いま投資で考えるべき3つのポジション。アフターコロナを見据えて
トウシル / 2020年6月25日 10時54分
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いま投資で考えるべき3つのポジション。アフターコロナを見据えて
「少しだけ雲が晴れた」その先で投資について考えておくこと
東京でも緊急事態宣言が5月25日に解除、都道府県間の移動制限も6月19日に解除されました。
新型コロナウイルス感染拡大第2波が警戒される中、私たちは少しずつ日常を取り戻し始めています。ただし、今までと同じ日常ではなく「New Normal」つまり新しい日常が始まっています。政府は「新しい生活様式」ということで、「密」になることを避ける生活スタイルを求めています。
そして、まさか厚生労働省のウェブサイトで、ECサイトの活用が推奨される日が来るとは思いませんでした(「通販も利用」という言葉に高齢者向けの配慮がうかがえます)。新しい生活様式における、不要不急の外出を控える選択肢の一つとして示されているのですが、これからの生活は今までと大きく変化していくことになるでしょう。
今回は、「新しい投資スタイル」というほど難しく考えるわけではありませんが、少しだけ雲が晴れてきた今こそ、「これからの投資」について考えておきたいポイントを、3つまとめてみたいと思います。
1:「下がること」を意識した投資ポジションをとること
株価はそれなりに戻り始めています。NYダウは1万8,000ドル割れかというほど下がったものが、2万7,000ドル前後まで回復しています(といっても3万ドル超えを目指していたのですから下落幅はまだ大きい)。日経平均株価も年初来高値2万4,115円には遠いものの、年初来安値1万6,358円から2万3,000円台を回復するまで戻ってきています。
皆さんは、新型コロナウイルスの影響で相場が下がり始める前、これだけ大きく下がることが「あり得ること」だと考えて投資をしていたでしょうか。特にNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座創設以降、アベノミクス以降に投資をスタートした人たちは短期的に30%以上も下がることを考えていなかったのではないでしょうか。
今戻っている株価も、二度と落ちないという約束はありません。直近の最安値に戻るかもしれません。あるいは底を抜けてさらに下がることもあるでしょう。それでも投資を続けられる程度のポジション(持ち高)を意識することが大切です。
また、何年かかけて今回のコロナ相場が終了したとしても、また別の急落がやってくるかもしれません。リーマン・ショックから数えれば10年以上かかりましたが、10年に2回くらいの急落(そして急騰)はあるものと考え、あなたの投資額を調整してみてください。
2:「次に下がったとき」も落ち着いて投資を続けられるようにする
個人投資家は、大きな上げ相場と大きな下げ相場を経てようやく一人前になります。それまでは、「ヒヨッコ」とベテランにからかわれても仕方がありません。しかし、誰でも初心者である時期はあります。
しかし、私たちは経験で成長することができます。初めての交際相手とつきあうときにいろいろ動揺していた人も、失敗を経て、他の交際相手とつきあうときのほうが余裕を持って振る舞えます。投資も同じことです。
そして今、NISA創設以降、アベノミクス以降に投資を始めた人たちも、一人前になるタイミングがやってきました。一人前になった投資家は「次に下がったとき」に耐えられるようになります。
過去、ITバブルを経験した人(失敗をしてもいい)はリーマン・ショックを乗り越えられました。リーマン・ショックを経験した人は、今回のコロナ・ショックを乗り越えられたはずです。
そして「株価は大きく下がることもある」と同時に「株価は戻る」ということも身をもって学んだ人は、この経験を肥やしとすることができるでしょう。経験は何よりも落ち着き、先々を見る力になります。あなたは、いつか次にやってくる「××ショック」を乗り越える経験を得たのです。ぜひこれからも落ち着いて投資を続けていきたいものです。
3:経済は終わるわけではないことを確認する
そしてこれから、あなたがその目で見守ってほしいのは、「経済は回復をする」というストーリーです。今起きている回復相場は早すぎると見て、マーケットは下がり直すこともあるかもしれません。
しかし、経済は全てが死に絶えるわけではありません。飲食店の売り上げが落ちた分は、スーパーなどの小売店の売り上げ上昇にもつながっています。この数カ月の旅行や移動の制限は、いつかの旅行や移動の需要回復としてはね返ってくるはずです。
店舗の売り上げが落ち込み、賃貸料が下がったり、空きテナントが増えることもあるでしょう。しかしECサイトの売り上げは大幅に向上しましたし、空きテナントに入ったお店が新しいムーブメントを起こすこともあるはずです。
私たちが生きて人生を営んでいる限り、経済が死に絶えることはありません。もちろん落ち込みと回復は完全な一対になるわけではありませんが、トータルとしては回復の道を歩み始めます。
ぜひ、ここからのマーケットの回復の道筋をたどってみてください。それは将来、「○○ノミクス」と呼ばれることになる株価回復の流れを追うことでもあります。
もちろん、ただ傍観するだけではなく、あなたの投資資金もマーケットに託して、資産の増加という形でも経済の回復を実感できるといいですね。
――さて、3つの視点で、これからの投資スタイルについて考えたいことをまとめてみました。
これからも投資について考えていくことはたくさんありますが、少しだけ雲が晴れた今、ちょっとだけでも、考えてみてはいかがでしょうか。
(山崎 俊輔)
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