プロが描く2021年の日経平均イメージ、再来年まで視野に入れておこう!
トウシル / 2020年12月14日 6時57分
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プロが描く2021年の日経平均イメージ、再来年まで視野に入れておこう!
今日は2021年の日経平均株価がどうなるか、私のイメージをお伝えします。
日経平均は、景気循環を少し先取りして動く傾向がある
1年間の日経平均予測を作る時、私が最初に考えるのは、世界および日本の景気動向です。日経平均は、景気変動をおおむね半年~1年先取りして動く傾向があるからです。
まず、近年の景気循環と日経平均の動きをご覧ください。
景気循環と日経平均の動き:2007年1月~2020年12月11日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/2/7/-/img_27243dac5bad5037844c57dabead8326112610.jpg)
ご覧いただくと分かる通り、日経平均は、景気循環を少し先取りしながら動いています。以下、グラフ内にある3つの景気後退期と、景気停滞期を解説します。
【1】2008年2月~2009年3月:リーマンショック
日経平均は景気後退期に入る約1年前にピークアウトして下げ始めていました。景気後退が終わるとほぼ同時に日経平均は急反発を始めています。
【2】2012年3月~11月:民主党政権下での不況
2012年12月に安部元首相によるアベノミクスが始まってから景気回復、日経平均は急反発しました。
【3】2014年4~6月:消費増税による景気停滞
日経平均は景気停滞期に入る前の2013年12月に高値をつけ、下げ始めていました。景気停滞は3か月と短く、停滞期に入ってからは次の景気回復を織り込んで日経平均は反発しています。
【4】2015年10月~2016年3月:チャイナショック、資源安ショックによる世界経済の停滞
この時、中国・米国はじめ世界中の景気が悪化しました。景気後退すれすれまで悪化しましたが、景気後退期の定義は満たさなかったので、景気停滞期としています。日経平均は、景気停滞期に入る3カ月くらい前から下げ始めています。ただし、底打ち・反発の時期は、景気回復期に入った後でした。
【5】2018年10月~2020年6月:貿易戦争・コロナショック不況
米中貿易戦争の影響で、世界的に製造業の景況が悪化し、2018年10月から日本は景気後退期に入りました。日経平均はそれとほぼ同時に下落を始めました。2019年末には一時景気回復期待が高まり、日経平均は上昇していましたが、20年に入りコロナショックで4~6月は戦後最悪の景気落ち込みに見舞われました。ただし、7月以降、世界景気は回復に入っている模様です。
日経平均は、今年7月から始まり来年に続いていくと考えられる世界景気回復を織り込んで、4月から上昇し続けています。
来年の世界景気回復を先取りする株価、再来年の世界景気は減速か
日経平均が11月以降、急騰してきたのは、2021年の世界景気回復を織り込む動きと考えています。世界景気の大底は4~6月で、7月から回復が始まっているのはほぼ確実です。まだ、回復力は弱いが、来年になった新型コロナ・ワクチンが大量に供給されるようになると回復が加速すると予想しています。
来年の景気回復をけん引する要因として、以下4つを想定しています。
【1】ワクチンの大量供給により新型コロナ収束に向かう
【2】第4次産業革命が世界中で加速
【3】資源安メリットが出現
【4】コロナ対策として、世界各国が大型財政出動・金融緩和を継続
私は、来年になると新型コロナの予防ワクチンが大量に供給され、世界経済が正常化に向かい世界景気の回復が加速することを、メインシナリオとして想定しています。そのメインシナリオを織り込むのが、今の株価の動きと考えています。
巨額の財政出動と、大規模な量的金融緩和が続く中で、コロナが収束に向かえば、世界景気がやや過熱する可能性もあると考えています。米国では来年1月に始動するバイデン政権が、巨額の財政出動を行う見込みです。大規模の金融緩和はそのまま続けられる見込みです。そこに、ワクチン供給による経済正常化が重なれば、一時的に景気が過熱することも十分あり得ると思います。
来年後半、コロナ収束・大型財政出動・金融緩和が重なって、世界景気がやや過熱きみに回復する場合、再来年には、その反動が出ます。つまり、2021年、世界景気が急回復したのち、2022年は再び世界景気が減速する可能性があります。
来年後半の日経平均は、再来年の世界景気を織り込みます。それを前提に考えると、来年の日経平均は、年央高で、年末にかけて下げるイメージとなります。
再来年(2022年)の世界景気は再び減速か
来年の日経平均について、以下のようなイメージをもっています。年前半は、2021年の世界景気回復を織り込んで上昇、年末にかけて、2022年の世界景気減速を織り込むイメージです。
来年の日経平均:筆者のイメージ
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/e/-/img_bef4a089f6bd669ab4a628fc2b330b4270091.jpg)
来年の日経平均の高値安値を入れた最終的な予想は、年末に出します。それまでに、ワクチン開発がどの程度進展するか、米中対立はどう変化するかを見て、来年の企業業績の予想を作成し、それから来年の日経平均高値安値の予想を決めます。
(窪田 真之)
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