1月のドル/円は円高?それとも円安? 個人投資家の過半数は「円高」期待
トウシル / 2021年1月18日 9時28分
1月のドル/円は円高?それとも円安? 個人投資家の過半数は「円高」期待
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは104.25円
↓下値メドは103.40円
「悪いニュースは良いニュース」から「悪いニュースは悪いニュース」へ
15日(金曜)のドル/円は動意薄く、103円台後半で小動き。103.79円でオープンして高値は103.91円、安値は103.62円。終値は103.87円。2021年のドル/円は、最初の週に102.59円まで下げた後104.40円まで反発しています。しかし、101円台にも105円台にも進むことができず、今はその中間で次の材料を待つ状況。
ユーロ/円は上値が重い。先週の高値は126.86円で127円に乗せることができないまま、金曜日には125.40円まで下落しました。終値は125.45円。
豪ドル/円も下落。先週の高値は80.85円。今年8日につけた2018年12月以来の高値である80.93円に迫るが超えられず、金曜日には79.73円まで1円超下げ。
先週はバイデン次期大統領が1.9兆ドルの新規景気刺激策を発表したことが話題でしたが、マーケットの反応は限定的。米議会で揉まれて1.9兆ドルからどれだけ「コンパクト」になるのかに、早くも関心が移っています。バイデン案のうち、州政府に対する援助、最低賃金の値上げは現実的には難しいといわれています。さらに上院でトランプ大統領の弾劾裁判が始まるなかで、速やかに予算が通るかという現実的な問題もあります。第2四半期の米国経済は、バイデン景気刺激策によって力強く回復する期待が高まっています。今年後半は インフレとFRB(米連邦準備制度理事会)の緩和縮小がマーケットのテーマになりそうですが、まだ先の話です。
主要指標 終値
今日の注目通貨
ドル/円: 個人投資家の過半数が「1月は円高」
「1月のドル/円は、円安、円高のどちらへ動くと予想しますか?」
楽天証券が12月末に実施した相場アンケート調査の結果によると、個人投資家4,570人のうち半数を超える2,412人が、1月のドル/円は102円台の「ドル安/円高に動く」と予想しています。
105円台の「円安に動く」との予想は少なく、836人。残りの1,322人は「動かない」で102.50円から104.50円のレンジ継続を予想。そして現在のところ、ドル/円は上下ともにレンジ抜けに失敗して103円台にとどまっています。
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は103.92円。103.92円より上ならばドル買い優勢、103.92円より下ならばドル売り優勢。
106.11円 : 2020年 10月 高値 (10月07日)
105.68円 : 2020年 11月 高値
105.12円 : 第4レジスタンス(HBO)
104.79円 : 第3レジスタンス
104.75円 : 2020年12月 高値
104.45円 : 第2レジスタンス
104.40円 : 2021年01月 高値
104.35円 : 第1レジスタンス
103.92円 : ピボット
103.48円 : 第1サポート
103.38円 : 第2サポート
103.18円 : 2020年 11月 安値
103.04円 : 第3サポート
102.87円 : 2020年 12月 安値
102.71円 : 第4サポート(LBO)
102.59円 : 2021年 01月 安値
101.17円 : 2020年 安値(20年 03月09日)
今日の一言
説得力を持たせるには嘘のなかに最小限の真実を含めるべきである
金利高のなかでドル安
ドル安と金利高の同時進行。米金利が上昇するなかでのドル安は、一見すると矛盾しているようにも思えますが、必ずしもそうではありません。
新型コロナから経済を守るため、2020年の中央銀行はいっせいに利下げしました。以来、世界的低金利時代が続いているのですが、米国と欧州では、その緩和スタンスに微妙な違いが見えます。FOMC(米連邦市場委員会)はハト派的。2020年最後の会合においてFRBは、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は0.00%から0.25%に据え置き、強力な緩和政策を継続することを表明しています。
一方ECB(欧州中央銀行)は政策金利を0.00%に据え置きながらも、ECB内部にはこれ以上の緩和政策を嫌うタカ派も一定の勢力を持ち、FRBに比べると緩和政策に関して意見の不一致が見られる。この違いが、ユーロ高の理由のひとつになっています。
ワクチン展開が始まり、2021年のテーマはコロナ後の「世界的経済回復」へと移りました。米国の一極成長時代あるいは世界的低成長時代においては、ドルにマネーが集まる傾向がありますが、世界的同時成長の時代では、米国以外の地域の投資妙味が米国に比べて相対的に大きくなることで、ドルが売られやすくなります。
長期投資家は、ドル資産運用によるアウトパフォーマンスを何年間も積み上げてきましたが、ドル一辺倒のエクスポージャーを減らし分散投資を模索し始めています。ドルを今後も保有したいという強い理由が表れない限り、この傾向は続くことになるでしょう。
経済回復の期待が徐々に強まり、世界経済が「リフレ(デフレ以上インフレ未満の状態)」になる時期が、そこまでやってきました。株式と金利が連動して上昇するケースではドル安傾向が強まります。
(荒地 潤)
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