ダウ平均大幅下落、 リスクオフでドル/円は104円台へ!FRBが伝えたかったメッセージとは?
トウシル / 2021年1月28日 9時45分
ダウ平均大幅下落、 リスクオフでドル/円は104円台へ!FRBが伝えたかったメッセージとは?
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは104.85円
↓下値メドは103.10円
FRBは米経済に弱気
27日(水曜日)のNY市場でダウ平均株価は大幅下落。終値は前日比633ドル安。下げ幅は一時730ドルを超えました。ドル/円は「リスクオフのドル買い」の名のもとで1週間ぶりの104円台に上昇。
この日のドル/円は円安。オープンした103.58円がこの日の安値で、海外時間に104円台にのせ、FOMC(米連邦市場委員会)後のNY市場夕方には104.20円まで上伸、高値をつけました。終値は104.10円。104円台は1月11日以来。
一方ユーロは、ECB(欧州中央銀行)からユーロ高けん制発言が出て下落。ユーロ/ドルは1.2170ドルを高値に、今月の安値水準である1.2058ドルまで大きく下げました。ただ、ユーロ/円はドル/円の円安と相殺されたため安値は125.60円までと限定的。
FOMCは、この日まで行われた1月の定例会合において、政策金利の据え置きを決定。新しいガイダンスの発表はありませんでした。
その後パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見が開かれましたが、中立的なコメントを予想していたマーケットは少し驚きました。ワクチン展開やバイデン景気刺激策に過度に期待しない、足許の経済データ不振(小売売上高、新規失業保険申請など)に対して失望を示すこともないが、どちらかといえば「強気」だろう、というのが見方でした。ところがパウエル議長は「弱気」。パウエル議長はワクチン展開が米経済復活のカギを握るという期待を示す一方で、「経済成長と雇用回復に陰りがみられる」と懸念を示しました。
緩和縮小については「時期尚早」。しかし、パウエル議長が緩和縮小について今語ってしまうと、未然の引き締めになってしまうので、絶対にしないことは予想されていました。その一方で、超緩和状態を長く放置すればするほど、その日が来た時の金融市場の混乱は大きくなります。
主要指標 終値
ドル/円 1時間足チャート
今日の一言
人間にとって、最大の幸福とは何か。それは、新しい発展に参加することだ - ガガーリン(ソビエトの宇宙飛行士)
※2月1日(月)の為替Walkerは、休載です。
パウエルFRB議長からメッセージ
今回のFOMC声明の唯一の変更点は、成長と雇用の回復に陰りが出ていることを認めたことです。記者会見のパウエル議長は、目標に向けた実質的な進展が達成されるまでには時間がかかるだろうと述べました。そして景気が悪化するならば「FRBは緩和政策を追加する」。インフレについては、ベース効果(前年の数字が変化したことの影響が上昇率の数字に影響してしまうこと)を排除して、構造的な低インフレを監視すると述べています。
今回のFOMCでは、緩和縮小については、時期尚早ということで議論や検討はされませんでした。パウエル議長は「実際の進展を見る必要がある」という姿勢。仮にFRBが緩和縮小を実施する場合は、事前にマーケットに周知徹底するので、サプライズはないと話しています。
バイデン政権の景気刺激策で、FRBの緩和縮小まで先取りするまで過熱気味になっているマーケットをなだめること、それがパウエルFRB議長の記者会見の最大の目的だったかもしれません。
今日の注目通貨
NZドル/円:2021年 予想レンジ:55.49円から85.75円
2021年のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、70.62円。70.62円より上ならば豪ドル買い優勢、70.62円より下ならば豪ドル売り優勢。
93.74円 : 2015年 高値
91.53円 : 第4レジスタンス(HBO)
85.75円 : 第3レジスタンス
83.91円 : 2017年 高値
81.55円 : 2018年 高値
79.97円 : 第2レジスタンス
78.19円 : 第1レジスタンス
76.76円 : 2019年 高値
74.61円 : 2020年 高値
70.62円 : ピボット
68.42円 : 2016年 安値
66.18円 : 2019年 安値
67.05円 : 2020年 平均値
63.06円 : 第1サポート
61.27円 : 第2サポート
59.48円 : 2020年 安値
55.49円 : 第3サポート
49.71円 : 第4サポート(LBO)
※2月1日(月)の為替Walkerは、休載です。
(荒地 潤)
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