ミレニアル世代が支える米住宅建設セクター、最大手は連続2桁増益更新へ
トウシル / 2021年1月19日 4時0分
![ミレニアル世代が支える米住宅建設セクター、最大手は連続2桁増益更新へ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_30418_0-small.png)
ミレニアル世代が支える米住宅建設セクター、最大手は連続2桁増益更新へ
今回は、割安感のある住宅建設関連銘柄を取り上げます。この業界のリスクは、金利が上昇すると逆風が吹くという点にありますが、2021年、2022年と、住宅ローンの金利は低水準で推移する見通しです。住宅ローンに影響を与える政策金利について、FRB(米連邦準備制度理事会)は2023年までゼロ金利を維持する見通しであるほか、FRBによる量的緩和についても、足元の新型コロナウイルスの感染拡大を考慮すると当面維持される可能性が高いです。
<米国の10年債利回りと住宅ローンの見通し>
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出所及び予想:NAHB(全米住宅建設業者協会)、予想は2021年1月5日時点
住宅ローンの金利というリスクがあるものの、新築住宅に対する需要は今後も根強いと考えられます。新築の住宅着工戸数は、米国の人口拡大やミレニアル世代の住宅購入を背景に着実に拡大しています。
ミレニアル世代はおよそ1980年代初めから1990年代に生まれた世代を指し、ベビーブーム世代を抑え全米で最も人口の多い世代です。キャリア形成時期に金融危機に直面、多額の教育ローンを抱える等厳しい時期を経験してきましたが、30代に入りローンの返済が進むなか、先の世代よりも遅れていた住宅購入に進んでいます。2019年には、彼らが初めて、全米の新築住宅の半分を占めました。今後は、ワークフロムホームが根付いたこともあり、都心のマンションではなく、郊外の住宅を購入する需要も想定されます。
なお、これらの需要に対し、供給面では新型コロナウイルスの影響で住宅建設が遅れる可能性があります。住宅の供給不足は住宅価格の高騰につながりますが、2022年には住宅の着工数が回復に向かう見通しです。
<米国の新築住宅着工戸数の見通し>
単位:千戸
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足元の状況については、毎月、業界関係者に回答を得る形式で景況感を計るNAHB/ウェルズファーゴ 住宅市場指数(HMI)が参考になりますが、その指数を構成する3要素(現在の戸建て住宅販売、6カ月後の戸建て住宅販売、見込み客の数)では、見込み客が顕著に回復しています。
<NAHB/ウェルズファーゴ 住宅市場指数(HMI)の3つの構成要素>
期間:2014年1月~2020年12月(2020年12月は速報値)
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こうした環境下で注目したい銘柄は、建設戸数で業界トップの規模を誇るD.R.ホートン(DHI)です。2020年9月期は6万5,388戸の住宅を、平均価格29万9,100ドル(1ドル104円換算で3,000万円強)で販売締結しました。若い世代でも手に届きやすい価格帯に強みがあり、以下の表のとおり業績は2桁成長を継続しています。不透明な環境だった2020年9月期も、市場予想を大きく上回る結果をだし、調整後EPSは7四半期連続でブルームバーグの市場予想を超えました。
<D.R.ホートンの業績推移>
単位:百万ドル
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課題は需要に見合う住宅在庫量の確保ですが、同社の場合、2020年9月期末時点では積み増せているようにみえます。
今後、ブルームバーグの市場予想では、2021年9月期の純利益が24%増、2022年9月期が11%増に拡大する見込みです。2021年9月期の予想PERは8.65倍(1月13日時点)であり、過去3期の単純平均である13.38倍を下回っています。
(松村 梨加)
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