日経平均は米株を追う動き。米中対立激化と米失業支援策に注目
トウシル / 2020年7月29日 13時22分
![日経平均は米株を追う動き。米中対立激化と米失業支援策に注目](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_27959_0-small.jpg)
日経平均は米株を追う動き。米中対立激化と米失業支援策に注目
今週の予想
米株が安定ならば、日経平均は2万2,500円を中心とするもみ合いへ
今週の日経平均株価は、米中対立の激化の行方と新型コロナウイルスの感染拡大の状況が相場の上値を抑えることになります。
米中対立は互いに大使館の閉鎖を要求する状況となっており、トランプ米大統領も「米中貿易協定は署名当初に比べ、意味がなくなった」との見解を述べており、もしこれが実行されると世界貿易は大きな影響を受けることになります。特に日本株式は、NYダウ平均株価の動きをたどるような「写真相場」ですので、今週、NYダウがもたつくことになれば、日経平均は先週も述べたように2万2,000円を試す動きとなる可能性があります。
一方、米国では7月末に失業保険補助金の延長合意ができれば、経済的な大規模財政支援となるため、プラス要因として米国株式はサポートされ、その場合の日経平均は2万2,500円を中心としたもみ合いとなりそうです。
また、今週は国内企業の2020年4-6月期決算の発表が本格化するため、個別銘柄物色の相場となりそうです。
今週の指標:日経平均株価
今週は、米中対立の行方、新型コロナウイルスの感染者数増加が国内各地の都市にも見え始めたことが上値を重くするでしょう。一方、企業決算が本格化するため、個別企業の物色となりそうです。
米中対立の激化で米国株が下落すれば、日経平均も2万2,000円を試す動きも想定されますが、7月で切れる米国の失業保険補助策の延長が決定されれば、米株式にはプラス材料に。その場合、日経平均は2万2,500円水準を中心のもみ合いが続くことになります。
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今週の指標:NYダウ平均株価
今週は、米中対立の激化の行方をにらみつつ、主要ハイテク株の決算、FOMC(米連邦公開市場委員会)での結果や追加財政策の交渉の行方が注目となります。
特に7月末に失効する失業保険補助金の支援延長が認められれば、株式市場にとってはプラス材料となりますが、ハイテク株は引き続き利益確定が優先と思われ、もみ合いの展開となりそうです。
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今週の指標:ドル/円
今週のドル/円は、米中対立の行方や、7月30日発表の米国4-6月期GDP(国内総生産)で前例のない大幅な落ち込みが見込まれており、早期回復期待が後退してドル買いは抑制され、ドル/円は弱含みが想定されます。1ドル=105~107円のレンジを想定しています。
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先週の結果
先週は3営業日で2万2,500~2万3,000円の中のもみ合い
先週の予測は、引き続き国内の新型コロナウイルスの感染拡大が広がるか注目するところに4連休を控え、そして3営業日しかないところで一進一退の動きの様子見ムードが広がりそうだとしました。そして、22日(水)から「Go To キャンペーン」が始まることで、株価の下支えになる期待はあっても、感染拡大が進行している中では、上値を追うのも難しいと想定しました。そのため2万2,500円を挟んだもみ合いになるとしました。
結果的には、2万2,500円台を下値とする2万2,500~2万3,000円の中のもみ合いとなりました。21日(火)にはナスダックが最高値更新となったことで日経平均はハイテク株中心に戻りを試し、2万2,925円まで上昇し、週の引け値は2万2,751円でした。
7月20日(月):前週末の米国株式はマチマチでしたが、7月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回ったことで、ドルが売られ1ドル=106円台後半の円高進行となりました。日経平均の寄り付きはハイテク株の上昇で反発するものの、新型コロナウイルスの感染拡大懸念で前引けは▲80円の2万2,616円となりました。しかし、後場になると押し目買いが入って+21円の2万2,717円と3日ぶりの小反発で引けました。
21日(火):前日のナスダックが最高値更新となったことや、ワクチン開発期待もあり、+71円の2万2,789円で寄り付き、2万2,900円台まで上昇し、いったん上げ幅を縮小。しかし、後場になるとEU(欧州連合)首脳の復興基金案の合意が伝わると、大引けにかけてジリ高となり、+208円の2万2,925円まで上昇し、+166円の2万2,884円と続伸しました。
22日(水):前日の米国市場は、NYダウは続伸しましたが、ナスダックは反落しており、4連休を前に利益確定売り優勢となり、ハイテク株の一角や医薬品が値を下げ、後場は一時▲151円の2万2,732円まで下げ、終値は▲132円の2万2,751円と3日ぶりの反落となりました。
引け後の米国市場は、米中関係悪化は上値の重しとなるものの、米医薬品会社ファイザーと独バイオエヌテックの共同開発のワクチンへの期待の高まり、また、7月末までの予定だった失業給付金が12月まで延長が検討されているとのニュースで、主要3指標そろって上昇しました。NYダウは+165ドルの2万7,005ドルと6月8日以来の2万7,000ドル台回復となりました。シカゴの日経先物は+5円の2万2,755円でした。
23日(木):日本市場は休場。米国市場は、3指標そろって大幅下落となりました。米中対立が激化する中、新規失業保険申請件数が予想以上の増加となったことで、感染再拡大による労働市場の悪化懸念から、利益確定売り優勢となり、主力ハイテク株中心に売れました。ナスダックは▲244ポイントの1万461ポイントで、この中のマイクロソフトとアップルの2銘柄の大幅下落で、NYダウの▲353ドルのうち▲185ドルの押し下げとなりました。シカゴ日経先物は▲210円の2万2,540円でした。
24日(金):日本市場は休場。この日の米国市場は、インテルの弱い業績見通しや次世代チップの遅れが嫌気され急落。さらに米中対立の激化懸念でドルが1ドル=105.68円まで売られ、3指標そろって2日続落(NYダウは▲182ドルの2万6,249ドル)となりました。シカゴの日経先物はリスク回避の円買いとなったことで▲410円の2万2,340円となりました。
(出島 昇)
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