「パーク24」買い判断を継続。カーシェア好調、駐車場の利用率回復

トウシル / 2020年10月28日 7時24分

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「パーク24」買い判断を継続。カーシェア好調、駐車場の利用率回復

成長株として期待されてきたパーク24、赤字転落で売られる

 パーク24(4666)は、時間貸し駐車場「タイムズ(Times)」で国内最大手です。また、カーシェアリング(タイムズカーシェア)事業でも、国内トップです。

 私は、駐車場事業で安定収益を稼ぎつつ、カーシェア事業で成長するシェアリングエコノミー【注】関連の成長株として、高く評価しています。

【注】シェアリングエコノミー
 乗り物・住居・家具・衣服や各種サービスなどを単独で所有せず、多数の人間が共有(シェア)して利用すること。または利用する仕組み。自動車をシェアするカーシェアリング(カーシェア)・住居のシェア(シェアハウス)、自動車の相乗りサービス(ライドシェア)のほか、さまざまな共有サービスが生まれ、グローバルに拡大している。

 ところが、今期(2020年10月期)は、コロナ禍で駐車場の利用率が一時大幅に落ちこんだ影響で、赤字・無配に転落する見込みです。

 成長株として期待されてきたパ-ク24が、赤字でかつ配当もなくなってしまうとの発表を受け、同社株は大きく下落しました。

<パーク24の株価推移、日経平均との比較:2019年12月末~10月27日>

注:2019年12月末の値を100として指数化

足元の駐車場売上は、回復トレンド。コロナ収束後に成長株に戻ると予想

 パーク24は、10月期決算企業です。今期(2020年10月期)の決算は、今月末でしまります。既に、今期第3四半期(2020年5-7月期)の決算まで発表されていますが、過去4四半期の営業損益を示すと以下の通りです。

<パーク24:過去4四半期の営業損益>

出所:同社決算資料

 第3四半期までの決算を発表した時点で、同社は、通期(2020年10月期)の営業損益予想を、▲242億円の赤字としています。

 第4四半期(2020年8-10月)の業績、および、通期(2020年10月期)決算着地はまだ発表されていませんが、私は、会社の予想よりも、赤字はかなり縮小すると予想しています。

 同社HPで開示している月次売上速報で、9月までの実績が発表されていますが、それによると駐車場の利用率が会社の想定以上に回復しています。

<タイムズパーキングの売上高・前期比増減(%)・売上高総利益推移:2019年11月~2020年9月>

出所:同社「2020年月次速報数値」より抜粋、0.1億円未満は四捨五入して表示

 10月の売上高はまだわかりませんが、私は、さらに回復していると予想しています。自動車を使う人が増え、私の勤めている会社周辺(東京都港区)のTimesパーキングを見る限りでは利用率がさらに回復しているからです。

 来期(2021年10月期)以降、コロナが収束すれば、駐車場の利用がさらに回復すると想定しています。コロナ禍の元でも、好調なカーシェア事業の成長が続き、いずれ最高益を更新していくとの見方は変わっていません。

 株価が下がっている今(2020年10月27日終値1,542円)、買い場と判断しています。

かつて成長株としてパーク24の株価は、過去4年低迷

 パーク24の過去10年の株価推移を簡単に説明します。2015年まで成長株として買われていましたが、2016年以降は、株価が下がっています。

<パ-ク24 株価推移:2010年1月~2020年10月(27日)>

注:楽天証券経済研究所が作成

【1】2010~2013年

 国内の駐車場事業の拡大で、最高益の更新が続きました。それを好感して株価の上昇が続きました。2009年にカーシェアに参入していましたが、先行投資負担が重く、カーシェアは赤字でした。

【2】2014年

 消費税引き上げ(4月)の影響で、2014年10月期が減益となったことを嫌気して、株価が下落。消費税引き上げ後に、時間貸し駐車場の利用が一時的に減少したため。

【3】2015年

 消費増税の影響は一巡。カーシェア事業の利益成長への期待が高まり、株価が大きく上昇。2009年に開始したカーシェア事業は、先行投資負担が重く、赤字が続いてきましたが、2014年10月期に営業損益が初めて1,600万円の単年度黒字に転換しました。2015年以降、カーシェア事業の利益拡大が加速する期待が高まりました。

【4】2016~2019年

 カーシェア事業の利益は拡大しているものの、先行投資負担が重く、利益の伸びは投資家の期待を下回っています。国内の駐車場事業は、利益がまだ伸びていますが、徐々に成長余地は小さくなっています。また、海外駐車場事業で赤字が拡大していることも、嫌気されています。

【5】2020年

 コロナ禍で2020年10月期は赤字転落する見通しとなり、株価急落。新型コロナの感染拡大で外出を控える人が増えたため、3月以降、駐車場の利用率が一時大きく減少。

過去10年の業績レビュー。過去4年の株価低迷の理由を解説

 過去4年、株価が下落してきたことには、4つの理由があります。

【1】    国内駐車場事業:利益拡大が続いているが、徐々に成長余地が低下
【2】    海外駐車場事業:赤字が継続
【3】    カーシェア事業:先行投資負担もあり利益の伸びがまだ鈍い
【4】    今期(2020年10月期)はコロナ危機で赤字転落

