「日銀の一手買い」で支えてきた日本株、外国人の買いが戻るのはいつ?

トウシル / 2020年9月29日 7時17分

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「日銀の一手買い」で支えてきた日本株、外国人の買いが戻るのはいつ?

日米とも、中央銀行による大規模金融緩和は長期化の見通し

 米FRB(連邦準備制度理事会)は、9月16日、長期に低金利政策を維持する「フォワード・ガイダンス」を導入しました。完全雇用まで労働市場が回復、インフレ率が2%を達成し、さらに一時的に2%を超えていかない限り、ゼロ金利を解除しないと約束しました。少なくとも、2023年末まではゼロ金利が維持されるとの見通しを示しました。

 コロナが収束し、経済が回復しても、ゼロ金利は簡単には解除されないとFRBが確約した形となりました。

米長期金利(10年国債利回り)と政策金利(FF金利)推移:2004年1月~2020年9月(28日)

出所:ブルームバーグより作成

 FRBは、2016年から2018年にかけて、将来インフレが高進することに備えた「予防的引き締め」を行いました。ただし、それは今振り返れば、不適切な判断でした。米インフレ率は上昇せず、2019年以降は世界景気の悪化にともない長期金利が急落しました。インフレ「予防」と称して、FRBが2018年に4回も利上げを行ったのは、明らかに政策ミスでした。

 今回、FRBは2018年の政策ミスを反省し、予防目的では、金利を引き上げないと表明しました。実際にインフレが高まった後、ゼロ金利を解除すると宣言しました。これで、米国のゼロ金利政策は、長期化する見通しとなりました。

 9月17日には、日本銀行の金融政策決定会合の結果が発表されました。日銀も、大規模な金融政策を継続する方針です。株式市場に大きな影響を及ぼしている、年間12兆円を上限とする日本株ETF(上場投資信託)の買い付けも、当面継続する方針とされました。

日銀の日本株保有額がついに約34兆円に達する

 日本株市場で、日本銀行の存在がどんどん大きくなりつつあります。日銀は今、日本株ETFを年間12兆円を上限に積極的に買い入れる金融政策を実行しています。売りはせず、買いだけです。累積買い付け額はついに約34兆円に達しました。

日本銀行による日本株ETFの累積買い付け額推移:2011年1月~2020年8月

出所:ブルームバーグより作成

 日銀は、2015年から買い付けペースを引き上げています。2015年は年3兆円(月間約2,500億円)の買い付けを行いました。2016年に入ってから、年3.3兆円(月間約2,750億円)としました。2016年8月から買い取りペースをさらに大幅に引き上げ、年6兆円(月間約5,000億円)としました。そして、コロナ危機で日本株が暴落した今年(2020年)の3月から、暫定的に、買い入れの上限を年間12兆円まで拡大すると決めました。

日銀の買いが、外国人の売りをすべて吸収

 日本株の動きは、これまで完全に外国人に支配されていました。外国人が買い越した月は日経平均が上昇、外国人が売り越した月は日経平均が下落する傾向が過去30年、続いてきました。
 ところが、その法則に2020年は異変が起こっています。

2020年1月以降の外国人の日本株売越額・日本銀行の日本株ETF買い付け額推移

出所:外国人の売越額は東京証券取引所「主体別売買動向2市場1・2部」、日本銀行のETF買い付け額は、日本銀行

 3月まで、外国人の巨額の売りで日経平均が暴落したところまでは、いつも通りでしたが、4月以降に異変がおこりました。外国人が延々と売り越しを続けているにもかかわらず、日経平均が急反発しているからです。外国人の売りをすべて吸収して、日経平均を急反発させたのは、日本銀行のETF買いでした。上の表をご覧いただくと、日銀が外国人の売りをほとんど吸収してきたことがわかります。

外国人はいつ、日本株を買い越しに転じるか?

 気になるのは、今年、外国人投資家が延々と、日本株を売り越し続けていることです。いつになったら、買い越しに転じるでしょうか?

 外国人投資家から見て、日本株は「世界景気敏感株」です。中国および米国の景気が回復し、世界景気が回復に向かう見通しが出れば、外国人は日本株の保有も増やした方が良いと思うでしょう。今後の、中国・米国の景気指標次第ということになります。

 理想は、日銀の買いが縮小し、外国人に買いがバトンタッチされることです。世界景気が回復に向かい、外国人が買いに転じれば、日経平均は戻り高値(2万4,083円)を超え、上昇していくと予想しています。

 私は、来年(2021年)にはコロナ克服が見えてくることから、世界景気は回復に向かうと予想しています。ただし、その前に、まだ感染拡大の不安、米国大統領選・米中対立激化の不安で、株価が乱高下する可能性は残っています。

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(窪田 真之)

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