マザーズ指数急落から学べ!負けない投資家がやっていること
トウシル / 2020年11月5日 6時0分
マザーズ指数急落から学べ!負けない投資家がやっていること
強かったマザーズ指数が急落!
3月のコロナ・ショック後、非常に強い値動きで、コロナ前をはるかに大きく超え、2018年1月の水準まで戻したマザーズ指数。しかし足元で急速に下落をしています。10月14日高値から10月27日安値までの下落率は約15%に達しました。
マザーズ指数の日足チャート(2020年3~10月)
個別銘柄はさらに大きく下げたものが多く、それぞれの高値からの下落率を見ると次のようになっています。
マザーズ銘柄 | 下落率 |
---|---|
フィードフォース(7068) | ▲43.8% |
すららネット(3998) | ▲41.4% |
チェンジ(3962) | ▲39.5% |
BASE(4477) | ▲36.4% |
ログリー(6579) | ▲35.3% |
メドレー(4480) | ▲26.7% |
マザーズ指数は中小型成長株の動きとほぼ連動しますので、それらを主軸として投資していた個人投資家の方は、大きな痛手を受けたのではないでしょうか。筆者自身も中小型成長株をメインに投資していますので、ダメージは避けられませんでした。
実は今回のマザーズ指数の急落から、私たち個人投資家が株式投資で負けないようにするためにどうすればよいか、学ぶことができます。
株式投資に失敗はつきもの。しかし、失敗を糧にしてそれを繰り返さないようにするのと、再び同じ失敗をしてしまうのとでは、投資成績に雲泥の差がつきます。
もし、今回のマザーズ指数急落で「失敗してしまったなあ」という方は、ぜひ今回のコラムの内容を参考にして、同じ失敗を避けるようにしてください。
「いつ買うか」の重要性を改めて確認
今回のマザーズ指数急落で、中小型成長株をメインに投資している個人投資家の方は、誰もが少なからずダメージを受けているはずです。でも、そのダメージの差が、人によって大きく異なるのです。
マザーズ指数のチャートを見ると、コロナ・ショックの下落後、4月上旬に25日移動平均線を超えてきました。個別銘柄も、4月上旬~中旬にかけて25日移動平均線を超えたものが数多くあります。
このころに買った株であれば、高値からだいぶ値下がりしたとしても、十分に大きな利益で売却することが可能です。
しかし、10月に入ってから高値付近で買った場合、損切りをしなければあっという間に10%、20%と含み損を抱えることになってしまっています。
中小型成長株の株価は4月中旬と10月とでは大きく水準が異なります。当然ながら、株価が安いときに買った方が、高くなってから買うよりリスクは小さくなります。
筆者個人的には、個別銘柄ごとに、25日移動平均線を超えた直後に買うことにより、リスクをだいぶ低減できると感じます。
実際、4月中旬に買った銘柄が、高値からかなり大きく値下がりしたところで25日移動平均線を割り込んで売却したことがありました。このとき、利益はかなり削られたとはいえ、買い値からは3倍とか5倍で売却できたものもいくつかありました。
適切なタイミングでの損切りが絶対に必要
高値で買った株が大きく値下がりしてしまったとき、損切りせずにそのまま保有を続けている方も少なくないと思います。しかし中小型成長株へ投資する場合は、適切なタイミングでの損切りが絶対に必要です。
なぜなら、その銘柄がつけた高値というのは、バブルの頂点であるかもしれないからです。
コロナ・ショック以降、中小型成長株やコロナメリット銘柄の中には、短期間で株価が急騰し、PER(株価収益率)が百倍を大きく超えたものが目立ちました。
PER100倍というのは、毎年50%の利益成長が続くくらいのレベルでないと正当化できないのですが、今回の上昇ではPER100倍どころか200倍、300倍、中には1,000倍を超える銘柄まで出てきているのです。
これは控えめに言っても「バブル」であると言わざるを得ません。バブルで最も怖いのが、高値づかみした株を損切りせずに持ち続け、多額の含み損を抱えた塩漬け株だらけになることです。
もし今回の高値がバブルの頂点だとすれば、そこから株価が5分の1、10分の1に値下がりすることも大いにあり得ます。それをずっと我慢して持ち続けていたら、含み損が大きくなってしまいますし、何十年持ち続けても全く買い値に届かない、という羽目になりかねません。
でも、適切なタイミング、例えば25日移動平均線割れの直後とか、買値から10%値下がりした水準でしっかり損切りができていれば、損失も小さくて済みます。さらには、売却したことにより生まれたキャッシュを使って、より良いタイミングでより良い株へ投資することができるのです。
売った後の行動もとても大事
マザーズ銘柄はバブル気味の状況が続いていたため、天井をつけて下げに転じた可能性が生じれば、適切なタイミングで利食いもしくは損切りの売却を行うことがとても大事です。
ただ、残念ながらそれでは手落ちであることも事実です。
株価が天井をつけた可能性があるから持ち株をいったん売却するわけですが、もしかしたらまだ株価は天井をつけていないかもしれません。そうなれば、25日移動平均線を割り込んだ銘柄も再度移動平均線を超えて上昇に転じます。
したがって、いったん下降トレンドに転じたため売却した後も、売却した銘柄の株価チャートを定期的にチェックし、再度上昇トレンドに転じた可能性が高まれば買い直しをすべきです。
実際、2020年7月にマザーズ指数は25日移動平均線を割り込み、中小型成長株の多くも同様に25日移動平均線を割り込みました。
筆者もこのタイミングでいったん売却した銘柄が多かったですが、その後反発して再度25日移動平均線超えで買い直しをしたために、さらに利益を大きく上乗せすることができました。
今のマザーズ銘柄のように、バブルの可能性が高い銘柄の場合は特に、株価が下げに転じたら天井の可能性があるので一度売る、再び反発したらまだ天井をつけていない可能性があるので買い直す、という作業が大事になってきます。
将来の株価がどうなるかは誰にも読めません。だからこそ、株価が下がったらどうするのか、再度上げに転じたらどうするのかを、あらかじめルール化し、それを守ることができるようにしておいてください。
(足立 武志)
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