「逆指値」売り注文を活用:想定外の大きな下落に備える「損切り予約」
トウシル / 2020年9月21日 8時0分
「逆指値」売り注文を活用:想定外の大きな下落に備える「損切り予約」
※この記事は2020年2月5日に掲載したものです。
今日は、想定外の大きな下落が起こった時の損失を一定範囲に抑えるのに役立つ、「逆指値(ぎゃくさしね)売り注文」の使い方を、解説します。
まず、指値・成行注文をきちんと使いこなす
株式を売買するときの注文の出し方で、まず覚えるべきは「指値(さしね)注文」、次は「成行(なりゆき)注文」です。この2つだけきちんと使いこなせれば、問題ありません。私は25年日本株ファンドマネージャーをやってきた経験がありますが、自分で出した売買注文の99%が、指値か成行でした。
もし、「指値」「成行」注文の使い方がよくわからない方がいらっしゃいましたら、このレポートの末尾に添付しているレポートで、「指値」「成行」について、しっかり学んでください。
さて次に、運用の達人になるために、覚えるべきが、「逆指値(ぎゃくさしね)」注文です。想定外の急落にそなえるには、「逆指値の成行売り注文」をしっかり使いこなすことが、リスク管理上、大切です。
逆指値の成行売り注文を、しっかり使いこなす
逆指値注文には、売り注文も、買い注文もあります。意味を説明すると、以下の通りです。
◆「逆指値売り注文」:指定した価格まで、株価が下がった時、出される売り注文
◆「逆指値買い注文」:指定した価格まで、株価が上がった時、出される買い注文
逆指値の成行売り注文だけ覚えて、使っていただければOKです。逆指値買い注文は、信用取引で信用売りしたときなどに使うくらいで、通常の取引で使うことはほとんどありません。
それでは、具体例で説明します。以下のように、指値売り注文と逆指値の成行売り注文はセットで入れることができます。
株価1,000円でA社株を100株買った後、1,050円で100株の指値売りと、逆指値条件を市場価格が950円以下ならと指定して、100株の逆指値成行売りをセットで入れる
A社株が、1,050円まで上昇し、あなたが入れた指値売り注文にヒットすれば、1,050円で利益確定売りが成立します。一方、A社株が下落し、950円をつけた時は、損失確定の成行売り注文が出されます。その時点で、950円に指値の買い注文が残っていれば、950円での損切りが成立します。950円の買いがなくなっている場合は、もっと下の値段で売ることになります。
逆指値の成行売りをしておけば、きっちり損切りできます。株価をずっと見ていると、いろいろ迷って損切りできなくなる人も、損切りできるのがメリットです。
逆指値の売り注文、どんな銘柄で使う?
勢いよく上昇している銘柄に短期勝負で投資する場合には、逆指値の売りを入れておくべきです。たとえば、以下のチャートのような銘柄です。
急騰するテーマ株(イメージ図)
私は、こんなに短期的に急騰した株は、買いたくありません。それでも、もし短期勝負で買うならば、失敗して下がったら早めの損切りを徹底します。
ファンドマネージャーならば、日中の動きをしっかり見ていることもできますが、それができない個人投資家の方は、失敗したときに、損切りする水準を決めておいて、そこに逆指値の成行売り注文を入れておくべきと思います。
勢いよく上昇している株は、そのまま上がり続ける可能性もありますが、ピークアウトして下げ始めると、急落することもあるからです。こういう銘柄は失敗したときは、放っておかないで、早めに損切りすることが必要です。
運用の達人は、損切りの達人
運用の達人になるには、損切りの達人になる必要があります。長期的にすぐれた運用パフォーマンスを出すには、大きく上がる銘柄を見つけることも大切ですが、それ以上に、暴落する銘柄をつかまないことが大切です。
ただし、長い年月、いろいろな銘柄を売買していれば、暴落する銘柄を買ってしまうこともあります。そんなとき、すばやく損切りして傷口を深めないことが、運用の達人になるための必須条件です。
運用資産を何倍にも拡大させたファンドマネージャーには、「どうやって株価が10倍になる銘柄を見つけたか・・・」のような成功例を語る人が多いですが、その影では、「いいと思って買った銘柄がダメ銘柄だったが、なんとか暴落する前に売り抜けた」話が、たくさんあるはずです。
私は、ファンドマネージャー時代には、理由はわからなくても、だらだらと下げ続ける小型株は、サッサと売ることを徹底していました。
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