日経平均3万円突破は仕上げ局面?指標に表れる「2月の節分天井、3月の彼岸底」に警戒

トウシル / 2021年2月22日 19時5分

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日経平均3万円突破は仕上げ局面?指標に表れる「2月の節分天井、3月の彼岸底」に警戒

今週の予想

今週は米株堅調ならば、3万円水準でのもみ合いも

 先週は、1週間のうちの2日間で1,000円近い急騰、急落となって、残る3営業日で3万円水準での動きとなりました。

 日経平均株価の指数は、値がさ株中心の動きで、個人投資家の好む中小型株で好業績であっても、ほとんど変わらない動きでした。

 一方、日本株式をサポートする米国市場は、先週に引き続き、下院議会が26日に1.9兆ドルの追加経済対策の成立を目指しており、計画通りに進めば米国株式の上昇要因になり、加えてワクチンの接種加速で経済活動再開の期待も高まることになります。この一方で、FOMC(米連邦公開市場委員会)やイエレン財務長官は資産バブルへの注意を喚起しており、高値圏での上値の重い展開となりそうです。

 今週の日経平均は、米株の状況や、国内の新型コロナウイルス感染者数の減少とその結果から緊急事態宣言が期限(3月7日)前に解除されれば、日経平均のサポート要因になります。

 そういう流れの中で「もうはまだなり」の強気の相場感が支配しており、チャートを見る立場からは要注意です。本当の強気相場であれば、日経平均が3万0,714円で30年6カ月ぶりの高値をつけた先週2月16日(火)の値下がり銘柄数が1,251となっているのは異常といえます。このような直近の大きな上昇は「仕上げ局面」を感じさせますので、短期の「仕上げ局面」で、スピード調整を待つスタンスをとってもよいかもしれません。

 これまで何度か書きました「2月の節分天井、3月の彼岸底」というものに従えば、3月は要注意かもしれません。そうならなくてもリスクの高い時に買って大損するよりも、はるかに利口な投資方法だといえます。買うなら日経平均が大きく上昇する一方で、売られている好業績の中小型株を少しずつ買っていくのがよいでしょう。

 過熱を示すテクニカル指標は騰落レシオ、200日移動平均線のプラスかい離率(16日26%)、信用評価損益率は▲8.0%(12日時点)などと増えてきています。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国の追加経済対策の早期成立を目指す動き、新型コロナウイルス感染者の減少傾向とワクチン接種の進展による経済活動再開への期待から、米国株の上昇が続けば、日本株式にはプラス作用となって、3万円台の値固めが期待できます。

 また、国内では3月7日の緊急事態宣言解除の期限前に解除されるかどうかが注目点。期限前に解除されれば景気回復への期待が高まります。

 一方で、先週の日経平均の急上昇が一部の値がさ株の上昇によって作られたことであることと、高値警戒感の中でアンバランスな動きとなれば、スピード調整の可能性も出てきます。市場の見方では、相変わらず「もうはまだなり」の強気が支配していますが、テクニカル指標は過熱感を示すものが増えており、現在の金融相場では、大きな調整は想定せずですが、チャートを重視する立場からは、「2月の節分天井、3月の彼岸底」を想定しておいたほうがよいと思われます。

今週の指標:NYダウ平均株価

 今週も引き続き、ワクチンの接種加速で経済活動再開への期待が高まり、下院議会が26日に1.9兆ドルの追加経済対策の採決を計画し、最終的に3月中旬までの成立を目指します。順調に進めば株価の上昇要因となります。

 同時にFOMCは17日の議事録で資産価格の上昇に注意を向け、イエレン財務長官も投資家に注意喚起し、高値警戒感が併存しているため、上昇は鈍くなりそうです。

今週の指標:ドル/円

 今週は、米長期金利や米株式の動向によってもみ合いとなりそうです。

 コロナワクチンの供給量が増え接種が進めば、経済活動再開への期待が高まり、また、29日の10-12月期GDP(国内総生産)が予想を上回れば、ドルは買われることになります。

