ドル、全面安! 今年の金融キーワードは「緩和縮小」
トウシル / 2021年1月22日 10時17分
ドル、全面安! 今年の金融キーワードは「緩和縮小」
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは103.95円
↓下値メドは103.00円
在宅勤務の人の多くは、お金を使わず貯蓄に回す
21日(木曜)のマーケットはドル全面安。ドル/円は103.54円でオープンして、高値は103.67円まで、NY時間に103.33円まで下落しました。この日の米経済指標が強くてやや戻し、終値は103.49円。
ユーロ/ドルはユーロ高(ドル安)。ECB(欧州中央銀行)はこの日行われた2021年最初の会合で、緩和政策の維持を決定。ユーロ/ドルは1.2101ドルを安値に1.2173ドルまで上昇。
中央銀行に関する今年の注目ワードは緩和「縮小」。緩和「拡大」はもはや流行遅れです。BoC(カナダ中央銀行)総裁は「政策は十分に刺激的であり、カナダ経済はこれ以上の緩和を必要としない」と述べています。したがって、今回のECB会合も「緩和縮小」が注目点だったのですが、ドイツがロックダウンを延長するなど欧州経済が厳しい状況で今はその時機ではない。ということで、マーケットの関心もそれほど高くなかったようです。
カナダは、BoC総裁の発言と最近の原油高を追い風に対ドルで2018年以来の高値。ポンドも対ドルで1.3746ドルまで上昇して2018年以来の高値を更新中。なお、トルコ中銀は政策金利を17.0%に据え置く一方で、必要に応じて金融引き締めを行うと述べています。これを受けトルコリラも上昇。この日のマーケットはドル全面安となりました。
主要指標 終値
トルコリラ/円 1時間足チャート
今日の注目通貨
ユーロ/ドル:2021年のレンジ予想:1.0170ドルから1.3519ドル
ユーロ/ドルのピボット(ブルベア判断の分かれ目)は1.1845ドル。1.1845ドルより上ならばユーロ買い優勢、1.1845ドルより下ならばユーロ売り優勢。
1.4159ドル : 第4レジスタンス(HBO)
1.3519ドル : 第3レジスタンス
1.2880ドル : 第2レジスタンス
1.2682ドル : 第1レジスタンス
1.2555ドル : 2018年 高値
1.2310ドル : 2020年 高値
1.2092ドル : 2017年 高値
1.1845ドル : ピボット
1.1216ドル : 2018年 安値
1.1008ドル : 第1サポート
1.0879ドル : 2019年 安値
1.0810ドル : 第2サポート
1.0635ドル : 2020年 安値
1.0170ドル : 第3サポート
0.9531ドル : 第4サポート(LBO)
今日の一言
能力の低い人ほど自分を過大評価する。権力を得た人ほど共感能力が低くなる。
景気回復、インフレ復活
先週発表された米国の12月小売売上高は、前月比予想0.0%に対して▲0.7%と悪かった。(11月▲1.1%)
大統領選挙後の不透明感が続き、米政府の景気刺激策の方針が決まらず企業は採用や雇用維持に後ろ向き。これは12月雇用統計の非農業部門雇用者数が▲14万人という数字にもはっきり表れています。将来の不安が増すなかで家計消費が委縮、ネットショッピングまで売上高が落ち込みました。
ただし、このデータは、バイデン大統領が国民1人あたり約14万5,000円の直接給付を含む200兆円規模の景気刺激策を発表する前のデータ。消費者のセンチメントも、当時比べて大きく上向いたと考えられるので、あまり心配することはないでしょう。
エコノミストの多くは、 米国の経済指標は、今後数カ月は悪化する可能性が高いが、4月以降のデータは目覚ましく改善するとみています。そして同時にインフレ率も急上昇。
インフレは上がっても一時的という意見も多いのですが、その時になってみないとわからない。目の前で物価がどんどん上がっていくときに、果たして平静でいられるでしょうか?
2021年になって、主要な中央銀行が成長見通しを発表しています。パウエル議長は先週行ったスピーチにおいて「経済が回復すると考えられる多くの理由が存在する」、「米経済はコロナ前のピーク時まで予想以上に早く戻るだろう」として、米経済の先行きに(慎重ながらも)自信を示しました。世界のコロナ感染者の1/4が米国に集中しているというのに、このような明るい見通しを示すことが素晴らしいです。
日本政府がコロナ感染防止でいろいろな自粛を求めるのは仕方ないとしても、コロナ後の明るい希望は誰も語ってくれない。これからもずっと下を向いて歩いていくしかないみたいな辛気臭いトーンばかりだから、自粛疲れはなおひどくなるし、日本経済はいつまでたってもやる気がでないのでは?
日銀はこの日、政策決定会合を開き、日本経済の見通しについて「成長率見通しはいくぶん上振れ」するが「下振れリスクの方が大きい」との見解を示しています。つまり…どっちですか?
(荒地 潤)
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