積立投資家の波乱相場の乗り切り方

トウシル / 2020年6月12日 9時37分

写真

積立投資家の波乱相場の乗り切り方

 足元のように市場環境が不安定になり、保有する投資信託の基準価額が軒並み下落し続けると、「もう投資なんて止めた方が良いのか…?」と心に迷いが生じるものです。しかし、こういうときこそ冷静な対応が必要です。

 特に、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など、投信積立をおこなっている方は、今とても「お得」に投資信託を購入できているということを確認できる実に良い機会です。

下落時ほど「お得」に積み立てられるチャンス

 投信積立をおこなうメリットの1つは、基準価額の下落時ほどより多くの口数を購入でき、平均買付価格を下げられるという点です。この「口数」の考え方は、スーパーで売っているパックのお肉をイメージすると分かりやすいでしょう。

 パック肉は、「100グラムあたり○○円」として売られています。お肉のグラム数あたり値段が日によって変わるように、投資信託も、口数あたりの値段=基準価額が日々変動します。グラム数あたりの値段が下がると、同じ予算で多いグラム数のお肉を多く買うことができるのと同じで、投資信託も、基準価額が下がると、より多くの口数を買うことができるのです。

楽天証券ログイン後、口座管理→保有商品一覧→投資信託→積立中の投資信託の「詳細」をクリックすると、「投信あしあと」で積立の履歴を確認できます。

積立は「石の上にも『4』年」

 また、積立の効果は、一定期間継続して初めて表れるものだということも、改めて認識しておく必要があります。

 ここで、積立効果が具体的にどのタイミングで表れるかを検証するため、日経平均株価(日経225)に連動した投資成果を目指す「Aファンド」を毎月1万円ずつ、2009年3 月から2019年2月までの10年間(120カ月)積み立てていた場合のシミュレーションを見てみましょう。

 図でも確認できるように、積立開始から44カ月目にあたる2012年10 月末時点まで、投資額に対する運用資産の評価額はマイナス、つまり「赤字」状態でした。当時の日経平均株価を参考に、もう少し詳しく見てみます。

 図でも確認できるように、積立開始から44カ月目にあたる2012年10 月末時点まで、投資額に対する運用資産の評価額はマイナス、つまり「赤字」状態でした。当時の日経平均株価を参考に、もう少し詳しく見てみます。

 期間中の日経平均株価最安値(月末終値ベース)は、いわゆるリーマンショックが表面化した直後の2009年3月末(8,110円)でした。その後、1万円台を回復したものの、2011年11月には再び8,000円台前半まで下落し、不安定な状態が続きました。運用資産が完全に「黒字」化したのは2012年11月ですから、安値圏でもみ合った後1年は、「赤字」状態が続いていたことになります。

 評価損を抱えながらも、根気強く「種まき」、つまり、安値時の購入を継続したからこそ、2013年以降に本格化したアベノミクス相場で花が開きました。相場の急変時に不安心理が働くというのは自然な流れです。しかし、相場下落時に冷静さを失い、積立をやめてしまうと、結果として損失だけが残り、それまでの時間も無意味になります。日々の値動きに一喜一憂せず、下落時ほどチャンスと感じられるような発想の転換と、3~5年以上の積立期間を味方につけることこそが投信積立成功の秘けつといえます。

(篠田 尚子)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング