積立投資のテクニック(2)「最強」はウソ?こんなときは不利になる
トウシル / 2020年10月10日 8時0分
![積立投資のテクニック(2)「最強」はウソ?こんなときは不利になる](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_28567_0-small.jpg)
積立投資のテクニック(2)「最強」はウソ?こんなときは不利になる
投資信託での積み立てが長期投資と相性が良いということと、高値圏から始めても利益を期待できるという点は積立投資のテクニック(1)でご説明しました。では早速ですが、ここで質問です。
Q:反対に積み立てが不利に働くことはあるのでしょうか?
A:あります
積み立てが不利に働くパターンは主に2つ。
(1)基準価額が大きく下がることなく、右肩上がりの上昇を続ける (2)基準価額が一度上昇したのち下落する |
では、今回も投資元本5万円は同じながら、「一括投資」「積立投資」の2つのケースを比較しながら検証していきましょう。
・ケースA:基準価額1万円のときに一括投資
・ケースB:毎月1万円ずつ5カ月にわたって積み立てていった場合
積立投資の不利パターン(1)
まずは、(1)の「右肩上がりの上昇を続ける」パターンから見ていきます。
積み立てを開始したときの基準価額が1万円で、その後4カ月、毎月1,000円ずつ、基準価額が上昇していったと仮定します。
上表のように、積み立て開始後に基準価額が上昇を続けると、その都度、上昇した基準価額で投資信託を購入していくことになります。つまり、購入できる口数が毎月減っていくのです。
最終的な評価額は、最後の月の基準価額が1万4,000円になったので、次のようになります。
・ケースA:7万0,000円(50,000口×14,000円÷10,000)
・ケースB:5万9,165円(42,261口×14,000円÷10,000)
そしてリターンは、ケースAが+40%、ケースBは+18.3%になりました。
積立投資の不利パターン(2)
次に(2)の「一度上昇したのち下落する」パターンを見ていきましょう。
積み立てを開始したときの基準価額は1万円。その後の2カ月は基準価額が毎月1,000円ずつ上昇したのち、毎月1,000円ずつ下落。最終的に開始時の1万円まで戻ったと仮定します。
最終的な評価額は、最後の月の基準価額が1万円まで戻ったので、次のようになります。
・ケースA:5万0,000円(5万0,000口×10,000円÷10,000)
・ケースB:4万6,156円(4万6,516口×10,000円÷10,000)
そしてリターンは、ケースAが0%、ケースBは▲7%になりました。
タイミングを見て、スポット購入すべきなのか?
(1)と(2)、2つのパターンを比べると、少なくとも(1)については、基準価額が低かった1カ月目の時点でスポット購入をしていたほうが良かったということになります。
しかし、これはあくまでも結果論にすぎません。基準価額がどのような動きをするか、投資を始める段階では誰も分かりません。スポット購入で5万円分投資した後、反対に毎月基準価額が1,000円ずつ下がっていったとしたら、今度は「一度に買って失敗した…」と、激しく後悔することになります。
今回ご紹介した(1)と(2)のパターンでも、この後、中長期的に積み立てを継続していけば、リターンが向上する可能性は十分にあります。
繰り返しになりますが、積立投資は、基準価額が上下に変動することを前提とした投資方法です。今後のマーケットの方向性について確固たる自信がない限りは、やはり最初から積み立てを選び、大きく損をする可能性を低くしたほうが賢明でしょう。
(篠田 尚子)
この記事に関連するニュース
-
投資信託の中には「分配あり」と「分配金なし」というものがありますが、違いはなんでしょうか?
Finasee / 2024年7月19日 12時0分
-
Q. 投資信託は複利効果が大きいと聞きましたが、投資信託の複利はいつ発生するのでしょうか?
オールアバウト / 2024年7月12日 12時20分
-
【NISA】「投資信託の分配金は非課税だから気にしなくていい」という人は知らない…非課税枠に関わる“意外な盲点”
Finasee / 2024年7月10日 11時0分
-
株式投資で最もやってはいけないことの1つとは?
MONEYPLUS / 2024年7月3日 7時30分
-
番外編:富裕層の失敗例から学ぶ「損失回避術」 CASE13 含み損4,000万円!【ご隠居型富裕層】の失敗例
トウシル / 2024年6月26日 11時0分
ランキング
-
1今回のシステム障害、補償はどうなる?…「保険上の大惨事」「経済的損害は数百億ドル」
読売新聞 / 2024年7月20日 21時24分
-
2「みんなの意見は正しい」はウソである…ダメな会社がやめられない「残念な会議」のシンプルな共通点
プレジデントオンライン / 2024年7月20日 16時15分
-
3AI利用で6割が「脅威感じる」 規則・体制整備に遅れも
共同通信 / 2024年7月20日 16時50分
-
4次はコメで家計大打撃!? 昨年の猛暑の影響で不足が懸念、約11年ぶりの高値水準に 銘柄によっては品薄や欠品も
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月20日 10時0分
-
5苦境の書店、無人店舗が救う? 店内で感じた新たな可能性
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月20日 7時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)