4度目のトライ「日経平均19,500円の壁」
トウシル / 2017年2月20日 0時0分
4度目のトライ「日経平均19,500円の壁」
先週の国内株市場ですが、日経平均は前週末に一段高になった流れを受けて、週初こそ買いが先行するスタートになったものの、その後は失速し、週末金曜日(2月17日)の終値は19,234円でした。週足ベースでは144円安と小幅安になりましたが、相場が崩れた印象はなく、膠着感が漂う展開になっています。
(図1)日経平均(日足)の動き(2017年2月17日取引終了時点)
早速、足元の状況を上の図1で確認してみます。
日経平均は25日移動平均線より上をキープしています。前回指摘した通り、この25日移動平均線が相場のムード、とりわけ米トランプ政権の期待と不安のバロメーターとして機能していると言えます。足元では、トランプ大統領の「そう遠くないうちに、税制に関する驚くべき発表をする」発言で期待が高まっています。
ただ、先週のローソク足の並びを見ると、あまり強い形にはなっていません。実際に税制についての発表がどのようになるのかはまだ未知数ですし、来週28日に控えている米議会での大統領演説と併せて、ひとまず様子見に入っているように見えます。
この様子見ムードはローソク足の並びだけでなく、チャートの形を見ても感じ取れます。
日経平均は「三角保ち合い」を形成しつつありますが、今週の値動きは保ち合いの上放れを見せたものの、上値トライの展開にはならず、上限の線でもみ合い、結局は保ち合いレンジの中に戻ってしまった格好になっています。
また、上値の節目として意識されているのが19,500円水準です。図1のチャートを見ると、この水準をトライしたのは4回目になります。
そのため、今週は保ち合いレンジ内での推移の維持をメインシナリオに、25日移動平均線を睨みながらのムードの見極めと、再度19,500円をトライできるかが注目ポイントになりそうです。
次に週足のチャートでも確認してみます(下の図2)
(図2)日経平均(週足)とMACDチャート(2017年2月17日取引終了時点)
引き続き、3カ月の値動きの中心線である13週移動平均線がサポートになっています。また、週足でも19,500円からの上値が重たいことが分かります。
また、ローソク足が陽線と陰線が交互に表れる「鯨幕相場」っぽい並びになっているほか、下段のMACDがシグナルを下抜けるなど、注意したいサインが出現している点には注意が必要です。
また、週足チャート全体でも、相場局面を整理してみます。
(図3)日経平均(週足チャート)とRCI(2017年2月17日取引終了時点)
2015年からの相場局面をざっくり分けると、下落局面から底打ち横ばい局面、助走局面から上昇局面を経て現在の保ち合い局面に至っているわけですが、足元のこの保ち合いが今後の上昇に備えた助走局面なのか、天井もみ合いのどちらなのかまだ判別がつかない状況と言えます。
このような相場局面の場合、ひとまず取引を見送るか、上値と下値の目安を想定しながら売買のタイミングを探ることになります。
具体的には、移動平均線乖離率や前回も紹介した「HLバンド」などでレンジの範囲探ったり、取引のタイミングについては、株価の動きに敏感に反応しやすく、短期的な取引や方向感の掴みにくい保ち合い相場の時に力を発揮しやすいオシレーター系指標(ストキャスティクスやRCIなど)が良く使われます。
(土信田 雅之)
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