【信用取引の基礎】コストはどれくらい?信用取引のルール:1分でわかる信用取引5
トウシル / 2020年12月5日 5時0分
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【信用取引の基礎】コストはどれくらい?信用取引のルール:1分でわかる信用取引5
今回は信用取引と現物取引との違いから信用取引のルールについて見ていきたいと思います。
主なポイントは以下の3点に整理されますが、実際に信用取引を始める際に、現物株取引とどこが異なるのかを把握することはとても重要です。
費用(コスト)について
まずは取引にかかる費用(コスト)についてです。現物取引では、売買注文が成立(約定)するごとに売買手数料(委託手数料)が発生しますが、これは信用取引でも同様に発生します。
ただし、信用取引ではこの売買手数料に加え、状況に応じてさまざまな費用が発生します。例えば、信用取引の買い建ては、買付代金を借りることになりますので、借りた金額に対して金利が発生します。
この他に売り建ての際に発生する貸株料や、月を跨いで建玉を保有した時に発生する信用管理費、配当などの権利を跨いで建玉を保有したときに発生する名義書換料、株不足の際に発生する可能性がある逆日歩など様々ありますが、詳しくは別の機会で説明します。とりあえず、ここでは売買手数料以外にもコストが発生することを押さえてください。
取引できる銘柄
現物株取引では、原則としてほぼ全ての銘柄を売買することができますが、信用取引では「取引できる銘柄」というものが指定されています。これまで信用取引と一言で説明してきましたが、厳密に言うと、日本国内には証券取引所が取引ルールを定めている「制度信用取引」と、各証券会社がルールを定めている「一般信用取引」の2種類が存在しています。最近はネット証券の普及によって一般信用取引の利用も増えてきてはいますが、ポピュラーなのは制度信用取引の方です。
その制度信用取引では、取引所が「これなら信用取引をしてもいいよ」という基準や条件を設けています。そして、こうした条件をクリアした銘柄が信用取引のできる対象になります。信用取引が可能な銘柄を「信用銘柄」、さらに、その中で売り建てもできる銘柄を「貸借銘柄」と呼んでいます。
つまり、信用銘柄は買い建てオンリーの銘柄、貸借銘柄は買い建て・売り建ての両方ができる銘柄というわけです。「売り建てしたいのに、貸借銘柄じゃないから出来ない」ということはよくあります。信用取引ができる銘柄は、証券会社の情報画面等で、「信用」もしくは「貸借」という表示がありますので、是非チェックしてみてください。
ちなみに、一般信用取引でも各証券会社が信用取引の可能な銘柄を設定しています。中には、制度信用取引で取引できない銘柄が一般信用取引では可能という銘柄もあったりします。ただし、一般信用取引は制度信用取引に比べて金利が高めになっていることが多いなど、コスト面について注意する必要があります。
取引の期限
現物株取引では、当たり前ですが、自分で保有している資金と株券で取引するため、「いつ買って、いつ売っても自分の勝手」です。売買の期間やタイミングに制限はありません。
ただし、先ほど紹介した制度信用取引では、取引の期限が設けられており、新しく信用取引で売買した(新規建てした)日から6カ月以内に反対売買をして資金や株式を返済しなくてはいけません。勝負は6カ月間に決着というわけです。こうした信用取引の期限のことを「期日(きじつ)」といいます。
もっとも、一般信用取引では、上場廃止や合併、株式分割などの例外を除き、原則として期限を設けていない証券会社が多いです。とはいえ、一般信用取引は先ほども触れたように、金利が高めですし、その金利自体も日々発生するため、返済までの期間が長くなるほど、それだけコストが増えることになります。
以上、ざっくりと信用取引と現物株取引との違いを見てきましたが、信用取引を有効に活用する上で、コストについてより深く理解しなければならないことや、現物株保有でもらえる配当や株主優待はどうなるのだろうかなどの疑問も新たに湧いたかと思います。次回以降も、ポイントごとに詳しく見ていきたいと思います。
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(土信田 雅之)
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