中国保険セクター
トウシル / 2020年12月24日 4時0分
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中国保険セクター
11月はやや低調、生保部門は年明けのスタートダッシュが焦点に
中国本土の保険銘柄の11月の業務統計は全般にやや低調だった。まず生保を見ると、中国人民保険(01339)を例外に、総収入保険料の伸びが軒並み減速。業界全体がすでに、21年の年明けの、いわゆる「開門紅」に照準を合わせていることをうかがわせた(本土保険会社にとっては例年1-3月が「開門紅」と呼ばれる最大の稼ぎ時となる)。一方、損保部門では、新たに実施された自動車保険改革が痛手。中国人民財産保険(02328)や中国平安保険(02318)傘下の平安財産保険、中国太平保険(00966)傘下の太平財産保険などの総収入保険料が11月も引き続き、前年同月比マイナスとなった。BOCIは保険セクター全体に対する強気見通しを継続し、個別では新華人寿保険(01336)と中国人寿保険(02628)を当面のトップピック銘柄としている。
生保部門では11月の総収入保険料が減速したが、これは各社がすでに、「開門紅」向け商品の予約販売に力を入れ始めたことが背景。個別では、新華人寿保険の総収入保険料が前年同月比37%減と大きく見劣りしたが、新たな経営戦略の始動と銀行窓口販売の強化を背景とした前年同月実績の高さが一因。半面、中国太平保険は16%増と同業銘柄をアウトパフォーム。中国人民保険の生保収入保険料も一時払い商品の力強い伸びを受け、14%増えた。ただ、同社は11月の初年度定期保険料が26%減。また、中国平安保険も個人生保商品の初年度保険料収入の落ち込みが続き、11月は17%減だった。
医療保険部門は引き続き好調で、中でも中国平安健康保険と中国人民保険の総収入保険料がいずれも、11月に力強い伸びを見せた。BOCIは前年同月実績の高さを考慮し、既存契約の更新需要が旺盛だったとみている。中でも平安健康保険の総収入保険料は前年同月比90%増。初年度定期保険料の10%増や、短期型商品の伸びが寄与した。
一方、損保部門では、自動車保険の新たな改革が響き、11月の総収入保険料は低調。例えば、平安財産保険の自動車保険の収入保険料は前年同月比12%減少した。BOCIは改革の実施に先立つ駆け込み営業強化によるプラス効果が段階的に消失するのに伴い、各社の自動車保険料収入はこの先さらに落ち込むとみる。従って、損保においては当面、自動車以外の業務が各社の収入増のカギを握る。個別に11月の収入保険料を見ると、衆安在線財産保険(06060)が前年同月比24%増と同業銘柄をアウトパフォームしたが、これは11月前半の一大ネットセールイベント「双11」を控えた返品送料保険の伸びが寄与したため。ほかに中国太平洋保険(02601)の損保子会社の収入保険料が11月に11%増加したが、その他は軒並み前年割れだった。
BOCIは短期的に、市場の貯蓄商品需要にマッチした戦略を採り、新契約価値マージンの下落リスクが相対的に低い中国人寿保険と新華人寿保険を選好。半面、長期視点では、AIAグループ(01299)と中国平安保険を最有力視している。
(Bank of China int.)
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