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「ずっと買えない症候群」は、できるだけ安く買いたい気持ちが原因かも

トウシル / 2017年10月12日 16時0分

「ずっと買えない症候群」は、できるだけ安く買いたい気持ちが原因かも

「ずっと買えない症候群」は、できるだけ安く買いたい気持ちが原因かも

 アベノミクス相場がスタートしてから間もなく5年。その間、株価が大きく上昇した銘柄も数多くあります。

 でも多くの個人投資家は、こうした銘柄を活用して資産を大きく増やすことができていないようです。

 今回は、その理由と対処法についてお話ししたいと思います。

 

「できるだけ安く買う」にしばられすぎ?

 多くの個人投資家の方と話しをしていて、とにかく「安くなったら買おう」という思考が強いと感じます。

 たとえば底値が1,000円だったものが2年間かけて3,000円まで上昇してきた株があったとします。

 これを、「2,000円まで下がったら買おう」と思うのです。ちなみに「2,000円」という株価には、特に明確な根拠がないことがほとんど。なんとなく、そのあたりまで下がれば買おうかなあ、という感じです。

 でも実際は、2,000円まで下がることなく、そこから5,000円、1万円とどんどん上昇することが多いです。その結果、せっかく良い銘柄を見つけたとしても、買うことができず指をくわえて眺めているだけになってしまいます。

 このような思考の根本原因は、株価が下がったら買うという「逆張り」の思考が強い点にあります。

 株価が下がったら買うが、下がらなかったら買わないという固定観念にとらわれてしまい、株価が値上がりを続ける株を、値上がりの途中で買うことができないのです。

 

なぜファンドマネージャーは株価が5倍に値上がりした銘柄を買えるのか

 では、プロの投資家はどうでしょう。投資信託を運用しているファンドマネージャーの投資の傾向を見てみると、個人との大きな違いが見えてきます。

 投資信託の多くは、運用報告書をホームページ上に公開していて、そこには「組み入れ比率上位10銘柄」が掲載されています。

 いろいろな投資信託の運用報告書をみると、ファンドマネージャーが、どのような銘柄に投資しているか、その傾向がわかります。

 すると、投資信託では株価が何年もの間右肩上がりに上昇している銘柄を数多く組み入れているところが多いとわかります。

 なぜファンドマネージャーはそのような、底値から株価が大きく上昇している銘柄を買っているのだと思いますか?株価が何倍にもなっているから、危険ではないのでしょうか?
 答えは、彼らはまだまだ「割安」と判断しているからです。

 

株価が大きく上昇したのは「割高」になったからではない!

 長期間株価が右肩上がりで上昇している銘柄は、底値から数年間で株価が3倍、5倍に上昇する間、業績も大きく伸びています。

 もし、業績が変わらないのに株価だけが3倍、5倍になれば、それはさすがに割高と判断することになるでしょう。

 でも、株価が大きく上昇する一方、業績も大きく伸びている銘柄であれば、株価が右肩上がりに上昇を続けるのは自然な流れです。

 ファンドマネージャーの多くは、株価チャートを真剣に見て銘柄を選ぶことはしていません。

 この会社は将来伸びそうだな、と思った会社を見つけ、分析。そして将来の見通しを踏まえれば今つけている株価は割安だ、と思えればその株を買っていくのです。

 ここで注目したいのは、ファンドマネージャーが投資する銘柄を決めるプロセスにおいて、過去、底値からどれだけ株価が上昇したかという観点は一切含まれていないということ。

 つまり、ファンドマネージャーにとって、過去その株がどのような値動きをしたかはあまり関係ないのです。重要なのは、将来その会社が有するであろう価値よりも現在の株価が低ければ投資対象とする、という考え方なのです。

 私たち個人投資家も、こうしたファンドマネージャーと同じような考え方をもって銘柄選びをしていかないと、株価が大きく上昇する銘柄にいつまでたっても投資できなくなってしまいます。

売買のタイミングさえしっかり決めておけば怖くない

 では、私たち個人投資家が、底値から何倍にも株価が上昇している好業績の銘柄に投資するために気をつけておきたい点は何でしょうか?

 筆者は、売買のタイミングに最も気を付けています。業績が絶好調の銘柄とはいえ、業績の伸びが鈍化すれば株価が大きく下がってしまうこともあるからです。

 具体的には、以下の点に注意して売買をしています。

・上昇トレンドのときに買う(下降トレンドの場合は株価がさらに下がる可能性が高いから)
・移動平均線からのかい離が大きい場合は買わない(損切りとなった場合の損失が
  大きくなるから)
・移動平均線を割り込んだら売却もしくは損切りをする

 筆者が注意しているのはこれだけです。特に、売りのルールをしっかりと決めて守っておけば、株価が大きく上昇した銘柄であっても恐れることはありません。

 もし決算発表による株価の大きな下落を回避したいのであれば、決算発表の前にいったん売却し、決算発表後に株価が落ち着いてから買い直すという戦略もあります。

 ただ、この戦略を取った場合、決算発表により株価が下ではなく上に大きく反応したときは買い直しが困難になるという点には注意しておいてください。

 今は、業績が良い銘柄が素直に上昇し、それ以外の銘柄は上昇しにくい相場です。底値から大きく上昇した銘柄であっても、プロも買っていると知れば、そして売却のルールを決めておけば、怖がる必要もないと思います。

 ぜひ「ずっと買えない症候群」から抜け出したい方は、ぜひ「下がったら買おう」というマインドブロックを外してくださいね。

 

(足立 武志)

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