決算発表で注意!好業績なのに下がる株、買いチャンスか?
トウシル / 2021年1月28日 9時11分
決算発表で注意!好業績なのに下がる株、買いチャンスか?
3月決算企業の決算発表シーズンが本格化
早くも2021年の1カ月が過ぎようとしています。
1月下旬のこれから2月中旬は、3カ月おきの恒例行事、3月決算企業の決算発表シーズンに突入します。
決算発表は株式投資の大きなイベントの一つです。なぜなら、決算発表をきっかけとして株価が大きく動いたり、株価のトレンドが変化することが多いからです。
保有している株が順調に上昇トレンドを描いていたのに、決算発表後に急落して泣く泣く売る羽目になる…ということは、決算発表シーズンが訪れるたびに、筆者も経験します。もちろん、決算発表により株価が大きく上昇することも多々ありますが、突然の株価変動というのはあまり心臓によくありません。このため、決算発表シーズンが過ぎるといつもほっとしています。
第3四半期決算特有の注意点とは?
3月決算企業を例に取ると、7月下旬~8月中旬に発表される第1四半期決算や、10月下旬~11月中旬に発表される第2四半期決算は、前期の本決算で会社側から発表された業績予想のとおりに実際の業績が推移しているかを確認する、という意味合いが強い時期です。
しかし、第3四半期決算が発表されるのは1月下旬~2月中旬。3月決算企業ではあと2カ月ほどで期末日を迎え、4月以降は新しい期となります。
そのため、当期の業績が予想に対してどのように推移しているかを確認するのはもちろんですが、加えて、来期の業績がどうなるかに投資家の関心が集まります。
その結果、発表される第3四半期決算の数値が見た目にはよいものだとしても、それが株価にストレートに反映されない、という事象がよく起こります。
プロ投資家の視線はどこを向いているのか?
第3四半期決算発表時に会社側から示される業績予想は、今期の通期のものだけです。現在であれば、2021年3月期の通期(1年間)の業績予想が、第3四半期決算短信に記載されています。
一方、特にプロ投資家の方たちは、第3四半期決算(10-12月期)の数値や2021年3月期通期の業績予想、そしてその他、会社側から開示される情報に、プロ投資家独自の分析・情報を加味して、「2022年3月期はどんな業績になりそうか」を予測します。すると、第3四半期決算で発表された業績は一見よいように見えるにもかかわらず、株価が下落することが少なくないのです。
つまり、プロ投資家が「2021年3月期は確かに順調のようだが、2022年3月期は期待したほどではなさそうだ」と思えば、その会社の株の買いを見送ったり、保有している株を売ったりしてくる可能性があるということです。
重要!決算発表がよいのに株価が下落した場合の対処法
例えばこのようなケースを想定してみてください。
2021年3月期は新型コロナウイルスが会社にとってはプラスに働き、2020年3月期に比べて業績が大きく伸びる予想で、実際に今のところも順調な業績です。
第3四半期決算の数値や通期業績予想などから予測すると、この状況は2022年3月期も続きそうで、売り上げや利益は2021年3月期とほぼ同じくらいの水準になりそうです。
では、この会社の株価が、第3四半期決算発表をきっかけに急落したとしたら、どう対応しますか? 筆者なら、決算発表での業績がどんなによくても、株価が急落して下降トレンドになったならば、手を出しません。
このときにやってはいけないのが、「第3四半期決算もよく、通期の業績もよいのだから、株価が大きく下がったところは割安。買っていこう」という考え方です。
「株価の大きな値下がり=割安」の考えは今すぐ改めよう
株価が大きく値下がりするのを待って株を買おうという個人投資家の方は多いですが、株価が実際に大きく下がったら、「なんで大きく下がったのか?」をまず考えるようにしてください。
もし、プロ投資家が決算発表の数値から今後の業績の成長はそれほど見込めないと判断して、持ち株を売ったために株価が下落したのであれば、果たしてそれを「割安になった」といえるのでしょうか?
決算発表前にマーケットでついていた株価が、2021年3月期は好調なのはもちろんのこと、2022年3月期はさらに売り上げや利益が伸びそうだ、という期待が込められているものだったのかもしれません。とすれば、今後の業績に対する期待度が低下したため、下がるべくして下がったのであり、決して株価が割安になったわけではない、と考えるべきなのです。
もちろん、決算発表の結果に、マーケットが過剰に反応することもあります。その場合は、下落した後、株価が再び上昇に転じますから、それを確認できてから買えばよいのです。
対応次第で利益にも損失拡大にもつながる決算発表シーズン。もし、決算発表で株価が大きく下がった株があっても、「安く買える!」と喜んで飛びつかないようにしましょう。
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