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堅実な資産形成を考えるなら…まず3メガ銀行を考えてはどうか

トウシル / 2017年10月12日 7時0分

堅実な資産形成を考えるなら…まず3メガ銀行を考えてはどうか

堅実な資産形成を考えるなら…まず3メガ銀行を考えてはどうか

執筆:窪田真之

<今日のポイント>

・初心者は、堅実経営の好配当利回り株から投資を始めると良い。人気の成長株は魅力的に見えるが、高リスク高リターン投資なので、「機動的な損切り」ができる中上級者向き。

・3メガ銀行は、好配当利回り株として長期投資する価値が高いと考えている。ほかにも、NTTなど、人気のない好配当利回り株はいろいろある。

 

株式投資の初心者は、割安株への小口投資から始めたら良いと考える

 投資する銘柄を選ぶとき、「成長の魅力にあふれる人気銘柄」と「あまり人気がない割安銘柄」では、どちらがいいと思いますか?

「人気銘柄」は、往々にして株価はすでに大きく上昇しています。一方、「割安株」は、人気がないので株価が低迷しています。どちらも、それぞれ投資する価値はあるのですが、とるべき投資手法は、異なります。

 25年間、日本株のファンドマネージャーをやってきた経験から得た私の投資戦略は、以下の通りです。

人気の成長株は、短期投資!

 人気が冷めないうちに、早めに利益確定。失敗して、株価が下がったときは、早めに損切り。売買タイミングでは、テクニカル分析(売り手買い手のどちらが多いかチャートの動きや売買高から判断する方法)を重視。ファンダメンタル(企業業績や株価バリュエーション)も見ますが、より重要度が高いのは、テクニカル分析です。

不人気だが、収益基盤のしっかりした堅実経営の割安株に、長期投資!

 不人気なので株価の上値は重いが、いつの日か価値が見直されて株価が上がる日が来ることを予想しつつ、じっくり長期投資。配当利回りが高い(3%前後)ものを選べば、長期でじっくり持ちやすくなります。

 欧米に「タダのランチは存在しない」という格言があります。日本語の表現で言えば、「うまい話には裏がある」に近い意味です。投資の世界では、「簡単にもうかりそうな投資の裏には、隠れたリスクがある」という意味で使われます。

 人気の成長株は、往々にして、高リスク高リターン投資です。買ってすぐ儲かりそうなものほど、注意が必要です。短期間で大きく上昇することもありますが、失敗すると大きく下がることもあります。

 株価を1日中見ていることができるプロ(機関投資家)トレーダーや、デイトレーダーは有利。日中、別の仕事を持ちながら、そういうプロを相手にトレードするのは、圧倒的に不利です。値動きの激しい株は、リスクを負える一定の範囲に限定して投資するのはいいですが、将来にわたってじっくり資産形成をするための投資対象には、向きません。

 初心者が日本株への投資をスタートするなら、日経平均に連動するインデックス・ファンドから始めたら良いと思います。投資信託は、1万円くらいの少額から投資できるものが多いので、少しずつ時間をかけて積み立てしていくのにふさわしいといえます。

 ただし、インデックス投資だけではなく、個別株式に投資してみたい方には、まずは10万円以下で買える銘柄への、小口投資から始めたら良いと思います。

 

今、初心者向け割安株として、3メガ銀行が良いと考える

 私は、3メガ銀行株に「強気」の投資判断を継続しています。3メガ銀行は、いずれも、配当利回りが高めで、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの株価指標から見て割安なので、長期投資して、資産形成に寄与すると予想しています。

3メガ銀行株の株価バリュエーション

コード・銘柄名 株価 配当利回り PER PBR 最少投資金額
8306
三菱UFJ FG
728.4円 2.5% 10.1倍 0.63倍 72,840円
8316
三井住友 FG
4,326円 3.7% 9.6倍 0.61倍 432,600円
8411
みずほFG
197.9円 3.8% 9.1倍 0.58倍 19,790円
注:配当利回りは、1株当たり年間配当金(中間配当金+本決算配当金:会社予想ベース) を、10月11日の株価で割って算出。PERは、株価を、2018年3月期の1株当たり利益(会社予想ベース、三菱UFJは会社目標)で割って算出。最小投資金額は、10月11日の終値で、最少投資単位(100株)を買うのに必要な金額。
出所:楽天証券経済研究所が作成

 最少投資金額が10万円以下の三菱UFJとみずほは、時間分散しながら少しずつ買い増しする方法も可能です。三井住友FGは、最低投資金額が40万円を超えるのは残念ですが、ある程度、まとまった投資資金がある方には、三井住友FGも投資対象として良いと思います。

 

3メガ銀行株は「金利連動株」、最近はドル長期金利に連動

 銀行株は、いずれも金利連動株です。金利が下がると、預貸金の利ざやが縮小するイメージから、株が売られます。金利が上がると、利ざや拡大のイメージで買われます。近年は、ドル長期金利との連動性が高まっています。

 最近、世界的に長期金利が底打ちする機運があるので、銀行株の投資タイミングとして悪くはないと思います。

米英独日の長期金利(10年国債利回り)推移:2016年1月4日~2017年10月10日

出所:楽天証券経済研究所が作成

 

銀行株への投資は、3メガ銀行に絞るべきと考える理由

 円の長期金利がゼロまで低下したことによって、今後、国内商業銀行業務は、収益低下が続く見込みです。国内商業銀行業務にほぼ特化している地方銀行株は、配当利回りなどの株価指標で見て割安に見えても、投資は避けたほうがいいと考えています。

3メガ銀行については、海外で収益を拡大していること、ユニバーサル銀行(証券・信託などの併営)で業務の多角化ができていることから、日本の長期金利がゼロまで低下しても、以下のように高収益をあげることができていることを、評価しています。

3メガ銀行の連結純利益

注:2018年3月期予想は会社予想、三菱UFJのみ会社目標
出所:各社データから、楽天証券経済研究所が作成

 3メガ銀行以外でも、堅実経営で、安定好配当利回りなのに、人気のない銘柄はいろいろあります。JT(日本たばこ産業:2914)(予想配当利回り3.8%)、NTT(日本電信電話:9432)(同2.9%)、KDDI(9433)(同3.0%)、東京海上HD(8766)(同3.6%)などに注目しています。

(窪田 真之)

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