第2回 投資は<腹>で行え
トウシル / 2015年8月6日 0時0分
第2回 投資は<腹>で行え
投資は<腹>で行え
前回は<売るな!>ということを強調して今回の相場に取り組むべき姿勢を提言しました。しかしそれは指摘したように非常に難しいことでもあります。一度決めたことを守りとおすのは大変なことですし、相場をやっている以上は状況に応じて臨機応変に行動すべきということも事実です。
さて<売るな!>というアドバイスを守り通すためには何が必要でしょうか? それは自らの決めたことを何としてもやり通す、という<腹の据わった投資姿勢>なのです。投資においては知識や経験が大事なことは言うまでもありませんが、儲けられる人に共通していることはこの<腹>が据わっているということなのです。投資で一番大事なことは実は知識ではなく、この<腹>なのです。言葉を変えれば<頭>で儲けようとしないで<腹>で儲けろ!ということです。投資したということは儲かるか、損するか、二つに一つしかありません。その現実を覚悟しろ!腹を決めておけ!ということです。
覚悟さえ決まれば、ある時は臨機応変に対応できるでしょうし、並びに一度持つと決めた株については予定通り持ち続けることもできるでしょう。もちろん相場に相対するときは何が起こるかわからないわけですからその時々で果敢な決断を迫られる時もあります。そのような場合でも腹が据わって覚悟さえ持っていれば冷静によりよい判断ができるものなのです。損をしたくないとかもっと早く利益を確定したいという強い欲求も自らの覚悟を決めていることによって乗り切ることができるわけです。
そしてどんな投資手法でもいいから、自らの投資手法を信じ貫けということです。投資は成功もあるし失敗も当たり前のようにある、その現実を受け入れ、その上で自分の投資スタイルを誰が何と言おうと貫き通すのです。まさに<腹>です。
私も多くの投資家を見てきましたが、優柔不断な人は儲かりません。あの先生がいいとかあの投資手法がいいとか、常に人気やその時のムードを追いかけるような手法は天井つかみばかりになるでしょう。投資は本来孤独ですし、誰もあなたの損失を肩代わりしてくれるものではありません。あなたはあなたの投資に全面的な責任も利益も損失も負うしかありません。その場合あなたはあなた独自のスタイルを持つ必要があります。<自分はこうする>と<腹>を決める必要があるのです。それはある先生に従うということでもいいし、チャート分析であればそれを徹底的に行うことでもいいでしょうし、また偉大な投資家ウォーレン・バフェットのように自分のわかることだけに投資するというのでもいいでしょう。とにかく自分で決めたスタイルやら投資手法を守り通すのです、<腹>を決めて。
日本人はどちらかというと投資には向いていません。日本人は人が良く協調性に富み、突出することを嫌います。人と同じことをやっていると安心するようです。ところが投資の世界は全く逆なのです。よく投資のことわざに<人の行く裏に道あり花の山>というのがありますが、まさにこの通りで烏合の衆のように他の人と一緒に群れだって投資していては儲かりようもないのです。
冷静に考えればわかると思いますが、多くの人がダメと思ったときはその株は安くなっていて買い時でしょうし、逆に多くの人がいいという場合はその株は人気があるところなので割高かもしれません。要は投資のコツとしては多数意見に逆らって投資する方が合理的なのです。友人から馬鹿呼ばわりされるような投資の方がかえって投資としては理に当っているのです。だって多くの人が馬鹿にしたり、嫌っている株であれば人気がなく安いはずではないですか、これは投資の真理であって多数意見の逆をいくのは投資としては合理的であることを認識する必要があります。だから誰に何を言われてもあなたは自分の投資スタイルを貫く必要があるのです、<腹>を決めて。
人それぞれ感性も違いますし、投資手法も違って当たり前です。そして自分の投資手法が何処かで花が咲くことがあると思っていいでしょう。株が下がったら買う、割安なものを買う、成長が大きく見込めるものを買う、どんな手法でもいいですからとにかくあなただけの投資手法を他人の意見や周りに左右されずに貫いてください。
かなり前のことですが、フォレスト・ガンプという映画がアカデミー賞を取り大ヒットしました。この主人公フォレストは少し知恵遅れなのですが、常に自分を貫き通して生きていきます。結果大成功して大金持ちになっていくのですが、映画自体はフォレストを取り巻く人間愛を描いているものですが、自らのスタイルを貫き通して成功するドラマはまさに投資の世界にぴったり当てはまる感じがしています。人間は本来弱いものですから自分を貫き通すことは難しい、それを覚悟を決めてやり遂げることが投資の成功の秘訣でもあります。<腹>を決めて我行かんです。
相場や経済についてもその知識を得ようとすればいくらでも勉強することもできるし、様々な投資手法を学ぶこともできるでしょう。しかし何をやろうと投資で一番肝心なことが<腹で投資する、頭で投資するのではない>という本質的なところを捉えていなければ何の役にも立たないのです。投資は孤独、そして投資は損も得もある、投資の責任は全て自分に起因する、だから他人に頼れない、基本的なことをしっかり理解し頭に入れて、覚悟を持って<腹を据えて>投資に臨んでください。
そのような激しい考え方は自分にはできないし、投資は自分には向いていないのでは?と感じる人もいるでしょう。しかし日本政府はデフレからインフレに向かわせることを決意し、その政策を着々と進めているのです。誰も大きな時代の流れから逃れることなどできないのです。インフレに向かわせるということは否応なしに、あなたの現金は年々減価していくのです。投資の世界は寝ていてお金が増えるわけだが、半面あなたは精神的な苦痛も受け入れなければならない! 現実を見据えるしかありません、これから来る激しい変動に生き残りたければ覚悟を決めて、いざ投資するとなればしっかり<腹を決めて>臨むしかないのです。
(朝倉 慶)
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