大化け成長株投資術・すぽさん

人気投資ブロガーに聞く成長株の投資戦略!

 株式には、成長株(グロース)、割安株(バリュー)をねらって投資する戦略がある。どこに狙いを定めるべきか。百戦錬磨の投資ブロガーが自らの投資戦術を余すことなく紹介する。

 今回は、成長株投資で幾度もテンバガー(株価が10倍になった株)を獲得している、すぽさんがその秘訣を語った。

すぽさんの成長IT株の見つけ方 

「今回のコロナ・ショックは1月にノーポジ(株式資産を持たず、売買もしない)にして、うまく切り抜けることができました」と語る人気投資ブロガーのすぽさん。経済物理学の視点で株式市場をとらえる新ジャンルの考え方を学んでいたことで、米国株のバブル崩壊が始まったと判断。今年2020年2月中旬からの大暴落をうまく回避できたという。

 投資を始めた2005年から5年間ほどは、割安株投資が主体だったすぽさん。その後、何気なく購入した中国株や国内IT企業サイバーエージェントなどの成長企業の株価が大きく上昇したこともあり、リーマン・ショック後から成長株投資へ転向する。

 成長株といえば真っ先にIT株が思い浮かぶ人が多いかもしれないが、すぽさんもド本命の成長IT株投資で大成功した。

「ITセクター、特にウェブ関連の会社は、(1)既存市場から顧客を奪える(成長性)、(2)変動費が極めて低いため損益分岐を超えると一躍、高収益企業に変身する、(3)独占的なプラットフォームの構築やサブスクリプション(定期購買)サービスの展開など高収益なビジネスモデルが生まれやすいという3点から、成長株投資のターゲットとして一番だと思います」と語る。

 とにかく「成長、ビジネスモデル、割安」という3点に注目して、業績を丹念に分析し、「5年で2倍になるような株をPER(株価収益率)20倍ぐらいで買い、企業の見通しが変わらない限り長期保有」が、すぽさんの投資ポリシー。

 利益確定に関しては「2倍になったら半分売り、残りの半分に関して成長が続く限り、利益を伸ばす姿勢で臨む」というスタイルで、これまでの投資歴の中で3度もテンバガー(株価が10倍になった株)に巡り合うことができた。

テンバガー達成のセオリーは?

 一つ目のテンバガーは中国化学メーカーの阜豊集団で、こちらは当時の中国株バブルにうまく乗れたことが勝因。そして、次に巡り合ったIT企業・インフォマート株の大成功。「成長、ビジネスモデル、割安」という投資スローガンを確立するに至った。

「インフォマートはウェブ上での請求書発行サービスを展開するIT関連株ですが、購入後に、会社の中期計画で利益率の大幅向上が発表され、株価が上昇しました。それまで二重にかかっていた旧システムと新システムの減価償却費用のうち、旧システムの減価償却が終わるというのが利益率アップの理由でした。EPS(1株当たり利益)の向上、そしてPER倍率上昇という成長株が、さらなる急上昇モードに入る2つの条件を満たして見事、株価が10倍になりました」(すぽさん)

 そして、すぽさんが人生3度目のテンバガーを達成したのはビットコインだと言う。

「次世代通貨として期待されていたビットコインですが、発行される数量がそもそも限定されているという致命的な欠点が、ひょっとしてバブル発生につながるかもと考え、2016年末に購入。この予測が的中し、たった1年で10倍高となりました」とすぽさんが話すように、バブル発生に対する嗅覚の鋭さもテンバガーを狙うには必要な要素のようだ。

 もちろん、尊敬していた評論家が紹介したという理由だけで、中国の冷凍食品会社を買って株価9割減を味わったり、経営者の不祥事やネットでの炎上事件で保有銘柄が暴落したり、何度か手痛い失敗も経験しているすぽさん。

「やはり他人に言われるまま、ではなく、自分自身で考えることが株式投資では一番大切。また経営者が悪事を働きやすいような会計処理のずるさがないかなどは、決算書をよく読めば分かること。いつ起きるか予測不可能ですが、炎上リスクにもその後は注意を払うようになりました」(すぽさん)

 失敗もきっちり教訓に変えることが、投資家として成長するためには必要だということが見えてくる。

新型コロナウイルスで成長株に対する期待が減った今は逆にチャンス!?

