2万3,000円台回復の日経平均、まだ上がる?もう天井?株価と業績の関係は?
トウシル / 2020年9月10日 5時10分
2万3,000円台回復の日経平均、まだ上がる?もう天井?株価と業績の関係は?
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現在の利益水準は、低水準?高水準?
日経平均株価は3月中旬に1万6,000円台まで下げましたが、足元では2万3,000円台と大きく戻す動きとなっています。株価と実体経済が乖離(かいり)しているとも言われていますが、実際に、株価と業績の関係がどのようになっているのか見ていきましょう。
まずは、日経平均と、日経平均を構成する銘柄の業績動向(予想EPS[1株あたり利益])の推移を見てみましょう。
日経平均株価と予想EPSの推移(1)(2013年1月1日~2020年9月4日)
チェック(1):現在の利益水準は、大不況後の低水準?好景気の高水準?
→中立
コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2020年8月28日時点での今期・来期調整予想EPSの水準は大きく下がり、2015年、2016年の水準となっています。一方で、来期・再来期調整予想EPSは、大幅増益が見込まれている状態にあり、2015年、2016年の水準までは落ち込んでいない状態です。
利益水準の判断は、来期・再来期調整予想EPSを優先しているため、中立と判断します。
チェック(2):来期・再来期調整予想EPSは上向き?下向き?
→横ばい
直近では、若干下げている感はありますが、2020年6月下旬以降はおおむね横ばいの動きとなっています。
今期、来期、再来期の予想EPSは、上向き?下向き?
次に、今期、来期、再来期、それぞれの予想EPSの推移を見ていきましょう。
日経平均株価と予想EPSの推移(2)(2013年1月1日~2020年9月4日)
チェック(3):今期、来期、再来期の予想EPSは、上向き?下向き?
→今期:下向き
来期:下向き
再来期:下向き
いずれも下を向いている状態となっています。
チェック(4):来期、再来期の増益率は?その達成の可能性は?
→来期増益率:37.9%
再来期増益率:12.8%
達成の可能性:来期:今期の数字次第、再来期:?
今期はコロナウイルス感染拡大の影響で大幅な減益が予想されている一方で、来期はその反動もあり、大幅増益見通しとなっています。
足元では、来期、再来期の予想EPSが下向きとなっているため、37.9%の増益率の達成は難しいとみています。ただ、今期の予想EPSも下がっているため、今期の数字がより大きく下がることによって、計算上、大幅増益になる可能性はあるとみています。
予想PERの水準は?
日経平均株価と、来期・再来期調整予想EPSを基にした予想PER(株価収益率)の推移を見てみましょう。
日経平均株価と来期・再来期調整予想EPSを基にした予想PERの推移(2013年1月1日~2020年9月4日)
チェック(5):来期・再来期調整予想EPSを基にしたPERは?
→17.74倍(レンジの上限付近)
2013年1月からの来期・再来期調整予想EPSを基にしたPERは、11.5~17.5倍の推移となっており、中心値は14.5倍となっています。9月4日時点(日経平均株価:2万3,205円)では17.74倍とレンジの上限付近となっています。
リスクプレミアムの動向は?
リスクプレミアムとは、リスクのある資産の期待収益率から無リスク資産の収益率を引いた差のことで、ここでは、日経平均株価の期待収益率から10年国債利回りを引いた値について見ていきます。
日経平均株価とリスクプレミアムの推移(2016年1月1日~2020年9月4日)
チェック(6):60週平均からみて上方?下方?その乖離度合いは?
→下方に大きく乖離
リスクプレミアムは、来期・再来期調整予想EPSの値を使って計算し、割安・割高の基準となる値は、60週移動平均を用いています。「60週移動平均線よりも、上に乖離すればするほど割安、下に乖離すればするほど割高」という見方をしていきます。
足もとでは、60週移動平均線を大きく下方に乖離した状態になっています。
(1)~(6)を総合すると、現在の日経平均は「かなり割高」
総合的に判断すると、
- 来期、再来期のEPSの見通しが足もとでは下がってきていて、来期・再来期調整予想EPSが力強い右肩上がりになるとは考えにくいこと
- PERはレンジの上限付近であること
- 大規模な金融緩和が行われているとはいえ、リスクプレミアムは、60週移動平均の下方にあり、乖離率もかなり大きいこと
以上のことから、業績からのみの判断ですが、現在の日経平均は「かなり割高」とみています。
投資は、あくまでも自己責任で。
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(白石 定之)
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