NYダウを追って加速する日経平均!天井近くに起きる現象に要注意
トウシル / 2020年11月16日 14時34分
NYダウを追って加速する日経平均!天井近くに起きる現象に要注意
今週は、2万5,000円台の値固めの動きか
今週は、目先ちょっとしたスピード調整があってもおかしくないと思っていますが、先週末、過去最高となる新型コロナウイルス感染者15万人超えを無視して、米国株式がワクチン期待で上昇しており、これを受けて日本株式もすぐにNYダウ平均株価に連動することになりそうです。ただし、為替が1ドル=104円台半ばの円高進行になっており、これが継続すれば上値は重くなるといえます。
12日(木)までの8連騰は、13日(金)が先物とオプションの清算日であり、これに絡んでショートカバー(買い戻し)やストップロスも入り、買いが加速した結果、約2,500円を超える上昇となりました。もし、スピード調整があっても11月下旬になると年末商戦への期待も出てきますが、新型コロナ感染再拡大や、トランプ米大統領の言動には注意が必要です。
当面のピークも、2018年10月2日の2万4,448円の高値から2年が経過し、サイクル的には12~1月ごろ、当面のピークとなってもおかしくありません。当面の上値のフシは、心理的フシである2万6,000円となります。
今週の指標:日経平均株価
今週は、スピード調整も想定されますが、先週末に米国株式は再び上昇を開始したことで、日経平均もツレ高する可能性が高いと言えます。ただし、やや円高となっていますので、上値は限定的で2万5,000~2万5,700円のゾーンでのもみ合いを想定します。
今週の指標:NYダウ平均株価
今週は先週の動きを見る限り、不透明要因だった米大統領選もバイデン新政権への移行もメドが立ち、来年度の景気回復を織り込む動きが続きそうです。来年の上半期にもワクチンが承認されて供給体制が整えば、米国民にワクチンを配布する計画です。
一方でパウエル議長をはじめ、ECB(欧州中央銀行)のラガルド総裁やBOE(英国中央銀行)総裁は、ワクチン開発の進展は歓迎するものの、経済の回復には時間がかかると慎重な見解です。楽観論で相場が上昇していますが、それは金余りの結果であり注意が必要です。
今週の指標:ドル/円
先週はドル買いが優勢でしたが、今週は新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒して、ドルが上げ渋りとなりそうです。
米国では新型コロナの感染拡大が最高水準にあり、リスク選好的なドル買い・円売りが広がる可能性は小さく、トランプ大統領もまだ敗北を認めていないものの、市場参加者の多くは民主党政権への移行を織り込みつつありますので、リスク回避的な取引も縮小しつつあります。1ドル=103.5~105.5円のレンジを想定しています。
先週の結果
12日まで8日続伸で、29年ぶりの2万5,500円台へ。週末反落
先週の予測では、日経平均は引き続き先物主導の上昇のため、反動安に注意としていました。
週初めの日経平均は民主党のバイデン氏の勝利が確実となり、時間外での米株先物高やアジア株高も加わって大幅高し、そのまま8日連騰となり、12日(木)は、29年ぶりに2万5,520円となりました。しかし、さすがに週末の13日(金)は、前日の米株式が反落したこともあり、日経平均は一時▲305円の2万5,215円まで下落し、終値は▲135円の2万5,385円と9日ぶりの反落となりました。
11月9日(月):前週末のNYダウは反落していましたが、日経平均は米株先物高で買い先行となり、+243円の2万4,568円で寄り付きました。後場には+637円の2万4,962円まで上昇し、終値では+514円の2万4,839円でした。先物の買い戻しと先物のヘッジ買いが指数を押し上げています。
10日(火):前日の米国市場で、米大統領選でバイデン氏の当選がほぼ確実として株式市場が急騰。NYダウは一時+1,610ドルの2万9,933ドル(9カ月ぶり史上最高値)まで上昇。終値では+834ドルの2万9,157ドルとなったことで、日経平均は+247円の2万5,087円で寄り付き、一時2万5,279円まで上昇し、前引けは+268円の2万5,108円と29年ぶりに2万5,000円台を回復しました。しかし、後場になると利益確定売りで上げ幅を縮小し、時間外での米株先物も安かったことで、一時マイナスをつけましたが、終値は+65円の2万4,905円と6日続伸となりました。
11日(水):前日の米株式はマチマチの動きでしたが、ファイザー社のワクチン開発への期待が続き、日経平均は+240円の2万5,145円で寄り付き、時間外での米株先物の上昇も加わって、後場には+495円の2万5,401円と上げ幅を拡大。終値でも+444円の2万5,349円と7日続伸し、1991年6月以来の2万5,000円台の高値水準となりました。
12日(木):前日の米株式でNYダウは小反落だったものの、ナスダックは大幅上昇となったことで、日経平均は+89円の2万5,439円で寄り付き、+238円の2万5,587円まで上昇しました。しかし、やや円高となったことで上値は重くなり、後場は一時下げに転じましたが、大引け間際に先物にまとまった買いが入り、引き締まって+171円の2万5,520円と8日続伸となりました。この日の騰落レシオを見ると、日経平均は+171円の上昇にもかかわらず、値下がり銘柄数1,365、値上がり銘柄数735と値下がり銘柄数が圧倒的に多くなっています。これは、一部の指数に影響を与える銘柄が買われて指数が引っ張られていますので、注意が必要です。今回、当面の天井を打つかどうかは分かりませんが、天井に近いときによく起こる現象です。
13日(金):前日の米国市場は、欧米の新型コロナウイルス感染者数の拡大を嫌気し、主要3指標そろってマイナスとなったこともあり、日経平均は▲115円の2万5,405円で寄り付き、利益確定売り先行となりました。8日間の連騰で約2,500円超えの上昇をしており、一時、後場には▲305円の2万5,215円まで売られました。しかし、売り一巡後はETF(上場投資信託)買いの思惑もあって、下げ幅を縮小し▲135円の2万5,385円で引けました。11月のSQ(特別清算指数)値は2万5,480円でしたので、終値ではSQ値を下回って引けました。
この日の引け後の米国市場は、主要3指標そろって反発となりました。新型コロナウイルス感染者が15万人を超える過去最高を記録したものの、ファイザー社の新型コロナワクチンの普及期待で来年以降は景気回復が期待できるとして株式市場は大幅上昇となりました。S&Pは+48ポイントの3,585ポイントと終値で2カ月ぶりの史上最高値を更新しました。
(出島 昇)
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