 有望な成長株発掘の情報源として、すぽさんがよく活用していたのがテレビ東京系の経済番組「カンブリア宮殿」。

「この番組で紹介された『日本M&Aセンター』は、その市場の有望度と収益性の高さに驚いてすぐに購入しました。EPSがどんどん伸び、その期待感からPERも上昇を続ける好循環が続いて、あっという間に株価が5倍に。『カンブリア宮殿』に登場した銘柄を買っても、今ではもう成功しないかもしれませんが、経済メディアをこまめに見て、新しいサービスやビジネスモデルの紹介記事があったら、『これ、いけるかも!?』とヒントにすると、思わぬ有望成長株に巡り合えるかもしれません」(すぽさん)

 景気が悪くなると、投資家は安定を求めて割安で財務・業績が安定した大型株にシフトしがち。その半面、いつ、破たんするか分からないような、小型の成長株には怖くて手が出ないため株価も割安になりがち。その意味では、コロナ・ショックで投資活動も自粛気味の今は、貴重な割安成長株を発掘できるチャンスと言えるかもしれない。

プラットフォームやサブスクに強いIT株が狙い目!

 すぽさんが今、最も成功しているのは、プラットフォームやサブスクのビジネスモデルを展開して高収益を上げているIT企業への投資。

「『インフォマート』の他に、複数の宿泊予約サイトを一元管理できるサイトコントローラーを提供する『手間いらず』、高級カメラや高級時計、ロードバイクなどに特化した中古品のネット販売を手掛ける『シュッピン』、自動車関連のポータルサイトを運営する『マークラインズ』など、IT系の高収益企業への投資で大きな成功を収めました」(すぽさん)

 現在は、コロナ・ショックによる企業業績の悪化や金融機関の破たんなどシステムリスクを警戒して、資産の半分ぐらいをキャッシュ化。守りのスタンスで投資しているというすぽさん。3月の大暴落に続く二番底形成もありうる、と考えていると言う。

「とはいうものの、全体として見れば、平均して年数%程度のリターンを期待できる金融商品が株式です。なので、長期的に株式市場に身を置いていることが最も重要。もし株式投資が向いてないと感じる方は、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を使ったインデックス投資(インデックスファンドへの投資)でいいと思います。株式投資で長期的に平均以上の成績を残したいのであれば、企業分析能力が重要です。自分が株を買った会社が、どのようなお客さんに、どのような値段で売り、どれぐらい利益を上げているのか。その仕組みを捉えることが大切です」(すぽさん)

 投資スタイルは人それぞれ自分にあったものがベスト。「お買い得や割安という言葉が好きなら割安株(バリュー)投資、新しい企業に対する好奇心があって、企業の業績を分析する労力をいとわないなら、私のような成長株(グロース)投資。自分の好きな道を探して投資しましょう!」と、すぽさんは初心者にエールを送った。

※本記事は2020年5月15日現在の株価データなどによるものです。

すぽさんプロフィール

 人気ブログ「すぽさん投資ぶろぐ」で自身のポートフォリオや注目成長株の企業分析を惜しげもなく公開。当初は中国株投資がメインだったが、リーマン・ショック後、日本株に切り替え、以来「高成長」「ビジネスモデル」「割安」の3つを軸に置いた中長期投資にシフト。長年の丹念な銘柄研究で億単位の資産形成に成功したこともあり、2018年に約20年間勤務した会社を辞め、専業投資家に。最近はクリエーター系SNS「note」でも独自の投資理論や投資哲学をテーマに記事を執筆している。

≫≫人気投資ブロガー・すぽさんインタビューはこちら

▼成長株(グロース)、割安株(バリュー)戦略の記事をもっと読む

(トウシル編集チーム)

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