高配当利回り株の選び方・買い方

トウシル / 2021年2月2日 7時40分

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高配当利回り株の選び方・買い方

株式投資で利回りを稼ぐ

 株式投資というと、「値上がり益ねらい」と思い込んでいる人が多いですが、少し発想を転換していただきたいと思います。今の日本株には、値上がりはあまり期待できないが、安定的に高い配当利回りが期待できる銘柄が増えているからです。

東証一部の平均配当利回りと長期金利(10年国債利回り)推移:1993年5月~2021年2月(1日)

注:楽天証券経済研究所が作成

 昔の日本株は、確かに、配当ではなく、値上がりを狙って買うものでした。1993年ころ、東証一部の平均配当利回りは1%もありませんでした。当時、長期金利(新発10年国債利回り)が5%近くあったことを考えると、株の利回りは低すぎて、話になりませんでした。

 ところが、その後、長期金利が下がり続ける中で、日本株の利回りは上昇し続けました。【1】株価が下落したことと、【2】日本企業が株主への利益配分を増やすようになったことが、利回り上昇の要因です。

 ところで、皆様は、1993年ころ日本の長期金利が5%もあったことを覚えているでしょうか。そこで10年新発国債を買えば、10年間で税引き前50%の確定利回りが得られました。すばらしいリターンです。それでも、当時、5%の利回りに魅力を感じた投資家はあまりいませんでした。なぜでしょう?

 今では信じられないことかもしれませんが、当時は、まだインフレ期待が高く、5%程度の利回りでは、十分にインフレをカバーすることができないと考えられていました。インフレに弱い債券投資より、インフレに強い、不動産投資や株投資に魅力を感じる人が多かったのです。後から振り返ると、そこは、日本がデフレ社会に突入する入り口でした。値上がり益をねらって動くものを追いかけるより、じっくり長期国債で利回りをねらった投資をすべきでした。

 それでは、これからの10年はどうでしょう。長期国債の利回りがあまりにも低くなってしまったため、国債の投資魅力は無くなりました。

 そこで、注目されるのが、日本株の予想配当利回りの高さです。配当利回りから日本株を見直していい時代に入ってきました。東証一部の平均配当利回りは約2%ですが、個別銘柄で見ると、日本を代表する大型株で配当利回り4%を超える銘柄が多数あります。大型高配当利回り株から投資していったら良いと思います。

 利回りの高いものに投資というと、まず、外貨建て債券への投資を思い浮かべる人が多いと思います。海外の金利は日本よりも高く、魅力的です。ただ、円高になると投資元本が目減りするので注意が必要です。為替リスクを負わずに投資できる日本株の高配当利回りものの魅力はより高いと思います。

 ただし、1つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配になれば、利回りが低下します。株価が大きく下がる可能性もあります。銘柄選択にあたっては、単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。

 全ての上場銘柄から予想配当利回りが高い銘柄を抽出すると、上位には、予想配当利回り7%以上の銘柄もあります。一見魅力的ですが、ここは注意が必要です。予想配当利回りが高すぎる銘柄には、減配リスクの高いものが多いからです。減配リスクが低い高配当の有望銘柄は、予想配当利回りで4~6%の辺りに多数あると思います。

 それでは、減配リスクの低い銘柄を選ぶための、4条件を具体的に見てみましょう。

減配になりにくい高配当利回り株を選ぶための4条件

【1】規 模:売上高や時価総額が大きい。
【2】業 種:不況に強い業種に属する。
【3】財 務:借金が少ない。
【4】収益力:経常利益率が高い。

 4条件すべてを満たす必要はありません。上の条件のうち最上位の条件【1】だけ満たす銘柄でも、投資の候補銘柄としては十分です。

 「不況の影響をうけにくい業種から選ぶ」が、条件【2】です。情報通信・医薬品・食品などです。ただし、条件【2】については、今はあまり考えないでもいいかと思います。今はコロナ・ショックで、景気敏感株が売り込まれた後だからです。私はこれから景気回復が徐々に鮮明になっていくと予想していますので、今は景気敏感株の高配当利回り株もおもしろいと思っています。景気敏感株の大型高配当利回り株としては、以下のような銘柄に注目しています。

  1. 三菱UFJ FG(8306)(予想配当利回り5.3%、1株当たり年間配当金25円を2月1日株価475.3円で割って計算)
  2. 東京海上HD(8766)(予想配当利回り4.6%:1株当たり配当金235円、2月1日株価5,147円)
  3. 三菱商事(8058)(予想配当利回り5.1%:1株当たり配当金134円、2月1日株価2,652.5円)
  4. 三井物産(8031)(予想配当利回り4.1%:1株当たり配当金80円、2月1日株価1,931円)
  5. ENEOS HD(5020)(予想配当利回り5.2%:1株当たり配当金22円、2月1日株価421.4円)

 高配当利回り銘柄への投資では、特定銘柄に集中投資すべきではありません。どんな銘柄にも、固有のリスクがあり、減配リスクが低く見えても、減配になって株価が下がることはあり得ます。1銘柄に集中投資するのは避けた方が良く、また同じ業種の銘柄ばかり買うのも望ましくありません。減配になりにくい性質を持った銘柄で、なるべくたくさんの銘柄・業種に分散投資すべきです。

 景気変動の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)にも、投資した方が良いと思います。以下のような銘柄です。

  1. NTT(9432)(予想配当利回り3.8%:1株当たり配当金100円、2月1日株価2,636円)
  2. 武田薬品工業(4502)(予想配当利回り4.8%:1株当たり配当金180円、2月1日株価3,723円)
  3. 日本たばこ産業(2914)(予想配当利回り7.4%:1株当たり配当金154円、2月1日株価2,088円)

 予想配当利回り3.5~6%の大型株に分散投資し、5年・10年と保有し続けることが、派手さはなくとも、着実に資産を増やしていく近道だと考えています。

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