成長ストーリーを描く米国の「ニューノーマル」銘柄、満を持したフェイスブックのeコマース戦略
トウシル / 2020年6月16日 12時18分
![成長ストーリーを描く米国の「ニューノーマル」銘柄、満を持したフェイスブックのeコマース戦略](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_27319_0-small.jpg)
成長ストーリーを描く米国の「ニューノーマル」銘柄、満を持したフェイスブックのeコマース戦略
最近の米国株式市場
新型コロナウイルスの第二波に対する警戒感の高まりや、労働市場の見通しに懸念が広がる中、米国株式市場は調整局面に入ったとみられます。底値から急速に株価を回復させてきた反動で、6月11日(木)は大幅に下落、6月12日(金)は反発し、やや持ち直しました。
当面、株式市場には様子見姿勢が広がりそうですが、経済動向の影響を受けにくい成長株や、ゼロ金利が続くなか、株主還元に積極的な企業を物色する機会とも捉えられます。
「ニューノーマル」を支える米国株銘柄
特に成長株としてストーリーを描きやすいのは、新型コロナウイルスの影響を受けてチャンスが広がる「ニューノーマル」関連の銘柄でしょう。私たちにとって、すでにオンラインでの買い物や仕事は日常になったといえます。また、オンライン教育や、遠隔医療、最先端技術を使った在庫管理などが定着する可能性もあります。
世界でデジタル化が加速中
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/c/-/img_9c31cd056082ff22a0cb0e003cb0794314868.png)
オンラインでの買い物や仕事を支えている企業例は以下の通りです。オンライン上の膨大なデータを効率的に保管するデータセンター関連の企業、5Gなどの高速通信を実現するネットワーク関連の企業、そして、オンラインサービス自体を提供する企業に分けられます。
オンラインショッピング、テレワーク関連企業
・データセンターを支える企業
【半導体】エヌビディア(NVDA)、AMD(AMD)、インテル(INTC)
【ITインフラ・ソリューション】IBM(IBM)、VMウェア(VMW)
【クラウドサービス】マイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)
・ネットワークを支える企業
【半導体】クアルコム(QCOM)、ブロードコム(AVGO)
【ネットワーク機器】シスコシステムズ(CSCO)
【通信サービス】ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、AT&T(T)
・オンラインサービスを提供する企業
【買い物】アマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)、ショッピファイ(SHOP)
【遊び】エヌビディア(NVDA)、アクティビジョン・ブリザード(ATVI)、マイクロソフト(MSFT)
【仕事】ズーム・ビデオ(ZM)、マイクロソフト(MSFT)、リングセントラル(RNG)
作成:楽天証券
オンライン教育、遠隔医療、省人化関連では以下の銘柄が挙げられます。アクセンチュアやロックウェルは大企業ですが、他の銘柄はまだ比較的規模が小さく、リーディングカンパニーのポジションを維持・獲得するのか注視する必要があります。
オンライン教育、遠隔医療、省人化関連の銘柄例
◆管理・生産の省人化
・コンサルティングサービスを提供する企業
【総合コンサル】アクセンチュア(ACN)
・管理のオンライン化を促進する企業
【RFID】ゼブラ・テクノロジーズ(ZBRA)、インピンジ(PI)
・生産のオンライン化を支える企業
【自動化】ロックウェル・オートメーション(ROK)
【3Dプリンター】プロト・ラブズ(PRLB)
◆オンラインで診療・治療する
テラドック・ヘルス(TDOC)
◆オンラインで教育する
チェグ(CHGG)
作成:楽天証券
満を持して打ち出されたフェイスブックのオンラインショッピング機能
これらの企業で特に注目しているのがフェイスブックです。
フェイスブックは、ここ数年、当局の規制や、プライバシーの問題から、暗い材料が多かったですが、久しぶりに、新しい成長ストーリーが描ける施策を打ち出しました。
それは「Facebook Shops」というオンラインストアです。この夏頃、インスタグラム版も登場する予定です。
これまでも、オンラインショッピングのようなものはありましたが、今回は、店舗ページから商品を選んで、決済まで、よりスムーズに行えるコンセプトになっている他、ライブショップの機能も強化します。
さらに、ポイントプログラムも試験中で、店舗ページと自分のフェイスブック・アカウントをつなげたり、店舗を利用した場合に、フェイスブックのアカウントにポイントが付与されるものとなっています。
主な収入源は広告になる予定です。フェイスブックは北米だけで約2億人のデイリーアクティブユーザーがおり、今回、オンラインショッピングの機能を強化したことによって、事業者の広告掲載が促される可能性が高いです。
今後は、ショッピング機能とフェイスブックのペイメント機能「Facebook Pay」とのシナジーにも期待が持てる他、将来、傘下のバーチャルリアリティ「オキュラス」が仮想のショッピングプラットフォームを立ち上げるといった可能性もゼロではないでしょう。
フェイスブックの株価(2020年6月12日(金)時点)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/f/d/-/img_fdf5146daa3cca536e7e6e6df41eb7e024236.png)
(松村 梨加)
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