今夜のドル/円、一気に103円台も? なぜ、FOMCで「ドル安・円安」が加速するのか?
トウシル / 2020年7月29日 10時8分
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今夜のドル/円、一気に103円台も? なぜ、FOMCで「ドル安・円安」が加速するのか?
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは106.26円
↓下値メドは104.07円
今朝の天気マークは「雨」
※天気の判定基準は記事末尾にあります
下がるか、それとも小休止か
ドル/円は4日続落で「ドル安・円高」相場が継続中。この日(28日)の高値は105.68円まで。海外時間には105円を破って104.95円まで下げる場面もありましたが、終値は105.09円を回復。とはいっても、売り方止めという雰状況ではなく、反発も鈍い。
警戒感が強まるマーケットで、本日(日本時間明日未明)は、7月最後の大イベント、FOMC(米連邦公開市場委員会)が政策金利を発表します。その後にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見も行われます。今のマーケットのテーマは「Go To トラベル」、ではもちろんなくて、「ドル安」と「ゴールド高」。この2つを抱えて今夜のFOMCに突入するわけです。
今回の会合でFOMCは政策変更なしの予想ですが、新型コロナウイルス第2波のためにフロリダ州やテキサス州の経済活動が停滞しているため、パウエルFRB議長の経済見通しは前回よりも「後退」することになるでしょう。
FOMCは、FF(フェデラルファンド)金利の誘導目標レンジを、2年後の2022年末までゼロ付近で維持するとの見通しをすでに示しています。その意味では、FOMCが今回、低金利維持に対するコミットメントを強調することは驚きではありません。ところが今回が先月までと違っていることは、米国経済のアンダーパフォーマンスのサイクルとタイミングが一致してしまっていること。これがマーケットにドル売りの口実を与えているのです。
米国では、コロナ感染第2波で経済再開が遅れるなかで米中関係が悪化。失業特別給付金の終了期限が近づいていることで、下半期の経済を不安視する向きも多い。さらに大統領選挙も不透明感。
一方、モタモタしていたユーロは欧州復興基金の成立を機に生まれ変わった。FOMCの政策は変わらないが、米経済の優位性は次々と失われているのです。これがドル安に加速させる可能性を高めています。
欧州と米国の景気センチメント指数は2018年1月以来最も大きく差が広がっています。当時のユーロ/ドルは1.25ドル台までユーロ高・ドル安でした。ユーロ/ドルはまだ上昇余地があるといえます。
7月のドルは主要通貨に「全敗」。ドル安のサインはすでにでていた? 今日の注目グラフをご覧ください。
毎ヨミ!FXトップニュース
28日のドル/円のNY市場終値は105.09円
前営業日の終値比▲0.29円だったので、今朝の天気マークは「雨」です。
今日の格言:
あなたのインスピレーションやイマジネーションを抑えてはならない。模範の奴隷になるなーゴッホ
各国・各通貨トピックス
新型コロナウイルス:
ロサンゼルスがロックダウン寸前の状況に
シカゴ、再ロックダウンを発令か
ドル:
米議会、8月10日から夏休み。休暇明けは大統領選挙一色に
トランプ氏の選対本部長が降格
ディズニー、Facebookの広告費を削減
ヘルスケアを中心に米企業の倒産件数が上昇中
ユーロ:
ラガルドECB(欧州中央銀行)総裁「パンデミック緊急購入プログラムの枠を使い切る」
レーンECB理事「ユーロ圏が回復したかどうかわかるのは1年後」
ポンド:
政府の行き過ぎた自粛要請に国民が委縮。経済の出遅れ目立つ
新型コロナウイルスの休業補償は10月末で終了へ
円:
日本政府、アベノマスクを今後さらに8,000万枚追加配布へ 発注済
原油先物:
米国の原油生産はピークを終えた可能性。現在より増える見込みない
トルコリラ:
トルコリラ:トルコ中銀、預金準備率300bp引き上げ
南アランド:
新型コロナで労働市場が危機 75%が雇用減り、60%が収入減る
その他:
大統領選出馬のラップ歌手のカニエ・ウエスト、長くとりとめのない演説を披露
英国のパブが存続危機。立ち飲み禁止とソーシャルディスタンス
数年以内に再生エネルギーの貯蔵コストはガスよりも安くなるとの予測
ポリ袋はエコ!ポリ袋はリユース率が高い。レジ袋として使用した後ゴミ袋に利用
主要指標終値
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本日の注目通貨
ユーロ/ドル:今週のレンジ予想:1.1315ドル から 1.1830ドル
今回7月の会合のFOMCは、現行政策を維持する予想で一致。政策金利であるFF金利誘導目標レンジを0%から0.25%に据え置く「ゼロ金利」政策と毎月800億ドルの米国債買い入れの継続予想で、大きな変更はない模様。
前回争点になったYCC(イールドカーブ・コントロール)については、FOMC内部でコンセンサスが得られていないのですが、10年物米国債利回りが0.6%を下回る低い水準ではYCCを導入して金利を管理する緊急性はない。
FOMCは、インフレ率が目標に達してからも、さらにインフレがある程度「育つ」まで緩和政策を継続する方針を示唆しています。これが重要なのは、FRBは(現在の超緩和政策の結果)物価が上昇したからといって、すぐに利上げはしないと言っているからです。今回のFOMCでこの点が協調されるなら、ゼロ金利の長期間放置をあらためて確認することになります。金利の低下余地がほとんどない円が買われやすくなり、円高の可能性も高まるわけです。
7月のドルは主要通貨に「全敗」。ドル安のサインはすでにでていた? 今日の注目グラフをご覧ください。
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今日の注目グラフ
7月の「勝ち組」「負け組」通貨ペア 「ドル全面安!」
対ドル ランキング
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7月後半のマーケットはドル全面安の様相
上のグラフで明らかですが、ドルはG7通貨に全敗。なかでも最大の「勝ち組」通貨ペアは「ユーロ/ドル」。7月4週までの上昇率は+3.8%となりました。ユーロの上昇は一時的な反発ではなく、中期トレンドに重要な変化が起きていることは、先週の為替Walkerでも何度かふれています。為替Walkerを読んで、ユーロを買った方、おめでとうございます。
では、最大の「負け組」はどの通貨ペアかかというと、それは「ドル/スイス」。ドルに対してスイスフランを売っていた場合、7月第4週までのパフォーマンスは▲2.8%でした。つまり、それだけスイスフラン高になった、ということ。ユーロ高でスイスフラン高のマーケットです。
対円 ランキング
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トルコリラと南アランドは明暗わかれる結果となりました。対円では「南アランド」が+2.4%で「勝ち組」トップ。ユーロ/円の2.0%も上回りました。「負け組」はトルコリラの▲1.6%。
トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!
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◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。
(荒地 潤)
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