NYダウ・ナスダックは反落、日経平均は停滞、大統領選の行方を注視せよ!

トウシル / 2020年10月19日 7時20分

写真

NYダウ・ナスダックは反落、日経平均は停滞、大統領選の行方を注視せよ!

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。

[動画で解説]日経平均は停滞。大統領選の行方を注視せよ!

-------

コロナ前高値が近づき、上値が重くなる日経平均

 先週の日経平均株価は、1週間で209円下がり、2万3,410円となりました。11月3日に行われる米大統領選、欧米での新型コロナ感染拡大、英国がEU(欧州連合)から「合意なき離脱」となるリスクへの警戒から、欧米株式が軟調に推移した流れから、日経平均も上値が重くなりました。

 今後の日経平均を考える前に、今日は、日経平均が過去1年、どういう要因で動いてきたか、週足チャートで簡単に振り返ります。

日経平均週足:2019年10月1日~2020年10月16日

【1】2019年10~12月:米中通商協議の合意期待で上昇

 2019年は、米中貿易戦争の激化で、製造業中心に世界景気が悪化しつつありました。ただ、米FRB(連邦準備制度理事会)が金融緩和を続けていた効果に加え、米中協議が合意に向かうとの期待があって、世界的な株高となりました。その流れから、日経平均も上昇しました。

【2】2020年1~3月:コロナショックで暴落

 1月15日、米中「第一段階合意」が成立。米中対立が緩和すれば世界景気に好影響と期待されているところで、コロナ禍が世界に拡大しました。1月中は中国およびアジアだけの問題と安易にみられていましたが、欧米でも感染が急拡大していることがわかった2月から、世界中の株が急落しました。

【3】2020年4~10月:世界中で株が急反発

 4~6月、世界中で巨額の金融緩和・財政出動が行われた効果で、世界的に株価は急反発しました。7~10月は、さらに経済再開にともなう景気の底打ちを好感、さらにワクチン開発によって来年にはコロナが収束に向かう期待が出たことにより、さらに上昇しました。ただし、コロナ前の高値(1月20日の2万4,083円)が近づくにつれて、上値が重くなっています。

 米大統領選後に米中対立が激化する懸念、欧米で経済再開にともなう感染拡大ペースが速いことへの不安などが上値を抑えています。

NYダウ・ナスダック総合指数も、戻り高値を前に反落

 先週は、NYダウ・ナスダックともに反落しました。11月3日に実施される大統領選が波乱材料となる可能性が警戒されています。

NYダウ週足:2019年10月1日~2020年10月16日

 NYダウは、過去1年、ほぼ日経平均と同じ要因で同じリズムで動いています(日経平均がNYダウと同じ要因で動いているといった方が良いかもしれません)。昨年来高値が近づくにしたがって、上値が重くなってきていることも、同じです。

米ナスダック総合指数週足:2019年10月1日~2020年10月16日

 ナスダック総合指数は、GAFAM(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル・マイクロソフト)と言われる大型ハイテク株の構成比が高いため、8月まで、世界中の投資マネーを集めて、連日のように最高値を更新していました。コロナ禍でリモートワーク、リモート会議などITを使った技術革新が世界中に広がったため、成長期待がさらに高まりました。

 ただし、7~8月は、時価総額2兆ドル(約212兆円)を超えたアップル株が、あたかも小型株のように軽く急騰するなど、上昇ピッチが速過ぎました。そのため、9月以降、利益確定売りが集中し、急落しました。GAFAMによる独占を問題視し、規制導入を考えている米民主党が、11月3日に実施される米大統領選・議会選で優勢と見られていることも、ナスダックの不安材料となっています。

米大統領選をめぐる思惑で、米国株が乱高下

 米大統領選挙が実施される11月3日が近づくにつれ、大統領選をめぐる波乱に対する警戒感が強まりつつあります。

 大統領選で、優勢と考えられている民主党候補のバイデン氏は、法人増税を明言しています。トランプ大統領が実施した法人減税を酷評しており、バイデン氏が勝利すると法人増税が実施される可能性が高くなることが、米国株にとって警戒材料となっています。

 トランプ大統領は、さらなる法人減税に意欲を示しています。ただし、トランプ大統領再選の場合、中国への制裁を一段と強め、米中対立が激化する不安があります。バイデン氏が勝っても、トランプ大統領が勝っても、それぞれ期待も不安もあります。

 僅差でバイデン氏が過半数を得票した場合、トランプ大統領が郵便投票などでの不正を申し立てて敗北を認めず、選挙結果が何週間も出なくなるリスクも懸念されています。そうなると、議会はコロナ対策の追加予算を可決できず、コロナ対策の期限切れによる米景気不安が高まります。

 大統領選の結果がすんなり決まっても、同時に実施される議会選の結果によって、ねじれ議会が生じると、大統領がコロナ対策を機動的に実施できなくなる可能性もあります。民主党・バイデン候補が勝利したときに、上・下院で共和党が過半数を取ると、ねじれ議会となります。あるいは、共和党・トランプ大統領が再選したとき、上・下院を民主党が支配すると、ねじれ議会となります。

日本株は、長期投資で買い場の見方、継続

 日本株は割安で、長期的に買い場との判断を継続します。11月3日に行われる米議会選で、米国株にさまざまな波乱があり得ます。米中対立の先行きにも懸念材料がたくさんあります。

 日経平均もこれからも乱高下が予想されますが、来年にかけてコロナが徐々に収束し、世界景気が回復、日経平均もいずれ上昇トレンドに入っていくとの見方は、継続します。

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年10月15日:「もしバフェ5選」フォローアップ。安田倉庫はコロナ禍で下がっている今が買い場と判断
2020年10月14日:小売株の勝ち組と負け組。消費減、インバウンド減、コロナ後の投資戦略
2020年10月13日:配当利回り7.7%、JT株の投資価値を見直し

-->

(窪田 真之)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング