ヘッジファンドは株価の過大評価を懸念。日経平均は上昇一服
トウシル / 2020年6月23日 18時41分
![ヘッジファンドは株価の過大評価を懸念。日経平均は上昇一服](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_27443_0-small.jpg)
ヘッジファンドは株価の過大評価を懸念。日経平均は上昇一服
今週の予想
新型コロナウイルス感染拡大に注視しつつ、2万2,000円台でのもみ合い
世界的には新型コロナウイルスの第2次感染懸念が高まりつつも、経済活動の範囲拡大の動きを注目しながらの相場展開が予想されます。
欧米では、新型コロナウイルス感染拡大を前提に経済活動の再開が進んでおり、よほど感染拡大がひどいことにならない限り経済優先。国内でも都道府県の移動解除やイベント開催の規模緩和に伴う需要の回復が期待されます。
日経平均株価は強力な金融緩和や財政政策による、これまでの一方的な右肩上がりの上昇は一服。上値は重く、一方で下値は金融緩和に支えられて、大きくは2万1,500~2万3,000円のレンジの中で2万2,000円台を中心とした動きになりそうです。
テクニカル的には過熱感は後退し、25日移動平均線と13日移動平均線は上昇を維持しており、当面の上昇基調は崩れていないと言えます。ただし、日経平均の上昇は東京エレクトロン、ファーストリテイリングなど、日経平均に連動する値ガサ株が指数を伸ばしている面があり、注意が必要です。
(今週の指標)日経平均株価
新型コロナウイルス感染拡大に注視しつつ、日経平均は2万2,000円台中心に推移することが想定されます。チャートを見ると2万3,000~2万3,600円は強力なフシ目ゾーンで、6月9日の2万3,185円をつけて跳ね返され、15日に2万1,529円まで下げました。
当面は、2万1,500~2万3,000円の大きなレンジの中で新しい材料を待つことになりそうです。上値を突破する材料は、ワクチン開発などによって、新型コロナウイルス感染拡大を止めることですが、下値突破の懸念は、トランプ米大統領の支持率低下、朝鮮半島リスクがあります。
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(今週の指標)NYダウ平均株価
今週は、2万6,000ドル水準でのもみ合いが想定されます。プラス材料は、経済指標が予想を上回るものが多く、景気回復期待があるものの、一方で新型コロナウイルス感染拡大がいくつかの州で見られ、「第2次感染」が警戒されてくるようだとマイナス要因となります。調査によるとヘッジファンドマネジャーの78%が「最近の株価が過大評価されている」との見方が多く、これまでのような一方的な上昇は一服して、方向性のないもみ合いの展開が想定されます。
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(今週の指標)ドル/円
今週のドル/円は、底堅い動きを想定。先週発表された経済指標は予想を上回っており、さまざまな経済活動の制限の緩和に伴って段階的に拡大しているように見えます。ただ、米国のいくつかの州で新型コロナウイルス感染が拡大しており、「第2波」の感染流行が警戒され、一方的なドル買いにはなりにくいと言えます。
中国とインド、北朝鮮と韓国の地政学的リスクはリスク回避の円買いとなります。1ドル=106~107.5円のレンジを想定。
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先週の結果
急騰、急落、その後はもみ合いの日経平均
先週の日経平均は、週始めに▲774円と急落。翌16日は+1,051円と急反発。その後は2万2,500円水準を上値とするもみ合いで引けました。
6月15日の日経平均は、時間外の米株先物の下落を受けて▲774円の2万1,530円。翌16日は、15日のNYダウが急落からプラスに転じたことを好感し、+1,051円の2万2,582円と大幅反発となり、その後は2万2,500円水準を上値にもみ合いとなりました。16日は大きく反発しましたが、需給関係による上昇であり、これまでのように一方的に上昇が続く相場はいったん一服したように見えます。
6月15日(月):先週末のNYダウは大きく上昇して引けていたものの、この日は朝から時間外での米株先物が下落。▲170円の2万2,135円で寄り付いた後、下げ渋っていました。しかし、後場に米株先物がさらに下げると日経平均は一段安となり、▲774円の2万1,530円で引けました。
16日(火):15日の米国市場で、NYダウがコロナ感染拡大警戒感で▲762ドルの2万4,843ドルまで下落するものの、FRB(米連邦準備制度理事会)の緩和テコ入れを受け、+157ドルの2万5,763ドルとプラスに転じました。これを受けて日経平均は+381円の2万1,912円で寄り付くと、時間外の米株先物の上昇を受け、+1,093円の2万2,624円まで上昇。+1,051円の2万2,582円と4日ぶりの大幅反発となりました。
17日(水):16日の米国市場でNYダウは+526ドルの2万6,289ドルでしたが、日経平均はすでに前日の上昇で織り込んでおり、▲126円の2万2,455円と反落しました。
18日(木):17日のNYダウが▲170ドルの2万6,119ドルの反落となったことで、日経平均も▲91円の2万2,363円で寄り付きました。その後、一時▲330円の2万2,125円まで下げましたが、売り一巡後は下げ渋り、もみ合いが続いて▲100円の2万2,355円の続落となりました。
19日(金):都道府県をまたぐ移動制限がこの日に全面解除になったことで、景気回復への期待から、前場は一時+164円の2万2,519円まで上昇。しかし、その後は2万2,386円まで下げました。後場になると切り返して、一時+168円の2万2,523円と前場の高値を少し上回り、その後はもみ合いとなって+123円の2万2,478円と3日ぶりに反発しました。しかし、+123円の中身を見てみると、東京エレクトロンとファーストリテイリングの2銘柄で+102円分の上昇となっており、実体は弱さを感じさせます。
東京引け後の米国市場は、中国が米国産農産物を購入すると報じられたことで、米中対立懸念が後退。NYダウは上昇スタートとなって+371ドルの2万6,451ドルまで上昇するものの、アリゾナ州、フロリダ州など数州で新型コロナウイルス感染者が再び増加したことを嫌気し、▲208ドルの2万5,871ドルと3日続落となりました。為替もドルが1ドル=106.77円まで売られ、引け値は106.88円に。シカゴの日経先物は▲220円の2万2,290円でした。
(出島 昇)
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