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割安株の時代は終わった?割安株の勘違いと購入タイミング

トウシル / 2020年7月30日 7時36分

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割安株の時代は終わった?割安株の勘違いと購入タイミング

「割安株」に魅力を感じている投資家は多いです。しかし、「割安」=「買い」と感じていれば落とし穴にはまります。割安株の魅力と注意点をまとめます。

コロナ・ショック後のパフォーマンス

 3月中旬に底打ちした後の日本株は、7月には日経平均株価がコロナ・ショック前の水準近くまでもどり、マザーズ指数は2019年の高値も突破しました。

 しかも、IT・ハイテク関連株をはじめ、上場来高値を更新している強い銘柄も珍しくありません。このような、コロナ・ショック前の株価を超えた個別銘柄に投資できていれば、今年前半の投資成績は十分プラスとすることが可能でした。

 しかし、多くの個人投資家の投資成績はあまりさえないようです。その大きな理由が、「個人投資家が買っている銘柄があまり上昇していない」ことにあります。

2013年中頃から成長株へ

 個人投資家が好んで買っている銘柄、それは「割安株」です。筆者のように成長株を中心に投資している個人投資家もいますが、それは少数派です。

 実は筆者自身も、以前は割安株を中心に投資していました。そして実際、満足のいく投資成績でした。

 ところが2013年中頃から、割安株のパフォーマンスが低下し、成長株のみが上昇を続ける状態が続いています。この傾向は7年間経過した今でも同じです。

 つまり、今の日本株は割安株よりも成長株の方が買われている、これが現実です。

なぜ個人投資家は割安株を好むのか

 このような状況の中、なぜ個人投資家は割安株へ投資するのでしょうか? その理由は、株価が割安だという根本的な面に加え「株価が割安なので下がったとしてもたかがしれている」という安心感なのではないかと筆者は考えています。

 例えば、PER(株価収益率)が10倍割れで配当利回りも4%超え、利益も毎年しっかり上げている…こんな銘柄を見つけたら、「明らかに割安なので買っておけば上がるはず!」と思うはずです。

 一方、成長株のPERは50倍超え、中には100倍を大きく超えるものもあります。さらに底値から大きく上昇していますから、「怖くて手を出せない…」と思うでしょう。

割安株は株価上昇するとは限らない

 こうした状況を踏まえ、私たち個人投資家はある事実に気づかなければなりません。それは、「割安な株であっても、必ずしも株価が上昇するわけではない」ということです。

 特に初心者の個人投資家が勘違いしやすい点なのですが、株価が上昇するのは業績や割安だからではありません。その株を買う人が売る人より多いからです。

 テーマ株の株価がファンダメンタルでは説明がつかないくらい大きな上昇となるのも、「まだまだ上がる!」と思って買い上がる投資家が大勢いるからです。

 逆に、割安であっても、その株を買う人が少なければ、株価は上昇しません。今割安株の置かれている環境は、まさにこういうことなのです。今の日本株では、成長株に投資資金がシフトしているため、成長株は高値更新となる一方、割安株は動きが悪いのです。

割安株を買うタイミング

 筆者が現時点で割安株に力を入れていない理由は、現に株価があまり上昇していないからです。

 もちろん、割安株に投資して、株価上昇をじっくりと待つというのも手法の1つですが、いつ上昇するのか分からないものに資金を寝かせておけば、それだけ投資効率が悪化し、得られる利益も少なくなります。それよりは、すでに株価が上昇トレンドになっている成長株に資金を回した方が効率よく投資することができます。

 筆者は、割安株にも投資をします。ただ、株価が上昇せず下降トレンドの間は新規買いすることはありません。投資効率を考え、株価が上昇を始めたときに買うのが良いと思っているからです。実際、5月ごろは割安株も上昇トレンドになる銘柄が多かったので、そこそこ買っていました。

 しかし今は割安株が積極的に買われる地合いではなく、かつ個人投資家が割安株を買って上昇をいつまでも待ち続けることも資金効率面から得策ではないと私は考えます。

 単に割安株を探せばよいというのではなく、上昇の初期段階で買うことで、効率よく投資資金を使い、しっかりと利益を狙っていくのがよいのではないでしょうか。

(足立 武志)

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