 そのことが、過去10年の業績推移に表れています。

<パーク24:過去10年の業績推移:2009年10月期(実績)~2020年10月期(会社予想)>

出所:同社決算資料より作成

駐車場経営で成長してきたパーク24、カーシェアリングを第2の成長の柱に位置づけ

 改めて、パーク24の業務内容について説明します。

 パーク24は、24時間無人の時間貸し駐車場「タイムズ(Times)」1万9,361件(2020年7月時点)を運営する、国内の駐車場運営トップ企業です。都市の隙間に存在する遊休地のオーナーから土地を借り受け、「タイムズ」を運営して収入を得ています。

 時間貸し駐車場は、過去20年で全国の都市部に広がり、駐車場不足の解消に大いに貢献しました。かつて、商業地域・駅前などでは、駐車場不足が深刻でした。ただ、そうした都市部には、開発するには中途半端な狭い遊休地が多数残っていました。

 パーク24は、そうした遊休地のオーナーから土地を借り受け、こつこつと駐車場ビジネスを拡大してきました。相続でオーナーが変わる時や再開発にひっかかった時などに解約されますが、それを上回る新規契約を取ってきました。

 商業施設の大規模駐車場の管理受託などにも手を広げ、成長を続けてきました。

 ただし、近年、駐車場ビジネスには参入企業が増え、競合が激しくなってきました。国内での成長余地はだんだん小さくなってきたのです。

 そこで、パーク24は、新たな成長ビジネスとして、カーシェアリングを始めました。カーシェアでも、現在、日本でトップ企業となっています。

 ここで、カーシェアがどういうものであるかご存じない方のために、内容を簡単に説明します。

【ご参考】カーシェアリングとは
 自動車(カー)を共同利用(シェア)する仕組み。欧米で普及し、日本にも広まりつつあります。日本国内でのトップが、パーク24が運営する「タイムズカーシェア」です。全国に1万2,981の車両ステーションを有し、2万7,469台の車両を保有、143万2,000名の会員を有します(2020年7月時点)。競合大手に、オリックスカーシェア、カレコ(careco)などがあります。

 カーシェアのメリットは、「安」「近」「短」といわれます。近所にカーシェア用の自動車を設置したステーション(駐車場)があることが前提ですが、安価な利用料金で、自宅近くから、近距離・短時間のドライブにも利用できます。

 カーシェアの会員になると、スマホで申し込み、簡単に自動車を借りることができます。ネット予約してカーシェア用の車両を置いてある駐車場に行き、会員証をかざすだけで、簡単に開錠できます。旅先で、駅前からカーシェアを利用することも可能です。

 利用料金は、15分で220円(ガソリン代・保険料込み:ベーシック車種)からとなっています(2020年7月時点)。自動車を保有するコスト(車両購入・車検・駐車場・保険・税金など)がかからないので、割安な利用方法です。

 レンタカーと比較すると、利用手続きが簡単で、短時間・短距離の利用にも使えることが評価されています。

 ただし、利用者の多い地域では、土日祝日には、ほとんどカーシェアの車が空いていない(他の会員に使われている)という問題が起こることもあります。

 パーク24は、レンタカー事業とカーシェア事業を両方とも行っていますが、利用者のニーズ変化を受け、レンタカー事業を縮小、カーシェア事業を拡大する方針を採りつつあります。

 国内のカーシェア事業は、きわめて順調です。先行投資の成果で、収益拡大が軌道に乗ってきました。拠点数の多さから国内で圧倒的に高い競争力を有します。

日本には、シェアリングエコノミー関連の成長株がまだ少ない

 日本でも世界でも、シェアリングエコノミーが、株式市場の成長テーマとして注目されるようになりました。

 民泊・シェアハウス・カーシェア・ライドシェア・自転車シェアリングなど、さまざまな財やサービスを複数の人間で共用するサービスが、日本および世界に広まりつつあります。ネットを活用し、不特定の貸し手・借り手を仲介するサービスが、成長しています。

 今年はコロナ禍でこうしたビジネスもダメージを受けていますが、コロナ後に成長が見込めると考えています。

 日本でも、海外でも、シェアリングエコノミー関連株を探して、成長株として評価する動きがあります。

 パーク24は、近年利益の伸びが鈍く、人気が離散していますが、日本のカーシェアのトップ企業であり、日本でカーシェアがさらに幅広く認知されるようになれば、テーマ株として買われる可能性があると考えています。

 自動車最大手のトヨタ自動車は、これから「CASE革命」に本格的に取り組むと表明しています。CASEとは、「C(コネクティッド):ネットにつながる車」「A(オートマチック):自動運転」「S(シェアリング):カーシェア」「E(エレクトリック):電気自動車」の4つの頭文字をとったものです。

 その一つが、カーシェアです。自動車を所有しないで、カーシェアを利用することが普通になる時代が来ることを見据えています。

コロナ後に成長が見込まれる株は買い、イオングループにも注目

 株式市場では、「コロナ後」の回復を織り込む動きが出つつあります。コロナ禍で大きなダメージを受けている銘柄から、コロナ後に成長が見込まれる株を探す動きが強まると思います。

 パーク24は、コロナ後の成長期待株として、積極的に投資していきたいと思います。ただ、他にも、コロナ後期待株はいろいろあります。イオングループもその候補と、私は考えています。

 イオン(8267)は、コロナによる休業で足元の業績は著しく悪化しました。ただし、生活密着産業として、コロナ後に国内外で成長していくビジネスモデルを確立していると私は判断しています。

 イオン(8267)、イオンモール(8905)、イオンフィナンシャルサービス(8570)、イオンリート投資法人(3292)は、パーク24と同様、コロナ後の利益拡大を見込んで買っていける銘柄と判断しています。

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(窪田 真之)

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