 ただし、長期金利が上昇して株式がさえない動きとなれば、長期金利が反落して、ドル売り・円買いが増えることも予想されます。

先週の結果

週始め2日間で1,000円強と暴騰。30年6カ月ぶりの高値後、3日続落

 2月12日(金)の2月SQ(特別清算指数)値は2万9,718円で、日経平均の終値は2万9,520円と、一度もSQ値の2万9,718円に届くことなく「幻のSQ」で終わりました。

 先週の予測では、日経平均の終値よりも、かなり高いところでSQ値が決まったことで、早い段階にここを突破できなければ、2万9,718円は上値抵抗ラインになるとしました。そして、これを早く突破できれば、現状の米株式は上昇が継続する可能性が高く3万円を試す動きになるとしました。

 この可能性は低いとみていましたが、翌週の15日(月)の前場で一気に+486円の3万0,006円と3万円に乗せ、後場になるともう一段高となって+564円の3万0,084円で終わり、日経平均は1990年8月2日以来、30年6カ月ぶりの高値水準となりました。

 この背景は、まず米国市場でバイデン米大統領がワクチン2億回分の追加契約を発表。合計6億回分が7月までに全国民の3億人に行き渡る予定となったことで、ワクチン普及による経済活動の早期再開への期待、そして、NYダウが終値で史上最高値更新となったことで、主要3指標そろって史上最高値更新となりました。

 為替もドルが買われ1ドル=105円台乗せとなり、15日朝方に発表された国内GDPは予想の+9.5%を上回る+12.7%となったことで日経平均は上げ幅を拡大しました。さらに後場には、時間外の米株先物の上昇で先物買いを支えに一段高となり、+564円の3万0,084円で引けました。

 16日(火)は、前日の米国市場がプレジデントデーによる休場で特別な材料がない中、欧州株式と時間外の米株先物が上昇したことで、外国人買いに引っ張られ、日経平均の前場は+484円の3万0,568円まで上昇。後場に入ると+630円の3万0,714円とさらに一段高となりました。しかし、その後は上げ幅を縮小し、日経平均終値は+383円の3万0,467円でした。

 外国人ファンドの一方的な買いの側面もあり、上昇ピッチの早さに警戒感が出ていました。この日経平均の動きが一部の値がさ株中心の上昇であるという証拠として、これだけの大幅上昇にもかかわらず、値上がり銘柄数846、値下がり銘柄数1,251と値下がりが断然多い状況だったことがあります。この日の日経平均の指数を見る限り、普通の上昇であれば、値下がり銘柄数は300ぐらいのものです。いかに異常な上昇かがうかがえます。

 その結果、その後の3日間は、17日(水)▲175円の3万0,292円、18日(木)▲56円の3万0,236円、そして週末の19日(金)は、一時3万円を割って▲388円の2万9,847円まで下げ、終値は▲218円の3万0,017円と、かろうじて3万円を守って引けました。

 ここで何度も書きましたが、高値圏での買いはリスクがあるということ。15日(月)の安値2万9,662円、16日(火)の高値3万0,714円と2日間で1,000円強、日経平均は上昇していますが、もうかったのは買いを仕掛けたファンドだけで、これに乗った一般投資家は高値づかみしてしまっているでしょう。

 現在の位置は中途半端ですが、ここからスピード調整があれば買ってみてもよいでしょう。

 19日(金)の米国市場は、イエレン財務長官が1.9兆ドルの経済対策の必要性を強調したことで、朝方は堅調に推移し、NYダウはザラ場では史上最高値を更新しました。

 しかし、長期金利が上昇し、将来のインフレ懸念が警戒され、後場はハイテク株に利益確定売りが出たことで失速。全体的には、ほぼ横ばいで、シカゴの日経先物は+160円の3万0,200円でした。

(出島 昇)

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